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シリアの最前線にいた露軍中将がダーイッシュの砲撃で死亡したが、米軍が露軍を狙い始めた可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709260000/
2017.09.26 櫻井ジャーナル
シリアで活動しているロシア軍事顧問団の幹部、バレリー・アサポフ中将がダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の砲撃により、デリゾールで死亡したと9月25日に発表された。そばにいたふたりの大佐も死亡したという。ロシアのセルゲイ・リャブコフ副外務大臣はアメリカの二面政策に責任があると語ったようだ。
ダーイッシュは2014年の初頭から売り出された戦闘集団だが、AQIやアル・ヌスラといったアル・カイダ系武装集団と同じで、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルを中心とする勢力の傭兵部隊。
1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックはアル・カイダについて、CIAがアフガニスタンでロシア軍を潰すために雇い、訓練した数千名に及ぶムジャヒディン(聖戦士)のコンピュータ・ファイルだと説明している。
また、マイケル・フリン中将が局長だった時代のDIA(国防情報局)は2012年に反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘、バラク・オバマ政権のシリア侵略政策を変更しないと東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると警告、それがダーイッシュという形で現実になったわけだ。
ダーイッシュが売り出された直後にフリンはDIA局長を解任されるが、2015年8月に彼はアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュが勢力を拡大できたのはオバマ政権の政策によると発言している。そのダーイッシュの陣地にアメリカ軍の特殊部隊が使う装甲車や装備が写っている衛星写真を公表、戦闘態勢にあるダーイッシュ部隊の中をその特殊部隊がクルド系のSDF(シリア民主軍)を平和裏に通過させていたという。
クルドはダーイッシュに支配されていた油田を押さえると同時に、シリア政府軍がユーフラテス川を渡ることを阻止しようとしている。そこでダムから放水して水位を上昇させている。
このクルドは一枚岩でなく、イラクやイランを拠点にする集団とシリアやトルコを拠点にする集団では全く違う。1960年代からイスラエルの指揮下に入っているイラクのクルドはソラニをいう言語を使い、文字はアラビア文字。シリアのクルドはクルマンジと呼ばれる言語でラテン文字。こうした違いはあるが、最近はイラク系もシリア系も石油をイスラエルへ売却して儲けるという共通項があり、シリア系もアメリカなどの影響下に入っている。
ハマの北東部ではアメリカを後ろ盾とする武装勢力がシリア政府軍を攻撃して包囲、ロシアの空軍と特殊部隊が反撃してアメリカ側の戦闘員850名が死亡、多くの戦闘車両が破壊されたという出来事があったことも本ブログでは伝えた。包囲された部隊にはロシア軍の兵士もいたようで、アサポフ中将の件にしろ、ハマ北東部での戦闘にしろ、アメリカ軍はロシア軍を狙い始めているように見える。
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