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中国包囲の一環として米軍はTHAADを韓国の設置場所へ搬入しはじめ、辺野古では埋め立てを開始
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704260001/
2017.04.26 12:06:16 櫻井ジャーナル
沖縄県名護市辺野古にアメリカ軍の基地が建設されようとしているが、そのための埋め立て工事が4月25日から始まっている。その工事とタイミングを合わせたかのように韓国では26日未明、ゴルフ場の「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」へTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器が運び込まれ始めたようだ。朝鮮のミサイル実験は環境作りとして役に立っている。
アメリカと韓国はTHAADについて朝鮮の弾道ミサイル攻撃に備えてのことだと主張しているが、実際は中国を攻撃する能力を高めることにあるだろう。ロシア周辺にミサイルを配備する口実にイランを持ち出したのと似ている。そうしたこともあり、韓国政府はTHAADの配備に難色を示していたが、韓国の政界が混乱する中、配備は決定された。
1991年12月にソ連が消滅した直後、92年2月にネオコンは国防総省のDPG草案として世界制覇プランを作成した。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。これに基づき、2000年にはネオコン系シンクタンクのPNACは「米国防の再構築」という報告書を公表した。戦略上の重点地域をヨーロッパから東アジアへ移動するとしたうえで、オスプレイやTHAADが取り上げられている。
2000年の選挙で大統領に選ばれたジョージ・W・ブッシュは当初、中国脅威論に基づいて動いていたが、その背後には国防総省内部のシンクタンクONA(ネット評価室)のアンドリュー・マーシャル室長がいた。マーシャルは冷戦時代にソ連脅威論を発信していた人物だが、ドナルド・ラムズフェルドはマーシャルに軍事戦略と軍再編の見直しを任せていたのだ。
マーシャルは中国の地対地ミサイルなどが東アジアの基地や空母にとって脅威になるとしてミサイル防衛の必要性を強調、中国脅威論を主張したのだが、米太平洋軍の司令官だったデニス・ブレア提督はその主張に反論している。アメリカ軍を攻撃するためには長距離ミサイルだけでなく偵察通信システムを開発しなければならず、OTH(超水平線)目標システムも必要だが、当時の中国はそうした段階になかったというわけだ。
ブッシュ・ジュニア政権はマーシャルの主張に基づく政策を推進するが、そうした中、衝撃的な出来事が引き起こされる。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントン郡にある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのである。それを切っ掛けにして中東/北アフリカで戦乱が拡がった。
アメリカ支配層はこの出来事を利用し、国内では憲法の機能を停止させて人びとから権利を奪い、国外では侵略戦争を始めて破壊、殺戮、略奪を繰り広げている。そうしたアメリカの行動は中国とロシアを強く結びつけることになり、中国の軍事的な能力も急速に高まっているようだ。
ウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成されてから日本でも戦争の準備が進められ、東アジアの平和を訴えていた鳩山由紀夫は2010年6月、首相の座から引きずり下ろされ、替わって菅直人が首相になる。
その3カ月後、尖閣諸島(釣魚台群島)の付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が「日中漁業協定」を無視する形で取り締まり、それまで「棚上げ」になっていた尖閣列島の領有権問題を引っ張り出して日中関係を悪化させ、東アジアの軍事的な緊張を高めた。
EUとロシアが結びつくことをアメリカの支配層は嫌がり、ウクライナでネオ・ナチを手先に使ってクーデターを実行したが、同じように東アジアでは日本、中国、韓国を含む国々の連携を妨害している。中国侵略のチャンスもうかがっているだろう。こうしたアメリカの戦略の中に辺野古やTHAADの問題もある。
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