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米軍の直接的シリア攻撃を続けさせるために資金提供を申し入れたサウジ国王と露上院議長が会談
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704160000/
2017.04.17 05:59:27 櫻井ジャーナル
4月7日の攻撃でアメリカ軍は駆逐艦のポーターとロスからシリア軍の航空基地に向けて59発のトマホーク巡航ミサイルを発射、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達した。攻撃の直後、サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王はドナルド・トランプに電話し、さらなる攻撃のための資金提供をアメリカ政府に申し入れたとイランでは伝えられている。
2007年3月5日付けニューヨーカー誌で調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書いている。その秘密工作が顕在化したのが2011年春だった。
ハーシュによると、工作の中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンだという。
シリアの場合、この3カ国だけでなくカタール、トルコ、イギリス、フランス、イスラエルなども侵略に参加している。2012年8月の段階でアメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、そうした勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとバラク・オバマ政権へ報告している。。
オバマ政権は「穏健派」を支援すると主張していたが、そうした「穏健派」は存在しないと指摘し、その政策を続ければシリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。それはダーイッシュという形で現実のものになる。
この警告を発した当時のDIA局長がマイケル・フリン中将で、トランプは国家安全保障担当の補佐官に指名した。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険だとトランプ大統領は認識していると見られたが、2月に辞任に追い込まれた。
フリンの後任はデビッド・ペトレイアス元CIA長官の子分と言われているH. R. マクマスターで、このコンビはシリアへ数万人とも15万人とも言われる規模のアメリカ軍をユーフラテス川の渓谷へ侵攻させようと目論んでいると報道されている。シリアへアメリカ軍を侵攻されればロシア軍と衝突する可能性が高い。イラク侵攻の時もネオコンは甘い見通しを振りまいていたが、シリアの場合はイラクで必要だった戦力で済むとは思えない。
オバマ政権の政策によって勢力を拡大させたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュにとってアメリカが行った巡航ミサイルによる攻撃は精神的な支えにもなっているだろう。そうした武装勢力を資金面から支えてきたのがサウジアラビアやカタールのようなペルシャ湾岸産油国にほかならない。
本気で中東の「テロリスト」を根絶する気持ちがあるなら、サウジアラビアを押さえ込まなければならないのだが、石油産業が見え隠れするトランプ政権には難しいだろう。基軸通貨のドルを発行する特権でアメリカは生きながらえているが、サウジアラビアはドルを吸収する仕組みに組み込まれているということも無視できない。サウジアラビアは世界が抱える最大の問題だともいえる。
そのサウジアラビアをロシア上院のワレンチナ・マトビエンコ議長を中心とするグループが訪問、サウジアラビア国王は「国際テロリズム」と戦うために協力する必要性を確認したという。「テロリスト支援」を続けているサウジアラビアをロシアが押さえ込めない場合、世界はきわめて危険な状態になるだろう。
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