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シリア政府が住民に化学兵器を使ったとする話の信憑性がなくなる中、CIA長官が大統領擁護の発言
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201707170000/
2017.07.18 12:51:54 櫻井ジャーナル
マイク・ポンペオCIA長官は7月11日、INSA(情報国家安全保障連合)の夕食会で4月6日の出来事について語った。ドナルド・トランプ大統領から4月4日の攻撃について質問されたポンペオは6日、閣僚が集まった会合の席で攻撃に化学兵器が使われ、シリアの体制側が使ったというCIAの結論を伝えたとしている。
その報告に基づいてトランプは攻撃を決断、6日の夜、アメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射され、少なくとも数機は目標へ到達したという。
しかし、シリア政府軍は化学兵器を2013年に廃棄、現在、そうした兵器を保有しているのはアメリカが支援してきた反シリア政府軍だ。ロシア政府が現地での厳密な調査を求めたが、西側は拒否している。
以前にも書いたが、ジャーナリストのロバート・パリーは攻撃の直後、ポンペオ長官の主張とは全く違う話を伝えている。4月6日の早朝、ドナルド・トランプ大統領はマイク・ポンペオCIA長官から私的に化学兵器の使用を否定する説明を受けていたとする内部からの情報があるというのだ。
6月25日には、ジャーナリストのシーモア・ハーシュが同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えたとしている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。攻撃の前からアメリカ側はロシアから情報を知らされていたのだ。その記事が出る3日前、6月22日にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領がシリア政府による化学兵器の使用は根拠がないと話している。
パリーは1980年代の前半にCIAを後ろ盾とするニカラグアの反革命ゲリラ、コントラのコカイン取引を初めて明らかにしたジャーナリストであり、ハーシュはベトナム戦争の際に非武装の住民がアメリカ軍の部隊に虐殺されたソンミ(ミライ)事件を明らかにしたことで知られている。
こうしたジャーナリストやマクロン仏大統領の話は、トランプ大統領がシリア政府軍による化学兵器の使用を否定するCIAの情報を無視する形でシリアをトマホークで攻撃したことになる。そうしたことを否定する役割を負っているポンペオとしては、INSAでの発言のように主張するしかなかったのだろう。
CIAの歴史を振り返ると、事実を正確に分析する仕組みが破壊されてきたことがわかる。まず1950年10月に破壊活動を目的とする秘密機関のOPCに潜り込まれ、計画局が設置された。計画局の秘密工作の一端が露見したことから1973年3月に計画局は作戦局へ名称が変更され、9/11後の2005年10月にはNCS(国家秘密局)になった。この間、1970年代の半ばにはCIAの内部にソ連の脅威を誇大に宣伝する目的でチームBが活動している。
このチームBには後にネオコンと呼ばれる人物が含まれている。この時期、つまりジェラルド・フォード政権でデタント派を粛清した黒幕はポール・ニッツェやアルバート・ウールステッターだが、ニッツェはチームBのメンバー。ウーステッターの教え子で後にネオコンの中心的な存在になるポール・ウォルフォウィッツも加わっていた。このチームを率いていたのはハーバード大学の教授でネオコンと呼ばれるようになるリチャード・パイプス教授だ。
9/11の後、この攻撃と無関係のイラクをネオコンは攻撃しようとするが、統合参謀本部の反対もあって軍事侵攻を予定通りには始められなかった。そうしたこともあり、2002年にジョージ・W・ブッシュ政権は偽情報を広めるため、ネオコンのダグラス・フェイス国防次官が国防総省の内部にOSP(特別計画室)という部署を設置した。その室長に任命されたのがウォルフォウィッツと同じようにウーステッターの教え子であるエイブラム・シュルスキー。そのメンバーは4、5名で、「陰謀団」と自称していた。
その後もCIAの分析部門は偽情報を広める上で邪魔な存在。そうしたこともあってか、トランプ政権になってCIAの組織見直しが言われるようになった。ネオコンの宣伝媒体になっているニューヨーク・タイムズ紙は見直しの責任者としてケルベロス・キャピタルという投資会社の共同創設者、ステファン・フェインバーグの名前を挙げている。ケルベロスはダインコープという傭兵会社を所有している。
現在、アメリカではアフガニスタンへ数千人規模のアメリカ軍部隊を送り込むと言われているが、正規軍ではなくアメリカの傭兵会社に任せるという話も出ている。そのためにトランプ政権はブラックウォーター(Xe、アカデミへ名称変更)の創設者であるエリック・プリンス、そしてフェインバーグを雇ったとも伝えられている。1980年代にアメリカ政府は軍や情報の分野を含めてアウトソーシングを進めたが、今では政府自体の私有化が進んでいるようだ。
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