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核兵器の登場に匹敵する「AI軍事革命」のインパクト 専門家が指摘するその危険性とは
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52672
2017.08.25 小林 雅一 作家・ジャーナリスト 現代ビジネス
AI(人工知能)分野で著名な116人の起業家・専門家が今月21日、国連宛ての公開書簡の中で、自ら判断して敵を攻撃する「自律的兵器」に警鐘を鳴らした。
https://futureoflife.org/autonomous-weapons-open-letter-2017
■「自律的兵器」への危機感
この公開書簡の署名者リストには、囲碁の世界チャンピオンを下した「アルファ碁」で有名な英ディープマインドの共同創立者デミス・ハッサビス氏や、ディープラーニングの第一人者ヨシュア・ベンジオ氏(カナダ・モントリオール大学教授)らAIの世界的権威も含まれている。そのため、同書簡の警告は相応の信憑性と影響力を持っていると見て構わないだろう。
書簡の中で彼らは、(AIを搭載した)自律的兵器が世界のテロ集団や独裁政権の手に渡ることの危険性を指摘したうえで、こうしたAI兵器の即時規制を国連に訴え、そのために「自分たちの専門知識や助言を是非とも提供したい」と述べている。
これに先立つ7月には、(米国政府への人材供給源として知られる)ハーバード大学ケネディ・スクールも、AIと(軍事を中心とする)国家安全保障に関する長文レポートを発表するなど、この分野に対する米政府関係者の関心が急速に高まっていることが窺われる。
http://www.belfercenter.org/sites/default/files/files/publication/AI%20NatSec%20-%20final.pdf
同レポートによれば、最近5年間のAI技術の発達は従来の予想を遥かに上回る速度で進んだが、その大部分は(国防総省傘下のDARPAなど)政府機関ではなく、(グーグルやマイクロソフトなど)民間企業とアカデミア(学術界)による研究成果であるという。今後は、この民間で培われたAI技術が、軍事やサイバー防衛などに応用され、国家の安全保障に重大な影響を及ぼすようになると予想している。
特に実用化が目前に迫ったAI兵器を過去の「(軍用)航空機」「核兵器」「生物兵器」、そして「サイバー兵器」と並ぶ革命的な軍事技術と位置付け、これら過去の革新的兵器と同様、今回のAI兵器も米国の安全保障に関する戦略や組織、優先順位、さらには資源配分などに重要な変革を迫ることになると見ている。
同レポートはまた、これからのAI技術が従来見られた「軍事技術の非対称性」、つまり(米国のように)豊かな大国と貧しい小国や(ISのような)テロ集団との間における兵器格差をキャンセルする可能性があると指摘している。
たとえばテロ集団が(商品の宅配サービスに使われるような)廉価ドローンにAIを搭載した自律的兵器を手にすれば、それは従来、巨額の開発資金を必要とした長距離型の精密誘導兵器と同等の威力を持つようになると危惧している。
こうしたことから、米国は今後、軍事・安全保障へのAI導入において技術的なリーダーシップを発揮していく必要があると提言。(軍用航空機や核兵器など)過去の革命的な軍事技術と同じく、今回のAI兵器も不可避であると同時に管理可能である、とレポートは指摘している。
■AIの発達がもたらす「資源の呪い」
さらに軍事技術とは別の要素、たとえば経済的な安全保障に対するAIの影響についても、同レポートは興味深い考察を披露している。
それによれば、18世紀以降の3度にわたる産業革命と同様、今回のAIによる第4次産業革命もまた、経済における資本と労働の関係を根本的に書き換える。
たとえば、これまでの産業革命で見られた「資源の呪い(Resource Curse):石油や鉱物など豊かな資源を産出する国が、むしろ工業化や経済成長では他国に遅れをとる現象」が、今後はAIが引き起こす労働自動化によって人的資源(労働力)にも広がるという。
この予想がもしも的中すれば、将来的には中国やインドのように膨大な人口を抱える大国よりも、AI開発力に秀でた少数精鋭の小国、あるいは(日本のような)人口減少国家の方が経済的に優位な立場に置かれることになる。
とは言え、中国やインドは今、世界的にもトップレベルのAI開発力を蓄えつつあるので、これを勘案すると結論はもっと複雑になるはずだが、同レポートはそこまでは言及していない。
軍事から経済まで米国の国益はAIのような技術革新によって大きな影響を受けるため、今後はその動向を的確に見定め、攻撃と防御の両面に渡る予算配分に反映させていく必要がある、とレポートは結んでいる。
「自動運転」「医療」「兵器」――「雇用崩壊」「シンギュラリティ」以前に、もっと深刻で危機的な状況が身近に迫っている
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