2017年9月6日(水) 米国に直接対話促せ 北朝鮮危機 外相 軍事衝突の危険否定できず 衆参・閉会中審査で要求 北朝鮮が6回目の核実験を実施したことをうけ5日、衆院外務委員会と参院外交防衛委員会で閉会中審査が行われました。日本共産党の笠井亮衆院議員と井上哲士参院議員はそれぞれ、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、偶発的事態や誤算による軍事衝突が起こる危険が強まっているとして、これを避けるために、「今こそ対話に踏み切るべきだ」と政府に求めました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-06/2017090601_01_1.jpg (写真)質問する笠井亮議員=5日、衆院外務委 笠井議員 笠井氏は冒頭、北朝鮮が累次の国連安保理決議等に違反し、「国際社会が追求する『対話による解決』、核兵器禁止条約の採択など『核兵器のない世界』を求める大勢に逆らっている」と抗議しました。 笠井氏が、米朝間で軍事衝突が起こりかねない現実的な危険についての認識をただしたのに対し、河野太郎外相は、これを否定できず、「一方的に緊張を高めているのは北朝鮮だ」などと述べ、米国の核抑止力と、マティス米国防長官が、「数多くの軍事的選択肢がある」と述べたことを歓迎する姿勢を示しました。 笠井氏は、こうした日本政府の態度を厳しく批判。8月29日の国連安保理議長声明が、朝鮮半島内外の緊張の緩和と、「対話を通じた平和的で包括的な解決」を提起したことを指摘し、「米朝間の軍事的緊張がエスカレートすれば、当事国の意図にも反して軍事衝突が偶発する危険がある。『対話否定論』を改め、米国政府に対話に踏み切るよう説得すべきだ」「軍事衝突が引き起こされれば、日本に深刻な被害が及ぶ。絶対に避けなければならない。危機打開のために直接対話のルートを開くことだ」と強調しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-06/2017090601_01_1b.jpg (写真)質問する井上哲士議員=5日、参院外防委 井上議員 米朝間の緊張の高まりの責任を北朝鮮のみに押し付け、対話での解決を繰り返し否定する河野外相に対し、井上氏は参院外防委で、米朝の直接対話を促すことで、偶発的事態や誤解による米朝間の軍事衝突を避けるよう求めました。 井上氏は、4日から開かれている国連安保理の緊急会合に関して、「ジェフリー・フェルトマン国連事務次長は、緊張が高まるにつれ、まさに誤解、判断違い、エスカレーションのリスクが高まっていると述べた」とする報道発表があると紹介。圧力一辺倒では当事者たちの意図に反して軍事衝突が発生する危険があるとして政府の認識をただしました。 河野外相が「北朝鮮が暴挙に出なければ、軍事衝突にはならない」と述べたのに対し、井上氏は、「現実をしっかり見るべきだ」とのべ、危機を打開するための対話は「北朝鮮に対する譲歩や、核兵器を容認するものではない」と強調し「対話拒否」の態度を改めるよう追及。米朝両国が互いに意思を確かめることなく軍事的恫喝(どうかつ)の応酬をする事態を避けるため、「米国政府に対し対話に踏み切るよう説得すべきだ」と迫りました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-06/2017090601_01_1.html 2017年9月6日(水) 安保理、北制裁に焦点 緊急会合 11日の決議採択めざす 【ワシントン=池田晋】国連安全保障理事会は4日、北朝鮮による6回目の核実験への対応をめぐって緊急会合を開きました。各国は一致して北朝鮮を非難。日米は英仏韓とともに対北制裁の一層の強化を求め、中ロは制裁強化には慎重な姿勢を示しました。 会合は日米韓英仏の5カ国が開催を要請。冒頭に報告した国連のフェルトマン事務次長は、緊張の高まりとともに、誤解や誤算、事態の深刻化の危険性も高まっていると指摘。北朝鮮の挑発行為の打破には包括的対応が必要で、「賢明で力強い外交が効果を発揮するようにせねばならない」と述べました。 ヘイリー米国連大使は、過去24年の安保理の取り組みも北朝鮮のミサイル開発を止められなかったと指摘。「もうたくさんだ」として、「可能な限り最強の(制裁)措置を採択しなければならない」と述べ、近く決議案を各国に配布し、11日の採択を目指す方針を表明しました。 中国の劉結一(りゅうけついち)大使は「朝鮮半島に混乱や戦争をもたらすことは決して許さない」と述べ、体制崩壊を招くような制裁に反対すると示唆。ロシアのネベンジャ大使も「制裁強化だけでは解決できなかった」と関係国がただちに対話に戻ることを求めました。 スウェーデンは制裁の検討に応じる姿勢を示しつつ「制裁だけで半島情勢は解決しない」と述べるなど、緊張緩和のため自制するよう関係国に求める国もありました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-06/2017090601_04_1.html 2017年9月6日(水) 核兵器禁止 批准迫る 河野外相に伊波参院議員 参院会派「沖縄の風」の伊波洋一議員は5日の外交防衛委員会で、政府に対し、7月の国連会議で採択された核兵器禁止条約の批准を求めました。 河野太郎外相は、核兵器のない世界にむけ「現実的かつ実践的な取り組みを積み上げていく」と従来の政府方針に固執。核兵器禁止条約が国連加盟国の約3分の2、122カ国の賛成で採択された現実を無視し、「核兵器国の賛成を得られず、非核兵器国の中も二つに割れた」と否定的な見方を示しました。 伊波氏は北朝鮮の核・ミサイル開発問題にふれ、「現段階では、抑止力よりも核の脅威が現実化している」と指摘。「日本政府は核抑止力論にしがみつくのではなく、唯一の被爆国としての原点に立ち返り、国際的な核兵器禁止の世論形成に努めるべきだ」と主張しました。これに対し河野氏は「わが国は核兵器国と非核兵器国との橋渡しをすることで核兵器のない世界をめざす」と、これまでの政府の姿勢を踏襲しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-06/2017090602_01_1.html
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