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デリゾールの孤立状況を解消させたシリア政府軍はユーフラテス川を渡り、クルドと衝突する可能性(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/17/warb21/msg/145.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 18 日 16:49:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

デリゾールの孤立状況を解消させたシリア政府軍はユーフラテス川を渡り、クルドと衝突する可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709180000/
2017.09.18 櫻井ジャーナル


シリアの戦況は新たな段階へ入った。戦略的に重要な場所と認識されているデリゾールはこれまでも政府軍が押さえていたが、周囲をダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に囲まれていた。その孤立した状況が解消されたのである。アメリカはシリアやイラクにいるダーイッシュの戦闘員をデリゾールへ集中させていたので、ここでの敗北は決定的だと言えるだろう。今後、政府軍/ロシア軍とクルド勢力/アメリカ軍が対峙する展開になる。



アメリカもデリゾールを重要だと考えていた。昨年9月17日、アメリカ主導軍のF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機がデリゾールでシリア政府軍を攻撃、80名以上の政府軍兵士を殺害した理由もそこにあるのだろう。「誤爆」ではない。

アメリカ軍が空爆した7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していた可能性が高い。その後、28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃、シリア政府軍がユーフラテス川を渡る手段を破壊した。

当時、ロシア政府のマリア・ザハロワ広報官はデリゾールでの空爆について「ホワイトハウスはダーイッシュを守っているのだ。疑いようがない。」と語っているが、その通りである。そのダーイッシュが使い物にならなくなったことからクルド系戦闘集団のSDFへ切り替えたのだ。勿論、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュは「タグ」にすぎず、クルド系の戦闘集団SDFにも合流している可能性がある。

この頃、バラク・オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、今年に入って第11海兵遠征部隊がシリアで戦闘態勢を整えたと報道されているほか、アメリカの特殊部隊がクルド軍とラッカへ入ったとも言われている。トルコ政府によると、アメリカはシリア領内に10カ所以上の軍事基地を建設済みだという。

国家安全保障補佐官のH. R. マクマスターはネオコンとして有名で、ヒラリー・クリントンにも近いデビッド・ペトレイアスの子分だ。そのマクマスターはユーフラテス川の周辺へ数万人とも15万人とも言われる規模の軍隊を送り込もうとしていたと言われている。ネオコンはシリア、イラク、イラン、トルコをまたぐクルドの「満州国」をでっち上げるつもりだろう。

今年5月18日、6月6日、そして6月8日にシリア南部のアル・タンフでアメリカ主導軍はシリア政府軍を攻撃、6月18日にシリアの要衝ラッカ近くでシリア政府軍のSasyuracom-22戦闘爆撃機がアメリカ主導軍のF/A-18E戦闘機に撃墜されている。こうしたシリア政府軍側に対する攻撃にもかかわらず、ダーイッシュの敗北は確定的。アメリカ軍はデリゾールにいた反シリア政府軍の幹部をヘリコプターで何度か運び去ったとも伝えられている。態勢立て直しのためだけでなく、その中にはアメリカが知られたくない人々も含まれているのだろう。

イラクにもクルド系の武装勢力が存在しているが、この勢力とシリアのクルドは別だと考えられている。イラクのクルドは1960年代からイスラエルの勢力下へ入り、サダム・フセイン体制を揺さぶる道具として機能してきた。

アメリカ軍はイラクの北部もクルド勢力を使って居座るつもりで、サウジアラビアもクルドの支配地に影響力を及ぼそうとしている。イラクの前首相で現在は副大統領を務めているノウリ・アル・マリキはイラク北部に「第2のイスラエル」が出現することを許さないと語っている。

しかし、シリアのクルドもアメリカの影響下に入った。シリアでは政府軍がユーフラテス川を渡り、北からトルコ軍が攻め込んでくることも予想される。クルドの「満州国」をアメリカ軍は守りたいだろうが、彼らにとってロシア軍の空爆や巡航ミサイルのカリバルは脅威。建設済みの基地は破壊されてしまうと見られている。そうした中、アメリカ軍はロシア軍がSDFを空爆していると主張しているが、これは自分たちが行ったことを相手にぶつけるというアメリカの得意技だ。ロシアの姿勢を和らげるために「交渉」、つまり、また騙そうとしているのだろうが、ロシア軍はアメリカ側の主張を否定、最近、SDFとダーイッシュは戦っていないとも指摘している。



 

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コメント
 
1. 2017年9月18日 22:26:43 : 1P1Roemzwg : cpeiGfCK_yQ[59]
実際はこんなに単純な勢力分けではないだろうがこの地図はわかりやすい。西側つまり英米側の提供する地図ではシリア政府軍の制圧している地域は点と線だけでデリソールなどは全体が反政府側の勢力になっていた。すぐそばはラッカだし。

それがデリソールでも政府軍側が優勢だということは、実際の勢力圏は反政府側、IS側はもっと少ないということ。


2. 2017年9月19日 00:03:25 : caDDyxuZVY : YCsvou154w4[24]

 1氏へ。戦況図はsouthfront crisis newsのサイトでほぼ毎日新しいのをみれます。

 シリア軍とSDFとが対峙するのは、まだ先であろう。シリア軍はユーフラテス河、東岸からISILを追撃するが、そのときは、ISILの逃げる先はSDFが支配していると宣言している地域になるが、その地域なるものは縮んでいくだけのように思える。ISILがSDF支配地域に敗走すれば、SDFも後退する、そのような展開かと想像する。

 仮にシリア軍とSDFが対峙するならば、兵員、兵員の戦闘能力、装備はシリア軍が勝る。後背地の厚みを比較するならば、SDFサイドはそれこそ点と線での存在でしかないであろう。ロジステックはデリゾール軍空港が使用可能となっており、比較にならない。

 シリアサイドの算段はなんとしても、SDFとISILとを戦わせる、そのような戦略のもとで、ISILを追撃すると思われる。

 SDFがISILとは戦っていない、そのようにロシアは見ている。シリア人ならば、猶更そのようにみているであろう。帰結するところは、SDF支配地域内で、クルド人の人口比が高くない地域では、シリア全体でISILがほぼ駆逐される状況になったならば、クルド主体の行政運営への不満から、暴動の形をとると思われる。


3. 2017年9月19日 11:59:50 : vVVsmT9PBs : ymzf55Z7u6k[7]
トルコは、シリア国境沿いに、クルド人国家を作って、そこにトルコ国内のクルド人を、追放しようと考えている。

イラクとイランは、クルディスタン樹立を、明確に拒否している。

クルド人武装組織が、トルコ・シリア国境沿いで、他民族のスンニ派やキリスト教徒に対して、民族浄化作戦を行っていることは、ここ、何か月で、頻繁に聞こえてくる。

クルディスタン構想を、協力に後押ししているのは、イスラエルだ。

実は、トルコは、クルディスタンが出来た場合、トルコ国内事情に、バックファイアーして来ることを、警戒している。

IS掃討作戦において、イラクとイランは、既に連帯しているけれど、クルド問題で、それが、更に強化されれば、イスラエルのクルディスタン構想は、頓挫する。

クルド人が、一枚岩であるか、そこにも疑問は残る。

危機感を感じているイスラエルが、取る行動は、レバノン侵攻か、同盟国(米国など)やアラブ(サウジアラビアなど)を使った、イランに対する代理戦争、あるいは、直接的なイラン攻撃だ。

この点て、最近の印象的なニュースを、3つ挙げる。

2つは、イランに関係している。

@ イランは、イリューシンから投下できる、米国の「爆弾の母(MOAB)」に相当する爆弾を保持していることを、明らかにした。

A 6月末に、デリゾールのIS本部や武器庫を破壊した、イランの中距離ミサイル(射程1000キロ)の命中精度は、予想外である。

> Iran’s ‘father of all bombs’ dwarfs US biggest non-nuclear bomb: Commander

http://www.presstv.ir/Detail/2017/09/16/535305/Iran-bomb-IRGC-US-MOAB

B イスラエルは、最近シリア北西部を、空爆したと報道されている。(フェイクニュースは、根拠のない化学兵器工場説を流している。)

実は、イスラエル機は、レバノン上空で、ミサイルを、発射している。

http://www.asahi.com/articles/ASK975FM4K97UHBI026.html

以前のように、シリア空域には、侵入できなくなっている。


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