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中国主導の半島有事が「十分あり得そう」な理由
習近平が長期独裁を狙う時、“着火先”は台湾より半島?
中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
2017年4月19日(水)
福島 香織
緊張高まる朝鮮半島、“着火”するのはトランプか習近平か、駆け引きは続く(写真:AP/アフロ)
4月16日の北朝鮮のミサイル発射が失敗し、トランプが失敗はカウントしない、報復しないと言ったので、どうやら北朝鮮有事は少しだけ遠のいたようだ。しかも、米国はTHAAD配備について、次の大統領が判断すべきだ、として先送りを示唆した。中国に対しての譲歩と見ていいだろう。為替操作国認定も先送りにしており、これが北朝鮮制裁に対する協力への見返りであることも公式に述べている。かわりに、中国は北朝鮮をなんとかせい、と押し付けられた格好だ。
中国はより厳しい北朝鮮制裁を強いられることになり、石油(重油)禁輸や金融制裁に踏み切らざるを得ないだろう。中国の石油禁輸などの制裁計画案は昨年のうちにすでに策定されている。中国による石油禁輸は2003年2月に一度3日間、“パイプライン補修のため”の名目で行われたが、この圧力によって北朝鮮を米中朝の三者協議に引きずり出し、それが六者協議につながったことを思えば、これを実行すれば、効果はあるかもしれない。だが、この措置は、北朝鮮を本気で追いつめることになり、下手をすれば北朝鮮が暴発しかねない。中国はそういう事態にどのような対応を想定しているのだろうか。
金正恩に「中国亡命」を説得中?
改めて言うと、中国の同盟国としての北朝鮮の今の体制の存続が中国の根本利益に当たる。なので、米国主導の南北統一や体制変革は絶対に容認できない。ぎりぎり容認できるとしたら金正恩個人の排除までだ。一応米国側は北朝鮮のレジーム変革には興味を持っていない、と言明しているので、そのあたりは中国に配慮している。
中国の理想としては、中国側の説得に応じて、金正恩政権が核兵器の全面放棄をすることだが、それが簡単にできたら苦労はしない。体制を存続させながら、もう少し性格の穏当な「話し合いのできる」指導者に交代させることができれば、米中ともに納得できるだろう。嘘か本当か、中国当局が金正恩に自国に亡命するように説得中という情報も韓国メディアから流れているが、もし万が一、米国の攻撃前に金正恩が中国に亡命すれば、次の後継者選びおよびその後の情勢は中国主導の展開になるやもしれない。後継者としては過去マカオで中国の庇護下にあり、今は米国の庇護下にあるハンソルが、筆頭にあがることになるだろう。もっとも、金正恩がそんな説得に応じるようであれば誰も苦労はしまい。
ところで、米国のような超軍事大国にとって北朝鮮のミサイルが本当に脅威かというと、そうではないだろう。ロシアの軍事専門家も、今の北朝鮮に米国本土に核弾頭をぶち込めるミサイル技術はない、と見ている。せいぜい届くとしたら、佐世保や岩国あたりの在日米軍基地である。ミサイル実験の失敗も、本当に北朝鮮の技術的問題のせいだけなのか。米軍によるジャミングのせいという可能性もゼロではないだろう。
米国にとって、北朝鮮の脅威とは北朝鮮の兵器がイランやシリアに流れることである。シリアで使われた化学兵器も金正男を殺害した毒薬もサリンだった。シリアの生物化学兵器技術は、30年来の軍事協力関係がある北朝鮮が提供したといわれている。この上、小型核弾頭までシリアに持ち込まれてはえらいことなので、米国としては強硬策に出た。
国境に派兵、航空便とワタリガニ漁船は停止
そういう状況で、中国が北朝鮮有事をどのぐらい具体的に考えて準備しているか。これは米国系華字ネットニュース・多維がまとめていたので参考にさせてもらう。
4月15日の太陽節に起き得る有事に備えて中国は中朝国境に兵力15万を配備した。これは公式には否定されている。だが、難民の大量流入を防ぐための国境警備強化は従来からあるマニュアルどおりである。同時に、北京・平壌間の航空便を停止した。航空会社側は「チケットが売れていないので取り消した」と説明しているが、実際のところは有事警戒といえる。今後も長期的に続くとすれば経済制裁の意味もあろう。また延坪島付近の中国漁船も姿を消した。これは違法漁業だが、ワタリガニの季節の今頃は、中国漁船でにぎわっているのが常である。漁民がいちいち北朝鮮情勢に気を配っている可能性は低いので、これも当局の指示で出漁を抑えられたと見られている。
中国としては4月15日前後に、何かが起こる可能性は低いとみていたが、それでも相応の警戒はしていた。14日夜に王毅外相はロシアのラブロフ外相と電話会談し、シリアおよび朝鮮半島における共通の関心事の“戦略的コミュニケーション”を行った。細部の内容は公開されていないが、要するに、半島問題については戦略的に手を結ぼう、ということらしい。
中国が想定する北朝鮮有事リスクは、@北朝鮮の核兵器がコントロール不能になって、東北部が核汚染の危機にさらされる、A大量の難民が押し寄せる、B有事の影響で地縁政治と大国関係が変化する、の主に三つだ。北京に核ミサイルがぶち込まれる、というリスクもゼロではないが、中国も数千発と推計される核弾頭を地下施設に隠し持っている核兵器大国である。中国が北朝鮮に先制攻撃する意思は今のところなく、いくら北朝鮮が中国に腹を立てたからといって、いきなり核攻撃をしかける可能性はさすがに低かろう。
リスクの中で最も懸念されているのが、実際のところ、有事そのものよりも有事後の地縁政治および大国関係の変化、つまり北朝鮮の体制が変化し、半島における米国の軍事プレゼンスが強化されることにあるといえるだろう。逆にいえば、これが米国側の最終目的であろうと見られているので、これを防ぐためには、半島で微妙に利害対立のあるロシアとの意思疎通、連携は不可欠となる。
ロシアの発言を中国が対米牽制に利用
トランプ政権は発足当初、親ロシア人脈の台頭が注目されていたが、最終的にはロシアコネクションスキャンダルによって弾劾の可能性をおそれたトランプが、「プーチンに弱みは握られていない」ことを証明するためにシリア・アサド政権の攻撃に踏み切った、という見方がある。シリア攻撃に反対していたバノンは国家安全保障会議(NSC)メンバーから外され、更迭が噂され、トランプ政権の方向性はロシアを宿敵とする従来の共和党路線に立ち返る可能性が濃厚となった。
そういう状況で、中国はすかさずロシアとの関係強化にテコ入れしてきている。ロシアは北朝鮮問題に対しては「米国が金正恩政権転覆を考えているならそれは受け入れらない」という立場を明確にしている。さらにロシアメディアは「北朝鮮が米国を攻撃できる能力は実際のところないのに、米国が北朝鮮に戦争をしかけるようなことがあれば、2021年までの期限がある中朝友好協力互助条約に従って中国は再び米国と戦うことになる」というロシアの軍事専門家の意見などを報じ、中国メディアもこれを転電している。トランプスキャンダルを握っているという噂もあるロシアの発言を中国も対米牽制に利用しているともいえる。
ちなみに、中ロが合同でTHAADに対抗するミサイルシステムを構築する噂が一時流れたが、これについては、ロシアの軍事専門家が環球時報のインタビューに「可能性は低い。中ロが同盟関係になる可能性も低い」と答えている。中ロも根本的には利害対立関係にある。ただし、中ロで“米ペンタゴンの危険な選択”に対抗していく方針は言明している。
米国は西大西洋地域に配備されている三つの空母戦闘群を半島付近に向かわせた。北朝鮮が今後、核実験を行えば、米国としては先制攻撃もあり得る、という牽制を形で見せているわけだ。半島有事の可能性はいったん遠のいたかもしれないが、なくなったわけではない。だからこそ、中ロとも空母・カール・ビンソンに対しては偵察艦を出しており情報収集に動いている。
中国の戦争肯定派、北の「支援」と「打倒」に二分
ところで中国の一般人の間では北朝鮮有事に対して、どのような見方が多いだろうか。
これはネットで軍事問題について討論をするのが好きなミリタリーオタクに限っての意見かもしれないが、半島で戦争が起こるなら、積極的に戦闘に参加すべきであるという意見が多い。中国世論は基本的には戦争に肯定的である。こうした積極参戦派の意見も二通りあって、北朝鮮に味方して参戦すべきだという意見と、米国と一緒に金正恩政権をつぶすべきだという意見に分かれている。
北朝鮮応援派の意見は、「中国にとって北朝鮮は北の大門、この土地を守るために中国は歴史上、6回戦争をしてきた。この土地を守ることが中国の中心利益であり、米国に半島で勝手に軍事行動を起こすことを許してはいけない」というものだ。中朝友好協力互助条約を結んでいる以上、中国と朝鮮は軍事同盟関係にある、というのも根拠にある。
米中協力派の意見は「金正恩の横暴は中国も手を焼いている。だが、米国に半島で単独で軍事行動を起こさせることだけは許してはいけない。それなら中国も一緒に戦争に、そして金正恩排除に参加して、米国に勝手にさせないようにするべきだ」。半島問題の本質が米中のどちらが北朝鮮に対して主導権を握るかという点にあるとすれば、どちらもあり得る、ということでもあろう。
さて中国が今後、具体的にどのような展開を考えているのか。
一つ重要な要素は5月9日の韓国大統領選挙である。韓国の大統領が親北朝鮮派の文在寅となれば、中韓ロの連携によって米国の軍事的行動を抑止し、北朝鮮を再び六カ国協議の席に戻すことができる確率は高まる、と少なくとも中国は期待を寄せている。
「六カ国協議」で時間稼ぎ、その先は…
そう、いまだに六カ国協議なのだ。だから武大偉のような過去の人が、いまさらのように韓国を訪問したり、北朝鮮を訪問しようとしたり(北朝鮮側が拒絶してできず)している。六カ国協議では、北朝鮮の核問題は根本的に解決できないことは明白だ。できるとしたら、北朝鮮を核保有国と認定し、不拡散を約束させるぐらいだろう。核の完全放棄は、金正恩政権をつぶさないかぎり考えにくい。
ちなみに中国内部には、北朝鮮はすでに核兵器保有国であり、そろそろそれを認めるのが現実的だという意見が少なからずあり、もし米国の方を多少なりとも説得できるとしたら、北朝鮮の正式な核保有国認定も視野に入れていそうだ。そうでなければ、六カ国協議は時間かせぎでしかない。
いや、中国にとっては時間稼ぎでもいいのだ。では、いつまでの時間稼ぎだろうか。
それは、中国にきわめて反抗的な金正恩を、中国主導の軍事行動によって排除するまで、ではないだろうか。2021年に中朝友好協力互助条約の期限が切れるタイミングは、習近平が引退する直前、もしくは三期目継続による長期独裁体制の確立を狙っている最中かもしれない。仮に従来の共産党システムを破壊して、長期独裁政権を築こうというならば、党内と人民を納得させるような政治的必要状況を作り出す必要がある。それが台湾進攻作戦ではないか、という人が多いが、こうなってきてみると、中国主導の半島有事も十分あり得そうな気がしてくる。
【新刊】『孔子を捨てた国――現代中国残酷物語』
ともに儒教を文化の基盤にしているから「中国人とは理解しあえる」と信じる日本人はいまだに多い。だが、習近平政権下の空前の儒教ブームは、政治に敏感な彼らの保身のための口パクにすぎず、中国人はとうに孔子を捨てていたのだ。 「つらの皮厚く、腹黒く、常に人を疑い、出し抜くことを考え、弱いものを虐げ、強いものにおもねりながら生きていかねばならない」中国人の苛烈すぎる現実を取材した。
飛鳥新社 2017年2月15日刊
このコラムについて
中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/041700097
【第32回】 2017年4月19日 リスク対策.com
米国流・核攻撃から生き延びる法(1)日常の備え編
https://www.youtube.com/watch?v=hrt26UfL13I
核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対し、トランプ政権が米軍の原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣したり、アフガニスタンで大規模爆風爆弾を使用したりするなど、情勢は戦争の一歩手前のところまできている。今回は北朝鮮が核攻撃してきたときに備え、私たちはどうしたらいいのか。米国流の「核攻撃時に生き延びるには」を、サニー・カミヤ氏の翻訳でお届けする。
外務省は4月11日、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮が新たな段階の脅威に入ったとして、隣国の韓国への渡航者などを対象に、朝鮮半島情勢に注意するよう呼びかけるスポット情報を発表しました。
■韓国:韓国に滞在・渡航される方へのお知らせ〜情報への注意と「たびレジ」・在留届についてのお願い〜(外務省海外安全ホームページ)
「第3次世界大戦はすでに始まっている」と一部でいわれるように、米ロの緊張も再び高まっています。
考えたくはありませんが、日本に再び核が落とされた場合、私たちはどのように行動しなければいけないのでしょうか。
■「2016年の北朝鮮によるミサイル発射について」(防衛省HPより)
■「アーウィン・レドルナー: 核攻撃を生き残る方法」(TED 日本語版)
■今年9月5日の北朝鮮ミサイル発射映像を公表
North Korea Releases Video of Latest Missile Launch (出典:YouTube/WSJ VIDEO)
今回はWikihowから、米国流の「核攻撃時に生き延びるには」を翻訳してみました。WikiHowはMediaWiki.orgが編集している、アメリカでは学校教材でも使われているほどよく活用されているWebメディアです。
アメリカでは冷戦時代から核シェルターがいたる所に存在するため、核シェルターの活用が大前提になっていますが、それでも着弾後、爆発の衝撃波・爆風による爆傷・熱風・火災旋風・放射線での被爆等による被害減少させる為に地下(地下鉄、地下街、地下道、地下階)など、日本にいても実施できるポイントがあります。
読者のみなさんもぜひ一度、真剣に核攻撃について考えてみてはいかがでしょうか?
また、アメリカに出張に行かれる方も多いと思います。アメリカ政府ではFEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)が核攻撃を想定した教育を子供から大人まで継続して行っており、シェルターを活用した訓練も実施されています。
■核攻撃に対する具体的マニュアル(FEMA)
■一般市民用国民安全教育パンフレット (FEMA:139ページ以降を参照)
アメリカや海外に出張に行った際に核攻撃を受ける、または、核戦争に関係する国々に支社があり社員が日本から出張する企業等、このような事態は、可能性は低いですがゼロではありません。その時にどのような行動をとらなければいけないか、一度考えてみることも必要かと思います。
J-ALERT(全国瞬時警報システム)弾道ミサイル発射情報音(5:30から)(出典:YouTube)
肝心なのは、何が起こってもあきらめないことです。
以下、出典はすべてWikiHowです。
20年以上前に冷戦が終わり、核の影や放射性物質の脅威の下で暮らしたことがないという人は多くなりました。しかし、いまだ核攻撃は、非常に現実的な脅威です。世界の政治情勢は非常に不安定で、この20年間人の特性というものは何も変わっていません。
「人類の歴史で一番鳴り響きつづけている音は、戦争の太鼓を打ち鳴らす音だ」という言葉があります。核兵器が存在する限り、その核兵器が使用される危険性も常にあるのです。
核戦争で生き延びることができるのでしょうか。その答えとして、ある人は「生き延びる事ができる」と言い、他の人は「できない」と答えています。現代の熱核反応式核爆弾は、1945年に広島、長崎に投下された原子爆弾の何百倍の威力を持っています。
何千もあるこの核爆弾が同時に爆発したらどうなるのか、私達はしっかりと理解できてはいません。特に人口が密集する地区では、生き延びようとすることは無駄な努力にも思えます。しかし、生き延びることができる人というのは、そのような事態に精神的かつ合理的に備えができた人達で、戦略的意義のない中心部からは離れた場所に住む人達なのでしょう。
パート1: 事前に準備する
1.計画をたててください。
核攻撃されたら、危険をおかして外に食料を探しに出るのは安全ではありません。シェルター内に最低でも48時間以上、できるだけ長くとどまるべきです。食料を備蓄しておくと、気持ちにも余裕が生まれますし、生き延びるため、他の事に集中できるようになります。
2.保存食を備蓄しておきましょう。
保存食は、数年保存できます。倉庫に保管しておき、核攻撃後に生き延びるための食糧にします。炭水化物を多く含むものを選びましょう。炭水化物はカロリーも高く、元気を出せます。涼しく乾燥した場所に保管しておいてください。
・白米 ・麦 ・豆
・砂糖 ・はちみつ ・オーツ
・パスタ ・粉ミルク ・ドライフルーツ、ドライ野菜
・少しずつ備蓄しましょう。買い物に出かけた際、1〜2個余計に買って、備蓄にまわしましょう。
・最終的には、数か月分の食糧備蓄になるようにしましょう。
・缶詰め用に缶切りを用意しておきましょう。
3.水を備蓄してください。
食品用のプラスチック容器に、水を保存しておくことを検討してください。容器を塩素溶液で洗浄し、フィルターにかけて蒸留した水を入れます。
・1人あたり、1日、1ガロン(約3.8リットル)の備蓄を目指してください。
・攻撃された時に、水を浄化できるよう、基本的な家庭用漂白剤とヨウ化カリウム(ルゴール液)を準備しておいてください。
4.通信機器を準備しておいてください。
情報を常に入手すること、そしてあなたのいる場所を他の人に知らせることが極めて重要です。以下を準備しておきましょう。
・ラジオ:クランクを回して発電するタイプ、もしくはソーラー電池タイプのものを探してください。バッテリータイプのものを使うときは、予備の電池を準備しておいてください。NOAA気象ラジオの導入も検討してください。このラジオは、緊急情報を24時間放送しています。
・ホイッスル: 助けを呼ぶ時に使う事ができます。
・自分の携帯電話: 携帯電話サービスが使えるかどうかは不明ですが、もし、サービスが利用できるようであれば、携帯があると便利です。あなたの携帯に合ったソーラー充電器も併せて準備しておきましょう。
5.医薬品を備蓄しておいてください。
核攻撃に遭って、怪我をした場合、生死を大きくわけるのは、医薬品があるかどうかです。以下を準備しておきましょう。
・基本的な救急キット: セットになったものが購入できます。もしくは、自分でキットを作っても良いでしょう。消毒済みガーゼ、包帯、抗生剤入り軟膏、ゴム手袋、はさみ、ピンセット、体温計とブランケットが必要です。
・救急処置方法の手引き書: 赤十字などの機関が発行しているものを買いましょう。もしくは、インターネットで情報をあつめたものを印刷してまとめても良いでしょう。包帯の巻き方、心肺蘇生の仕方、ショック状態への対応、やけどの手当てなどを知っておいてください。
・処方された医薬品: 毎日、特定の薬を飲んでいる場合は、その薬を緊急用に備蓄しておきましょう。
6.その他の備品を揃えておきましょう。
以下のような緊急事態用の準備キットを揃えておきましょう。
・懐中電灯と電池
・防塵マスク
・プラスチック・シートとダクト・テープ
・ごみ袋、プラスチック・ケーブル・タイ、体を清潔に保つためのウェットシート
・ガスや水などの用役を止めるためのレンチやペンチ
7.ニュースを注意して見ておく。
敵国から、いきなり核攻撃されることは考えにくいです。国同士の政治的な関係が悪化してから、核攻撃がおこなわれると考えられます。
核兵器を保有している国同士で、従来の武器による戦争が起こった場合、もし、その戦争が早い段階で終結しなければ、核戦争へとエスカレートしていく恐れがあります。
更に、一部の地域に限られていた核攻撃が、エスカレートして、他の地域でも、全面的な核戦争がはじまる恐れもあります。
多くの国で、攻撃の緊急度を示す、評価システムが導入されています。例えば、アメリカやカナダでは、DEFCON(DEFense:防衛/CONdition:体制)レベルというものがあることを知っておくとよいでしょう。
8.核攻撃の応酬が懸念される場合、リスクを評価し、避難することを検討してください。
・飛行場や海軍基地など、特に核爆弾爆撃機、弾道ミサイル積載潜水艦、大陸間弾道ミサイル用地下格納庫などがある場所。核攻撃の応酬が限定的であったとしても、これらの場所は必ず、攻撃対象となります。
・商港や1万フィート(3048メートル)以上の長さを持つ滑走路。核攻撃の応酬が限定的であっても、これらの場所は攻撃対象となる確率が高く、全面的な核攻撃になると、必ず攻撃対象となります。
・行政の中心地。限定的な核攻撃でも、攻撃対象となる確率が高く、全面的な核攻撃になると、必ず攻撃対象となります。
・産業が盛んな大都市や人口の多い中心地。全面的な核攻撃の場合、攻撃対象となる確率が高いです。
9.核爆弾のタイプについて知っておいてください。
・核分裂型爆弾(原子爆弾)が、一番基本的な核爆弾で、他の武器に組み込まれているタイプです。爆弾の威力は、中性子で重原子核(プルトニウムとウラン)を分裂されることから生まれます。ウランまたはプルトニウムが分裂すると、それぞれの原子は、膨大なエネルギーと、中性子を生み出します。娘中性子は、非常に速い核連鎖反応を引き起こします。核分裂型爆弾は、今までに唯一使用されたタイプの核爆弾です。このタイプの核爆弾は、テロリストによって使用される確率が一番高いものです。
・核融合爆弾(水素爆弾)は、核分裂型爆弾のスパークプラグのとてつもない熱を使って、重水素とトリチウム(水素の同位体)を圧縮、加熱し、膨大なエネルギーを発生させます。核融合爆弾は、熱核兵器とも呼ばれています。それは、重水素とトリチウムを起爆させるためには、高い温度にすることが必要だからです。このタイプの爆弾は、長崎や広島を破壊した爆弾より何百倍も威力があります。
(2)核攻撃対処編に続く
サニーカミヤ/元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際救急援助隊所属。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。一般社団法人日本防災教育訓練センター代表理事。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中
http://diamond.jp/articles/-/125226
【第32回】 2017年4月19日 リスク対策.com
米国流・核攻撃から生き延びる法(2)核攻撃対処編
本記事では核攻撃を受けた時、私たちはどのように行動したらいいのかについて、ポイント解説する。
パート2: 差し迫った攻撃から生き延びる
1.すぐにシェルターを探してください。
地政学的な警告サインとは別に、核攻撃が差し迫った時の最初の警告は、アラームや警告シグナルで通知されることが考えられます。もし、そのような警告が無い場合、爆発で初めて攻撃を知ることになるでしょう。
核兵器の爆発から発せられた閃光は、爆心地から何十マイルも離れた場所でも確認できます。爆発地点付近(爆心地)では、爆発から生き延びられる確率は、かなり強靭なシェルター内にいない限り、皆無に等しいでしょう。
爆心地から数マイル離れた場所にいる場合は、熱風が到達するまでに10〜15秒、衝撃波が到達するまでに20〜30秒かかります。どのような状況であっても、直接火の玉を見てはいけません。晴れた日は、かなり広い範囲で閃光により一時的に目が見えなくなることがあります。しかし、爆弾の大きさ、爆発点の高さ、そして爆発時の天気によって、実際の被害半径は、かなり違ってきます。
もし、シェルターが見つからない場合は、近くの窪地を探し、そこに入って、できるだけ肌が露出しない状態で伏せてください。このような場所が見当たらない場合は、できるだけ早く穴を掘ってください。爆心地から8キロ(5マイル)の位置でも、3度の火傷を負う事になります。また、32キロ(20マイル)の地点でも、熱線により、体の皮膚が焦げてしまうほどです。爆風は、最大で960キロ/時(600マイル/時)となり、建物や外にいる人をすべてなぎ倒してしまうほどの威力です。
前述のような対応ができない場合は、屋内に逃げ込みます。この場合、必ず、かなりの爆風や熱線にも耐えうる建物でなければいけません。少なくとも、建物は、放射線から身を守ってくれます。建物の構造や爆心地からの距離により、これらの選択肢も変わってきます。また、窓からは離れてください。できれば、窓がない部屋のほうが安全です。たとえ建物自体が大きな損傷を受けなくても、爆発により、かなり離れた場所でも窓を吹き飛ばします。例えば、ロシアのノバヤゼムリャでおこなわれた核実験では(異常なほど大きなサイズのものでしたが)、フィンランドやスウェーデンでも窓が吹き飛ばされたことが知られています。
スイスやフィンランドに住んでいる場合は、自宅に核シェルターがあるかどうか確認してください。もし、無い場合は、村/町/地区の核シェルターの場所を探し、そこに行く道順を把握しておいてください。
ここで覚えておいてほしいのは、スイスでは、あちこちに核シェルターがあるということです。スイスで警報が鳴れば、警報が聞こえない人(耳が聞こえない等)にも知らせ、国営ラジオサービス(RSR、DRSおよび/またはRTSI)を聞いて情報を得る事になっています。
※可燃物から離れてください。ナイロンなど、オイル・ベースの素材は、熱により発火します。
2.放射能に晒されることで、多くの人が死亡します。
・初期放射線は、爆発の際に放出される放射能で、短寿命、短距離しか飛びません。現代の核兵器は、威力がかなり大きいので、爆風/熱線が届く距離が遠くなります。よって、爆風/熱線が届かず、初期放射線の影響だけで死に至る人の数は少ないと言われています。
・残留放射能は、放射性降下物とも呼ばれています。爆発が地表で生じるか、火球が地面に接すると、大量の放射性降下物が生じます。塵や埃が大気中に巻き上げられ、雨となって降下し、危険量の放射能がもたらされます。汚染された黒い煤は、雨に混じって降ってくることがあり、これを黒い雨とも呼びます。この雨は、非常に危険で、かなり熱いこともあります。降下物が触れたものは、すべて汚染されてしまいます。
爆風と初期放射線から生き延びることができた場合(放射線症には、潜伏期がありますが、少なくともこの時点では生き延びることができた場合)、黒い煤から身を守れる場所を探してください。
3.放射粒子のタイプを知っておきましょう。
ここで一旦、異なる3つの放射粒子のタイプについて説明します。
・アルファ粒子:放射粒子の中でも一番弱く、攻撃時に、事実上、脅威にはならないものです。アルファ粒子は、大気中に吸収される前に、空中で数インチ飛ぶと無くなってしまいます。この粒子は、体の表面であれば、さほど危険性はないのですが、体内に摂取したり、吸入したりすると致命的です。普通の服で、アルファ粒子から身を守ることができます。
・ベータ粒子:アルファ粒子よりもスピードが速く、より遠くまで透過します。この粒子は、最大で10メートル(10ヤード)飛び、その後、大気中に吸収されます。ベータ粒子は、長時間晒されていなければ、致命的ではありません。長時間晒されると、痛みのある日焼けのような、ベータ火傷を引き起こします。また、長い時間、目にあたると、とても危険です。そして、体内に摂取したり、吸入するのは危険です。服を着ていれば、ベータ火傷は防ぐことはできます。
・ガンマ線:ガンマ線は、最も危険な粒子です。空中を1マイル近く飛ぶことができ、どんなものでも透過します。このことから、ガンマ放射能は、体の外からでも、内蔵器官に深刻なダメージを与えます。かなりの防御が必要となる粒子です。
放射能を防ぐシェルターのPF値は、シェルター内にいる人が、戸外にいる時の被曝量と比較して、何倍少なく被曝するかを示しています。例えば、RPF300は、戸外にいるより、シェルター内であれば、被曝量を300分の1に抑えることができるという意味です。
ガンマ線に晒されないようにしましょう。5分以上、ガンマ線に当たらないようにしてください。田舎にいる場合は、洞窟や倒れた木を探し、中に潜りこんでください。その他、単に穴を掘って、そこに横たわり、あなたの周りに土を盛ってください。
4.自分のシェルターの内側から、壁の周りに土や使えそうな物を盛って、防護力をアップさせてください。
溝の中にいる場合は、屋根を作ってください。ただし、屋根になる材料が近くに有る時だけ、屋根を作ってください。できるだけ、放射能に晒されることがないようにしてください。
パラシュートやテントなどに使われているキャンバス生地を使えば、降下してくる塵からあなたを守ってくれますが、ガンマ線は防ぐことはできません。根本的な物理レベルで、完全にすべての放射能から身を守ることは不可能なのです。
しかし、許容レベル内に留めることはできます。放射線透過率を1/1000に低減できる素材の必要量を決める際に、以下の数値を参考にしてください。
・鉄:21cm (0.7feet;以下ft) ・岩:70-100cm (2-3ft)
・コンクリート:66cm (2.2ft) ・木:2.6m(8.8ft)
・土:1m (3.3ft) ・氷:2m (6.6ft)
・雪:6m (20-22ft)
5.200時間(8〜9日)以上、シェルター内にいてください。
どのようなことがあっても、核攻撃後48時間はシェルターから出ないでください。
核爆発による「核分裂生成物」を避けるためです。この核分裂生成物の中で、一番危険なのは、放射性ヨードです。幸いにも、この放射性ヨードの半減期(自然に減衰し安全な同位体になるまでの期間)は比較的短く8日です。ただし、8〜9日を過ぎても、多くの放射性ヨードは残っているので、外に出るのは制限してください。放射性ヨードの量が初期量の0.1%になるまでには90日かかるとされています。
核分裂による、その他の主な生成物としては、セシウムとストロンチウムがあります。それぞれの半減期は、30年、28年で、生物に吸収されやすい特性を持っており、何十年も食品を危険にさらしてしまいます。また、風で何千マイルも飛ばされるので、離れた場所なら安全だと思うのは間違いです。
6.自分の生活必需品を計画的に消費してください。
当たり前ではありますが、生き延びるためには、備蓄したものは計画的に消費してください。食料が尽きてしまうと、最終的には、放射能に晒されることにはなります(食料と水がある特殊なシェルターでない場合)。
・加工食品は、食べても大丈夫です。但し、その容器に穴があいておらず、比較的ダメージを受けていなければ、大丈夫です。
・動物は食べることはできますが、火を使って注意深く皮部分を取り除きましょう。また、肝臓や腎臓は廃棄します。骨に近い部分の肉は食べないようにしましょう。放射能は骨髄に残留するからです。
・「ホットゾーン」の加工食品は、食べても構いませんが、地下茎が食べられるもの(人参やじゃがいも)をお勧めします。植物が食用になるかどうかテストしてください(植物が食用になるかどうかのテスト方法を参照)。
・野ざらしになっている水源は、放射性降下物が含まれているかもしれないので、危険です。湧水、フタがしてある井戸などの地下水源が良いでしょう。小川や湖の水を使うのは、最後の手段にしてください。
土手から1フットの位置に穴を掘ると、フィルターのようになって水がしみ出てきます。この水は、濁っていたり、泥が入っていると思いますが、沈殿するまで待ち、上澄み部分を沸騰させて、滅菌します。建物の中の水は、通常安全です。
もし、水がない場合は(おそらく、水が無いケースのほうが多いとは思いますが)、水道パイプの中の水を使います。屋内で一番高い位置にある蛇口を開け、一番低い場所にある蛇口を開けて、エアを入れます。すると、建物内のパイプに残っていた水が出てきます。
7.衣類はすべて着用してください(帽子、手袋、ゴーグル、袖口が締まったシャツなど)
ベータ火傷(次項参考)を少しでも防ぐため、特に外に出る時は、衣類はすべて着用してください。服は常に振るったり、水で洗うことで、汚染物質を除去してください。また、露出した肌部分に、汚染物質がついたままになっていると、火傷をひきおこします。
8.放射能による火傷や、熱による火傷の治療
・軽い火傷:ベータ火傷ともいいます(ベータ粒子ではなく、他の粒子によるやけどの可能性もあります)。痛みが和らぐまで、ベータ火傷の部分を冷たい水に浸します(通常5分)。
水ぶくれができたり、焼け焦げたり、皮膚が破れはじめるようならば、冷たい水で洗い、汚染物質を除去します。化膿しないように、滅菌した圧定布で傷口を覆ってください。決して、水ぶくれを破らないでください。
水ぶくれができたり、焼け焦げたり、皮膚が破れていなければ、傷口をカバーしないでください。体の大部分に火傷をおっていても(日焼けのように)、覆わないでください。覆う代わりに、火傷の部分を水で洗い、入手できそうならばワセリンまたはベーキングパウダー溶液でカバーしてください。(汚染されていない)濡れた土で覆ってもOKです。
・重い火傷:熱による火傷ともいいます。電離粒子というよりは熱風によるものが多いですが、電離粒子で重い火傷を負う事もあります。このタイプの火傷は、命にかかわります。脱水、ショック、肺のダメージ、感染症などが要因になって死亡することがあります。
更に汚染されないように火傷を保護してください。
火傷の部位に服が残っている場合は、その服をゆっくりと切り、火傷部分から取り除いてください。火傷に貼りついてしまった服を無理やり剥がさないでください。火傷にかぶっている服を引っ張らないでください。火傷に軟膏は塗らないでください。もしくは、救急隊に電話したほうが賢明です。
火傷を水だけで優しく洗います。クリームや軟膏は塗らないでください。
火傷専用でない通常の滅菌包帯は使わないでください。はりつかないタイプの火傷用包帯(その他の医療品も含めて)は、おそらく入手しにくい状態だと思います。そこで、代用品として、ラップ(サランラップ)を使ってください。ラップは、滅菌されていますし、火傷にはりつくこともなく、入手しやすいはずです。
ショック症状を防いでください。ショック症状は、生命維持に必要な組織や内臓に血液がうまく流れなくなる状態です。もし、治療できなければ、死に至ります。ショック症状には、かなりの量の失血、深い火傷、傷や血を見たことによる反応があります。
ショック症状のサインとして、落ち着きが無くなり、喉がかわき、青ざめ、心拍数が早くなることが挙げられます。また、肌が冷たくなったり、濡れている場合でも、汗をかき続けます。状態が悪化すると、息が早くなり、目がうつろになります。対処法としては、正しい呼吸ができるような体位にし、胸をマッサージして正常な心拍数と呼吸を保ちます。
締めつけている服は緩めて、その人を安心させてください。自信を持って、しっかりと、そして優しく対応してあげてください。
9.放射能疾患(放射線症候群)を発症した人を、躊躇せず助けてあげてください。
この疾患は、感染しません。あくまでも、その人が受けた放射能の量によって症状・状態が決まります。次の表は、放射線量と症状に関する要約です。
10.放射線単位を理解しておきましょう。
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Gy(グレイ)は、電離放射線の吸収線量を図るSI単位。1Gy=100 rad. Sv(シーベルト)は、線量のSI単位で、1Sv=100REM。簡易化のため、1Gyは通常1Svと同等とみなされます
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残念ながら、このような人はすぐに死んでしまうと覚悟する必要があります。厳しいようですが、食料や物資を放射能疾患で死んでいく人に与えて無駄にすべきではありません。健康な人に、物資を提供すべきです。放射能疾患は、子供やお年寄り、病気の人によく見られます。
11.EMP(電磁パルス)から、大切な電子装置をガードしてください。
非常に高い高度で核兵器が爆発すると、非常に強い電磁パルスが発せられ、電子/電気機器が壊れることがあります。少なくとも、電気プラグやアンテナから機器の全てのプラグを抜いておいてください。
ラジオや懐中電灯を密閉できる金属の入れ物(ファラデー箱)に入れておくとEMPを防げることがあります。また、EMPから防護しないといけない物品は、箱と接触させないでください。金属のシールドが、防護すべき物品を完全に覆うようにし、地面に接していると効果的です。
防護すべき物品は、導電性の外枠から絶縁しておいてください。これは、シールドに打ち寄せるEMPフィールドが、半導体の回路基板に電圧を誘導することがあるからです。もし、その場所に爆風がこないような遠い場所であれば、機器を綿や新聞で包み、その上から金属化した「スペース・ブランケット(2米ドル程の価格)」で、しっかりと覆っておくとファラデー・シールドのようになり、効果的です。
別の方法としては、段ボールを銅またはアルミホイルで覆います。防護すべき機器をその中に入れて、機器のプラグを地面にさしておきます。
12.その後の攻撃に備えてください。
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おそらく、核攻撃は一度では終わらないと思われます。敵国からの次の攻撃や侵略に備えておきましょう。
生き延びるためにシェルターの一部をどうしても使う必要がある場合を除き、シェルターは完全な状態に保っておいてください。また、余分な浄水と食料も確保しておいてください。
もし、敵国が再度攻撃してくる場合は、その国の別の地域が攻撃されることが考えられます。シェルターが使えない場合などは洞窟に住んでください。
(3)Q&A、アドバイス編に続く
サニーカミヤ/元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際救急援助隊所属。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。一般社団法人日本防災教育訓練センター代表理事。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中
http://diamond.jp/articles/-/125238
米国流・核攻撃から生き延びる法(3)Q&A、アドバイス編
最後に、核攻撃を受けた時に備え、私たちはどうしたらいいのか、素朴な疑問についてQ&A形式で解説する。
Q&A
Q:核攻撃の際は、一人でいたほうが良いですか?複数人でいたほうが良いですか?
A:チームで動けるので、誰かといたほうが良いでしょう。みんなが休んでいる時や必需品を探しに行っている時は、順番に誰かが番をしてください。
Q:もし、家から離れた場所にいたら、ガンマ線の爆風からどうやって生き延びればよいですか?
A:近辺のシェルターを探してください。シェルターが見当たらない場合は、頑丈な物の後ろで、地面に伏せてください。両手は頭の上におき、足をクロスさせて助かることを祈るしかありません。ただし、軽傷または重傷の火傷をおうおそれはあります。もし、柔らかい土が近くにあるならば、その土を掘って中に入れば、ダメージも最小限に抑えられます。
Q:学校にいる時に核攻撃されたら、どうやって生き延びれば良いですか?
A:そのような状況に対応できる計画が学校では設定されているはずです。戦争や脅しなどで、攻撃されやすい場所として学校が挙げられるからです。多くの場合は、戦争や脅しがあった場合は、当局が自宅待機またはシェルターへの避難を指示するので、攻撃時に学校にいないと思われます。もし特定の学校で、どうしたら良いかを知りたい場合は、先生や職員に尋ねてください。
Q:核爆発の時は、丘に隠れるほうが良いですか?地下に隠れるほうが良いですか?
A:地下が良いです。丘だと、放射能の影響を受ける事になります。
Q:核攻撃時、車またはパスに乗っていたらどうしたら良いですか?
A:可能であれば、車で溝に突っこんでください。そしてうずくまり、溶けないような何かで肌が露出しないようカバーしてください。爆発後は、最寄りのシェルターに逃げ込んでください。
Q:地下でどのように生き延びたらよいですか?
A:ドアや窓、継ぎ目の隙間をテープ、詰め物、厚みのあるブランケットなどでふさぎ、2〜3時間ごとに交換してください。
Q:放射能レベルが、致死量でなくなるまでには、どのくらいの期間、地下に隠れている必要がありますか?
A:爆弾のタイプと、爆心地からの距離にもよりますが、一般的には最低でも2週間は外に出ないでください。
Q:家の中にいて、核シェルターが無い場合はどうしたら良いですか?
A:家の中で一番低い階にいてください。被曝量を抑えられます。
Q:核戦争が起こった際、地球上で一番安全な場所はどこですか?
A:中立国では、戦争時は、どの国も手を出さないはずです。
Q:アパートにいる時、どのように核爆発の爆風から生き延びたらよいですか?
A: 一番下の階にいてください(できれば地下)。そして、当局の指示に従ってください。
Q:井戸や下水道にいれば、身を守ることはできますか?
A:どこにも行く場所がなければ、井戸や下水道のほうが、何もない戸外にいるよりも、身を守ってくれます。もちろん、そこでの食べ物や飲み物はどうするかも考えないといけません。
Q:核攻撃により、人は突然変異しますか?
A:突然変異の定義が何かにもよります。歴史上、人々は核攻撃または核事故に晒され、数日内に放射能中毒で亡くなりました。生き残った人々の子供には、軽度、重度の出生異常がみられました。しかし、この異常は突然変異ではありません。人間は、生物学的に、核攻撃を生き延びる力を備えてはいません。ですから、突然変異するだけの時間は無いのです。
Q:私の地域に核シェルターが無い場合は、どうしたら良いですか?
A:地下深い場所を探してください。そのような場所が無い場合は、最寄りの家に入ってください。そして、バスルームなど、窓が無い場所に逃げてください。
Q:戸外にいる場合、どのように核から生き延びれば良いですか?
A:できるだけ離れた場所、低い場所に逃げてください。穴が無い場合は、穴をへ掘って、できるだけ深く入りこみ、体に覆いをしてください。
Q:シェルターとして、家に地下がありますが、家自体が、その上に倒壊してしまったら、どうしたら良いですか?
A:地下室の上部を強化しておいてください。これで、その上の家が倒壊しても、生き延びることができます。そして、救助が来るまでの間、生き延びる事ができるよう、缶入りの食べ物やボトル入りの水を備蓄しておきましょう。
Q:核攻撃を受ける確率はどのくらいですか?
A:今後50年間が微妙なところです。実際、個人的には21世紀中に起こると思っています。
TIP(アドバイス)
・シェルター内にいる場合でも、全てのもの、特に食べ物は洗ってください。
・軍を探してください。バイオハザード防護服などを着ている人がたくさん来るはずです。彼らは敵ではありません。しかし、あなたの国の戦車、飛行機、その他の車両と、敵の物の違いは、知っておいてください。
・あなたが何をどのくらい持っているか、他人には知らせないでください。
・最新の政府指示、告知が出ていないか、留意しておいてください。
・防護服があり、また核兵器が使われているか、戦車がいるかを確認しなければいけない場合以外は、外に出ないでください。
・家庭用の核シェルターを事前に作っておいてください。核シェルターは、地下や倉庫を使って作ることができます。しかし、多くの新しい建物には、倉庫が無いので、コミュニティのシェルターや、自宅の庭にプライベート用の核シェルターを作ることを検討してください。
※米国流の「核攻撃時に生き延びるには」 より転載、翻訳しました。
サニーカミヤ/元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際救急援助隊所属。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。一般社団法人日本防災教育訓練センター代表理事。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中
http://diamond.jp/articles/-/125248
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