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米国などが始めたシリアへの侵略が思惑通りに進んでいない中、カタールとサウジとの間に対立(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/404.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 6 月 03 日 23:43:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米国などが始めたシリアへの侵略が思惑通りに進んでいない中、カタールとサウジとの間に対立
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201706020000/
2017.06.03 16:27:31 櫻井ジャーナル


シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、いくつもの国が傭兵や自国の部隊を侵入させてきた。2007年3月5日付けニューヨーカー誌でシーモア・ハーシュが挙げたアメリカ、イスラエル、サウジアラビアが中心だが、そのほかイギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々が参加している。目的はさまざまで同床異夢なため、シリア政府の要請でロシア軍が2015年9月30日から軍事介入して侵略計画に狂いが生じてから分裂が進み、ここにきてサウジアラビアとカタールとの対立が話題になっている。

5月下旬にサウジアラビアのリアドでペルシャ湾岸産油国(サウジアラビア、バーレーン、カタール、クウェート、オマーン、アラブ首長国連邦)の首脳はアメリカのドナルド・トランプ大統領と会談したのだが、イランに対する攻撃的な姿勢を打ち出したサウジアラビアにカタールが異を唱える形で対立が表面化した。

ハーシュの記事によると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3カ国が始めた秘密工作のターゲットはシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラで、計画の中心人物としてリチャード・チェイニー、エリオット・エイブラムズ、ザルメイ・ハリルザド、バンダル・ビン・スルタンの名前が挙げられている。サウジアラビアにとっても、シリアの次にイランを破壊するのは侵略戦争を始める前から既定の方針だ。

シリアより1カ月早く、2011年2月からリビアに対する侵略戦争が開始され、ムアンマル・アル・カダフィ体制はその年の10月に崩壊、その時にカダフィは惨殺された。体制崩壊の直後、ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、NATOとアル・カイダ系武装グループLIFGとの関係が印象づけられた。その映像はYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メイル紙も伝えている。

リビアで仕事を終えた傭兵たちは武器/兵器と一緒にトルコ経由でシリアへ運ばれるが、その拠点になったのはベンガジにあったCIAの施設。そうした武器/兵器の中には化学兵器も含まれていた。そうした工作をアメリカの国務省は黙認している。その時のCIA長官がデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官はヒラリー・クリントンだ。

リビア駐在のアメリカ大使だったクリストファー・スティーブンスは2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が殺されているが、その前日に大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたという。

バラク・オバマ政権は一貫して「穏健派」を支援しているだけだと主張していたが、アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年8月に作成した報告書に、シリアにおける反乱の主力をサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと書いている。「穏健派」などはいないということ。当然、今もいない。この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリンであり、後にドナルド・トランプ政権の国家安全保障補佐官に選ばれた彼が有力メディアから攻撃され、辞任に追い込まれる一因になった。

2012年から13年にかけて西側の政府や有力メディアは政府軍による虐殺、化学兵器の使用といった偽情報を発信するが、いずれも嘘が発覚してしまった。そして2014年に売り出されたのがダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはファルージャやモスルを制圧、その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねたパレードしているが、その様子を撮影した写真が伝えられて有名になったのだ。

2012年8月の報告書には、オバマ政権の政策が続けられると東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると指摘されていたが、それがダーイッシュという形で現実になったわけだ。そこでフリンとオバマ大統領の周辺は激しく対立したようで、2014年8月にフリンは解任された。

LIFGやアル・ヌスラのようなアル・カイダ系武装集団にしろ、そこから派生したダーイッシュにしろ、侵略国の傭兵にすぎないが、その雇い主はサウジアラビアのほかにも存在する。トルコやカタール、おそらくイスラエル系も存在しているのだが、シリア情勢が侵略国の思惑とは違う展開にあってから分裂しはじめている。すでにトルコは離脱してロシアに接近、ここにきてカタールも離れ始めたわけだ。

1968年6月6日に暗殺されたロバート・ケネディ(RFK)の息子、RFKジュニアは、カタールからシリア経由でトルコへ石油を運ぶパイプライン建設がアサド体制を倒す動きと関係していると指摘している。そのパイプラインの建設をシリアのアサド大統領が拒否したことからシリア攻撃に参加したということだが、アサド政権の打倒が難しくなった現在、戦争を続けることは得策でないとカタールは考えている可能性がある。サウジアラビア単独でイランとの戦争に勝てる可能性はほとんどなく、アメリカやイスラエルが軍事侵攻すればロシアと衝突する可能性が高い。中東全域が火の海になり、カタールも破滅だ。軍事的な緊張を高めることは危険だということである。

 

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コメント
 
1. 2017年6月04日 07:59:26 : nEEGPfgRsQ : L7zlLvwQSe4[6]
カタールとドバイは中東のエアラインのハブ空港を持つ。カタール航空とエミレーツ航空は今や世界有数のエアラインになっている。サウジアラビアにはそんなものはない。

地域の不安定化はカタール、ドバイを含むUAEにとって不利益が大きい。戦火が拡大すればやっと生まれた原油以外の主要産業であるエアライン業がつぶれてしまう。他の産業、例えば輸出が出来る商品を作る製造業など中東には全く育っていない。核国利害関係はそれぞれ異なる。


2. 2017年6月06日 18:20:49 : LcFsXhkXAg : ACfMV2MDnmI[1]
イラン外交専門家が、ロシアのメディアに語ったところによると、カタールが、イランと外交交渉を始めた途端、他のアラブ諸国の態度が硬化して、断行と言う事態に至ったようだ。

日本語版に、その記載がないので、英語のウィキで、人口構成と宗教構成を見てほしい。

> Ethnic groups

25.0% Indian
12.1% Qatari
10.7% Bangladeshi
5.6% Sri Lankan
4.8% Pakistani
52.5% Other

Religion in Qatar (2010)
Islam (67.7%)
Christianity (13.8%)
Hinduism (13.8%)
Buddhism (3.1%)
Others (0.7%)
Unaffiliated (0.9%)

https://en.wikipedia.org/wiki/Qatar

重要なことは、イスラム教のシーア派が、20%いることだ。

うろ覚えなので、間違ったら許してほしい、カタールの油田や天然ガス田は、シーア教徒が、多数を占める地域にある。

カタールの政治社会的な安定のためには、シーア派の総本山であるイランとの関係改善が欠かせないのだ。



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