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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
室井佑月「2018、変わるならそこ!」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171227-00000080-sasahi-pol
週刊朝日 2018年1月5−12日合併号
国の課題や疑惑が数多く持ち上がった2017年。作家・室井佑月氏は、そうした山積した問題に疑問を投げかける。
* * *
あけましておめでとうございます。2018年は良い年になるといい。
新年となり、なにかがガラリと変わるなんて期待しちゃいないけど。
というか、年が明けてガラリと変えちゃいけないことのほうが多いんだ。
国会で森友・加計学園の問題は、引きつづきやるのよね。もうこれ以上はないくらい、これらがおかしいという証拠はあがっている。
国側のいい分も、「今後、こういうことはないように」という感じに変わってきている。が、多くの国民が望んでいるのはそういうことじゃない。
責任が誰にあり、どう取るのかを見届けたいのだ。
そこまでできて、やっと次の段階にいけるのだと思う。次の世界が見えてくる。
今までそれをきちんとやってこなかったから、困った今があるのではないか?
日本は敗戦国だからといって、米国になんでもいわれるがまま、こちらの意見をいってこなかった。
だから今、不公平な地位協定はそのままで、言い値で武器なども買わなくてはいけない。管制権でさえ握られて、羽田から伊丹まで30分で行ける距離を、遠回りさせられている。
銀行や大企業の失敗は、責任追及されず、当たり前のように国が肩代わりしてきた。
福島の原発事故で、あんなに甚大な被害があったにもかかわらず、誰も捕まらず、おとがめなしだ。
だから、次の新しいエネルギーに移行できない。コストが高く、管理も難しくて世界がやめようとしている原発から、離れられない。
この国は、なぜ戦争へ突き進んでしまったのか、それは誰の責任なのか、もっと真剣に、ずっと考えつづけるのでいい。そのくらい戦争の責任は重いものだ。
それができていれば、安倍首相みたいなのが現れなかった。
世界から眉をひそめられる歴史修正主義的な発言も出てこなかったはずだし、この国も戦争ができる普通の国に、なんて考えはしなかったはず。
メディアも先の戦争から、反省が足りてないのか? 米国と一緒になってお隣の小国に拳を上げる行為を、なぜ一丸となって非難しない。再び悲惨な戦争で、この国の人間が大勢死のうが、またまた自分ひとりの責任じゃないからいいっていうのか?
あたしは今の世の中が安倍一強になったのは、政治家としての安倍さんが強いということじゃなく、この時代の流れの中のクライマックスだからだと思っている。
戦争で時代の一区切りではなく、そこにいきつく前に、間違ったこの流れは止めなくては。アベ的なものの登場が、この時代の終わりだと信じたい。
2018年、なにかがガラリと変わるなら、そこよ。
ノーベル平和賞を『ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーン』が受賞したのを、唯一の被爆国であるこの国が素直に喜べない。おかしいって思わない?
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