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朝鮮半島有事で日本に何が起こるのか
北朝鮮がミサイル50発を一斉射撃したら日本は防げるのか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170510-00000002-pseven-kr
NEWS ポストセブン 5/10(水) 7:00配信
北朝鮮の東海岸から福岡まではわずか500kmほど。東京まででも約1000kmだ。いざ朝鮮半島有事となれば、日本は様々な被害を受ける可能性が高い。北朝鮮から日本に向けてミサイルが発射されたとき、日本は現状の防衛力で防げるのか。ジャーナリストの黒井文太郎氏が、日本に起こりうる脅威を指摘する。
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北朝鮮のミサイル兵器には様々なものがあり、代表的な種類を挙げると、「ノドン」「スカッド」「ムスダン」「テポドン」「北極星」といったミサイルを保有していると言われています。朝鮮半島有事となった場合、日本へ向けて発射されると考えられるのは主にノドンです。射程約1300kmには、日本列島がほぼすっぽりと含まれます。
ノドンのペイロード(弾頭の積載量)は、約700kg。これに通常の爆薬を搭載しても、ビル半壊、一般家屋数軒を全壊させる程度の威力しかない。それよりやはり恐ろしいのは、大量破壊兵器つまり核や生物・化学兵器を積まれることです。
去る4月13日、安倍晋三首相は国会で、「(北朝鮮は)サリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と述べました。
ただしサリンをはじめとする化学兵器の効果は限定的です。ミサイルの弾頭に積んで標的の上空で爆発させても、ミスト(極めて細かな霧状のもの)が及ぶ範囲しか効果はありません。
北朝鮮がノドンを日本に向けて撃つ場合、作戦としてなら通常弾頭ですし、最後の暴発なら核弾頭を使用することになるでしょう。現在北朝鮮は数度にわたる核実験を繰り返し、すでに核弾頭を保有しているとの見方が有力です。それはTNT火薬換算で10キロt程度の威力で、広島・長崎型原爆を若干下回るものだと言われています。
それでも爆発地点から半径数kmにわたって死者が出ます。また数十kmにわたり放射線被害も出ます。都市部に落ちた場合、死者の数は数万人以上になるのは確実です。北朝鮮は核弾頭の開発を完成させたら次に、同量の核物質でより威力を大きくできる「ブースト型」核兵器の開発を目論んでいると囁かれます。ブースト核であれば広島・長崎以上の甚大な被害をもたらします。
北朝鮮はノドンを約200発保有し、自走式発射機を50台くらい保有しているとみられます。それらがすべて無傷であれば、最大で50発を一斉に発射できるわけです。そのとき、日本は防げるのか。
現在の日本のミサイル防衛(BMD)では、海自や在日米海軍のイージス艦に搭載された迎撃ミサイルSM-3、全国に配備されているPAC3によって同時に発射された50発の核ミサイルすべてを迎撃することは理論上は可能です。
ただ、こうしたことに「100%」はあり得ません。1発ないし数発に対する迎撃実験で100%のスコアだったから50発のミサイル迎撃も可能だ、というのは理論値でしかないのです。現実には49発を迎撃できても、撃ち漏らした1発が日本のどこかに着弾してしまう可能性は排除できないのです。
そのためにも、私はアメリカが韓国に配備したTHAAD(高高度防衛ミサイルシステム)を、日本も早期のうちに導入する必要があると思っています。THAAD導入なら現在の2段構えのミサイル防衛体制が3段構えになり、より迎撃成功の確率が上がります。
※SAPIO2017年6月号
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