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シリアでCIAプログラムはやめるが、より大規模な戦争準備を継続するアメリカ
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/cia-f74e.html
2017年7月26日 マスコミに載らない海外記事
Alex GORKA
2017年7月23日
Strategic Culture Foundation
ニュースが大見出しになった。ワシントン・ポスト(WP)が、アメリカの当局者によれば、トランプ大統領が、バッシャール・アル・アサド政権と戦っている“穏健”シリア反政府派に武器を与え、訓練するCIAの秘密プログラムをやめると決定したと報じた。このプログラムは、トランプの前任者が、2013年に承認したものだ。この動きはマスコミによって、ロシアに対する譲歩として報じられている。“これは由々しい決定だ”WPは匿名を条件に、この秘密プログラムについて語った名を秘す幹部の発言を引用した。“シリアでは、プーチンが勝利した”。バラク・オバマ大統領のもとで国家安全保障会議幹部をつとめた元CIA職員ネッド・プライスは“ホワイト・ハウスは、シリア国内のものを含め、あらゆる戦線でモスクワに叩頭するのに満足しているように見える”と考えている。リンジー・グラハム共和党上院議員はこうツイートした。“もし本当なら、そうではないと願っているが、アサドとロシアとイランに対する完全降伏だ”。だがこれは本当に譲歩や、大きな政策変更なのだろうか?
一見すると、シリアのアサド政権打倒計画は棚上げされ、「イスラム国(IS)戦士に対する空爆と、国防省が、クルド人が主体のシリア民主軍(SDF)を支援するため、訓練し、武器を与えているものしか残っていなさそうだ。緊張緩和地帯が発効し、アメリカはシリアという煮えたぎる大釜への関与を次第に減らしつつある。だが事態を子細に見てみると、全く違う結論に至る。
CIAプログラム中止は、から騒ぎで、そもそも非効率的だった。実際ペンタゴン・プログラムが存在しているのだから、それで何も変わるわけではない。アメリカは関与を縮小しつつあるわけではない。逆にシリアにおいても、イラクにおいても、アメリカは軍事駐留を急速に強化しつつあるのだ。
7月17日、トルコのアナドル通信は、軍施設のありかの詳細、場合によっては、そこに駐留する特殊作戦部隊の人数まで含む記事を報じた。コバニ、マンビジとルメイランなどにある二カ所の飛行場と、8カ所の前哨基地が、クルド民主党 (PYD)とその武装部門、クルド人民防衛隊(YPG)を支援するために使用されている。ラッカ県北部の町アイン・イッサの前哨基地は、約200人のアメリカ兵と、75人のフランス人特殊部隊兵士を擁している。
MRAP、M-ATVや装甲を強化したブルドーザーを含むアメリカ製装甲車両で、最近トルコ国境にある北東シリアの都市、カーミシュリー地域に駐留する部隊が強化された。ガーディアン装甲警備車や装甲を強化したハンビーは、SDFに対する連合軍の支援に含まれており、国防省の2018年予算年度のシリアの提携部隊を訓練し、装備を与えるプログラム用の資金要求によれば 、装甲ブルドーザーも“吟味された”シリア人集団への支援に含まれている、とミリタリー・タイムズは報じている。
耐地雷/伏撃防護装甲車M-ATVとMRAPは、シリア民主軍に譲渡されるパッケージの中に含まれていないと情報源は言っている。マスコミが流布している写真に掲載されているM-ATV上に搭載されている遠隔操作式銃塔、CROWシステムもそうだ。シリアに進入する重武装アメリカ戦闘車輛の写真は、この地域全体、特にシリアで、アメリカが軍事駐留を強化していることを実証しているように思える。
先月、高機動ロケット砲システムHIMARSがシリア・イラク間の三つの国境検問所の一つ、シリア南東部のアルタンフ基地に移動された。HIMARSは既に北シリアに配備されている。
戦車とヘリコプターを持ったアメリカ、イギリスと、ヨルダンの軍が、シリア南部のダラー県やスワイダー県の国境地帯中で、ヨルダン国境からわずか数百メートルの農村地域テル・シャハブから、アル・ナシブ国境検問所やヒルベト・アワド村などの長い帯状の地域に駐留していると報じられている。シリア国境に近いヨルダン北西端にあるヨルダンの町アル・ラムサ付近での彼らの駐留も報じられている。この地域にIS過激派戦士はいないのだから、これら軍隊の任務はシリア政府と親イラン部隊を寄せつけないことだ。
3月のAP報道によれば、アメリカ合州国は、これまで115億ドル以上をシリア介入に費やしている。数百人のアメリカ特殊作戦部隊員がクルド民兵戦士を訓練するという口実でシリアに派兵されている。
実際、アメリカの軍事要員は、シリア領土には全く存在していなことになっている。1973年の戦争権限法は、“アメリカ合州国、その領土や財産、あるいはその国軍に対する攻撃によって生み出された国家有事”の際、大統領が一方的に動くことを認めている。シリアは、アメリカ合州国を攻撃していない。2001年の軍事力行使のための権限(AUMF)は、9/11のテロ行為と何の関係もないシリアに入るいかなる権限も与えていない。シリア政府を自国内で悪事を働いている悪者連中の集団として描き出せるかもしれないが、国連憲章は報復や制裁や懲罰のための軍事力の行使を禁じている。
政権は議会に、イラクとシリア内に新たな“一時的”施設を構築する権限を認めるよう要求している。それこそ、まさに最近の施政方針が言っていることだ。大統領は議会に、施設の“修理修復”だけを対象にしている既存の権限を、“一時的な中間部隊集結地、弾薬補給所や十分に軍隊を保護できる兵站基地”も対象にするよう拡張させたがっている。
現在、共同統合任務部隊 - 「生来の決意作戦」と第18空挺軍団を指揮している司令官であるステファン・タウンセンド中将は、作戦は、イラク軍がモスルを奪還した後、ユーフラテス川流域に拡張する予定だと述べた。中将は地域におけるアメリカ軍部隊の駐留継続、政権が提案したような臨時基地に設置した仮設施設の利用も含められるが、大半は既存の基地を利用する予定だと認めている。鳥はシリアに少しずつ巣を作りつつあるのだ。
ハイダル・アル=アバーディ首相は、イラク国内でのISに対する戦いが終わった後、イラク内で、アメリカ軍を維持することをトランプ政権との交渉している。両者は、アメリカ軍の長期的駐留が必要なことで合意したようだ。アメリカ軍はイラクに約7,000人の兵士を駐留させている。
アメリカ合州国が、地域で戦争準備を強化している複数の兆しは誰の目にもあきらかだ。任務の一つは、イランとの間で起こりうる紛争に備えることだ。もう一つは、シリア国内の緊張緩和地帯について、そして、ジュネーブでの危機管理に関する交渉で交渉上の立場を強化することだ。どのシナリオも、火を点ける火花を放ちかねない。
ロシアとアメリカは、あらゆる差異を棚上げして、シリアに関する二国間秘密交渉を開始できるはずだ。マスコミに対するあらゆる漏洩から守られた開かれた率直な会話は、最悪の事態が起きるのを防ぐ上で役に立つだろう。モスクワは、アスタナ・グループとアメリカが率いる連合との間の仲裁者として機能できよう。双方が合意した提案を、他の関連当事者に示して、議論と承認を要求できよう。しかし、ロシア外交施設の返還を拒んでいるのが、アメリカには対話の意思はないことを示している。影響力を強化し、状況が自分たちが望んでいる方向に展開するようにする取り組みで、地域における戦争を瀬戸際にする方に重きを置きたがっているように見える。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/07/23/us-ends-cia-program-syria-but-continues-preparations-for-big-war.html
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