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ヌーリ・モスク跡地に立つ民兵 ©共同通信社
そういえばイスラム国はどうなった? 崩壊の背景と過激派テロの行方
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170709-00003224-bunshun-int
文春オンライン 7/9(日) 7:00配信
「イスラム国(IS)」が崩壊寸前だ。イラク軍が北部モスルの礼拝所ヌーリ・モスクを奪還、ISの「首都」シリア北部のラッカも米軍の支援を受ける民兵組織に包囲された。6月29日、イラクのアバディ首相は「偽りの国家は終わった」と宣言した。
筆者が「イラク・レバントのイスラム国」として初めてISを記事にしたのは3年前の4月。過激化研究で定評がある英大学キングス・カレッジ・ロンドンがSNSを通じ、シリア内戦で戦う外国人兵士と連絡を取った結果、3分の2が国際テロ組織アルカイダの流れを汲むISとヌスラ戦線に加わっていた。
2カ月後にISはモスルを制圧、イラクの首都バグダッドに迫った。最高指導者バグダディがイスラム共同体の最高権威としてカリフ制国家の樹立を宣言し、世界中を震撼させた。
それまでは単なる「ペーパー国家」に過ぎなかったISを怪物にしたのはアメリカの中東政策だ。
第1に、イラク戦争でイスラム教スンニ派とシーア派のバランスを崩した。第2に、イラクから撤退して軍事力の空白を作り出した。第3に「アラブの春」を後押ししてシリアやリビアの内戦を拡大させてしまったことだ。
ISのイデオロギーはスンニ派の過激思想「ジハーディ・サラフィズム」。暴力で欧米支配を排除し、イスラム教の教えに忠実なカリフ制国家の樹立を目指している。ISは「欧米がシーア派に加担してスンニ派を弾圧している」という話をデッチ上げ、スンニ派のカリフ制国家を樹立、人と資金を集めた。
しかしシーア派への残虐行為、他のスンニ派組織との抗争に嫌気が差した外国人兵士の脱走が相次いだ。一時は86カ国3万1000人を数えた外国人兵士は見る影もない。ピーク時に比べ、その支配地域は60%、収入も80%減った。もはや「イスラム国」の復活はあり得ない。
だが、ジハーディ・サラフィズムのシンパは世界的な広がりを持つ。今後は本物の戦争を経験したテロリストと武器の漂流が始まる。イスラム世界の宗派対立、権力闘争、石油・天然ガスをめぐる腐敗と搾取が解消されない限り、次なる怪物が現れるのは時間の問題だ。
木村 正人
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