北朝鮮が日本海へ飛しょう体 250キロ余り飛行 韓国通信社 8月26日 8時06分 NHK韓国軍は、北朝鮮が26日朝、東部から日本海に向けて何らかの飛しょう体を発射したと発表し、韓国メディアは発射されたのは数発で250キロ余り飛行したと伝えています。 韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が26日朝、東部カンウォン(江原)道のキッテリョン(旗対嶺)付近から日本海に向けて何らかの飛しょう体を発射したと発表しました。 韓国の通信社、連合ニュースは、飛しょう体は数発発射され250キロ余り飛行したと伝えています。 北朝鮮は先月4日に北西部ピョンアン(平安)北道のクソン(亀城)付近から、また28日には北部チャガン(慈江)道のムピョンリ(舞坪里)付近から、それぞれ弾道ミサイル1発を発射し、ICBM=大陸間弾道ミサイル「火星14型」の発射実験に成功したと発表していました。 また北朝鮮は今月に入って、中距離弾道ミサイル『火星12型』4発を同時に発射して日本の上空を通過させてアメリカのグアム島周辺に落下させる計画を明らかにするなど、アメリカなどに対する威嚇を繰り返していました。 北朝鮮は、今週から韓国で行われているアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習に強く反発していたほか、25日キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の父親のキム・ジョンイル(金正日)総書記が軍事優先の政治を始めたとされる記念日、「先軍節」を迎えたばかりで、米韓両軍が警戒と監視を続けていました。 米メディアも速報 韓国軍の合同参謀本部が北朝鮮が何らかの飛しょう体を発射したと発表したことについてアメリカ政府はまだ公式の発表はしていませんが、アメリカ軍などが情報の分析を進めているものと見られます。 トランプ大統領はこの週末、ワシントン近郊のキャンプデービッド山荘で過ごす予定で、トランプ大統領がこの情報についてどのような反応をするのか注目されます。 一方、アメリカのCNNテレビは25日夜、韓国軍の情報として、「北朝鮮が何らかの飛しょう体を発射した」と速報で伝えました。 CNNテレビはその直前、ハリケーンについて上陸が近づいている南部のテキサス州からの中継をまじえ繰り返し伝えていましたが、ハリケーンのニュースを中断したうえで北朝鮮による飛しょう体の発射について速報で伝えました。 中国 新華社通信も速報 中国国営の新華社通信は、韓国メディアの報道を引用する形で「韓国軍の情報として北朝鮮が、けさ、何らかの飛しょう体を発射した」と速報しました。これまでのところ中国政府の公式な反応はありません。 米韓合同演習に合わせ挑発繰り返す 北朝鮮はこれまでも、春と夏に行われるアメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習に合わせて軍事的な挑発を繰り返してきました。 2013年3月、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定の白紙化や南北の不可侵合意の無効を一方的に宣言し、米韓両国に揺さぶりをかけました。 2014年3月には短距離弾道ミサイル「スカッド」と中距離弾道ミサイル「ノドン」と見られるミサイル合わせて4発を、おととし3月には「スカッド」と見られる弾道ミサイル2発を、それぞれ日本海に向けて発射しました。 同じ年の8月に行われた演習中には、北朝鮮軍が韓国軍の前線部隊に向けて砲弾などを撃ち込んだほか、一時、前線一帯に「準戦時状態」を宣言して軍事的な緊張が高まりました。 さらに去年は3月から4月にかけての演習の期間中、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」や、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルなど、射程の異なる弾道ミサイルを合わせて8発発射したほか、8月の演習中にはSLBM1発を発射しました。 そしてことしも演習のさなかの3月、北朝鮮は在日アメリカ軍基地への攻撃訓練と称して中距離弾道ミサイルの「スカッドER」4発を同時に発射しました。 その後も3月から4月にかけて、東部のウォンサン(元山)付近から1発、東部のハムギョン(咸鏡)南道シンポ(新浦)付近から合わせて2発、それに西部のピョンアン(平安)南道のプクチャン(北倉)付近から1発を、それぞれ発射し、いずれも失敗したと見られていました。 北朝鮮 最近の動き 北朝鮮は先月、2回にわたってICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表するなど、みずからのミサイル技術を誇示し、アメリカに対する新たな軍事挑発の可能性も示してトランプ政権を威嚇していました。 北朝鮮は去年4月にICBMの、また去年9月に事実上の長距離弾道ミサイルの、それぞれ新しいエンジンの燃焼実験を地上で行ったのに加え、ことし3月にも新型の大出力エンジンの燃焼実験を地上で行って成功したと発表しました。 そして先月4日と28日にはICBM「火星14型」の発射実験に成功したと相次いで発表しました。 このほか北朝鮮はことし、新型の中距離弾道ミサイル「火星12型」、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを地上配備型に改良した中距離弾道ミサイル「北極星2型」、それに艦船も狙う精密誘導システムを導入したとする新しい弾道ミサイルといった、射程の異なるさまざまな弾道ミサイルを次々と発射し、みずからのミサイル技術を誇示してきました。 北朝鮮は今月に入って、5日、国連安全保障理事会で新たな制裁決議が採択されると「断固たる報復で対処し、正義の行動に移るだろう」とする政府声明を出したのに続き、9日に「『火星12型』でグアム島周辺への包囲射撃を断行する作戦を慎重に検討している」とする軍の声明を発表し、トランプ政権を威嚇しました。 また今月23日に国営メディアを通じて公開した写真で、固体燃料を使った新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと、地上配備型で3段式の新しい弾道ミサイルの開発を示唆して、弾道ミサイル開発をさらに推し進める姿勢をアピールしていました http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170826/k10011113301000.html?utm_int=news_contents_news-main_001
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