2017年7月13日(木) 主張 核兵器全面廃絶へ 歴史的条約を力に前進のとき 先週末ニューヨークの国連会議での核兵器禁止条約の採択は、被爆者に大きな希望を与えています。広島で被爆したサーロー節子さんが国連会議で「この日を70年以上待ち続けていました」と声を詰まらせた姿は共感と感動を広げています。今こそ「生きているうちに核兵器の廃絶を」との願いを実現するため前進するときです。 三つの力を合わせること 禁止条約には世界の英知が結実しています。前文で「ヒバクシャ」や核実験被害者の「容認しがたい苦難と損害」を特記しました。同時に「市民的良心」を担う「ヒバクシャ」の役割も強調されました。被爆者は、その体験によって人類に警告するとともに、核兵器のない新しい世界を創る担い手でもあります。条約は、被爆者とともに、核兵器全面廃絶へすすむ意思と力を示したと言えるでしょう。 第1は、禁止条約そのものが核兵器全面廃絶へすすむ大きな力です。国連加盟国の6割以上の賛成で採択されたことは、核兵器に「悪の烙印(らくいん)」を押し、違法化する新たな規範を確立したことを意味します。条約に参加していない核兵器保有国とその同盟国も、政治的・道義的な拘束を受けます。 この条約を生み出した諸国政府と市民社会の努力と共同を、さらに発展させることが重要です。これが第2の力です。圧倒的な国際世論をつくりだし、核兵器保有国とその同盟国を、包囲していくことが、「核兵器のない世界」への根本の力です。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳代表委員は、「“核兵器はいらない”という声を大きくしていくことで、核保有国と同盟国の条約参加を求めていきたい」と語りました。「ヒバクシャ国際署名」の取り組みがいよいよ急務になっています。 この点で、目前の8月に迫った原水爆禁止世界大会は、特別な意義があります。大会は国連会議に参加した各国政府の代表や国連幹部などと今後の展望や共同について、活発な交流をする場となります。大会の成功は、日本の運動の当面する最重要の課題です。 米英仏は禁止条約に反対する共同声明を発表し「世界は危険になった」などと主張しましたが、追い詰められた姿を際立たせたものでした。世界の力関係は大きく変わろうとしています。核保有大国などの横暴を打ち破るときです。 9月20日に条約の署名が始まります。今後は調印と批准のスピ―ドが注目されます。核兵器保有国とその同盟国のそれぞれの国内で核兵器完全廃絶をめざす世論を多数とし、禁止条約への参加を求める運動を発展させることが必要です。これが第3の力です。 この三つの力を合わせることで、禁止から廃絶に向かう道をきりひらくことができるでしょう。 日本での政治変革が急務 日本政府は、別所浩郎国連大使が「署名することはない」とのべるだけで、まともな対応ができていません。被爆国として恥ずべき姿です。条約に調印し、批准する日本の政府・議会をつくるたたかいが大きな課題となります。 日本共産党は志位和夫委員長を団長に第1、第2会期とも国連会議に参加し、被爆国日本の国民の声を届け禁止条約実現を訴えました。条約では「国会議員」の役割も強調されました。その責務を果たすため力をさらに尽くします。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-13/2017071301_05_1.html
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