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「思ったことを言いたい」〜タブーを恐れずにどんな話題でも拾い上げようとする「ウーマンラッシュアワー」村本大輔氏にIWJが直撃!2017.12.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/408444
017.12.25 IWJ
(取材:城石裕幸、 川上正晃 協力:段田亜由美)
12月26日、テキストを追加しました。
2017年12月23日夜、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔氏が出演する番組「ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT」(AbemaTV)が、急遽最終回を迎えるとの情報が流れた。「おれは権威には負けない」という村本氏の意味深なツイートに、一時騒然とした。ツイッター上では、政府から「圧力」がかけられたのではないか、といったツイートも散見された。
▲村本氏のツイート(12月23日18時19分)
さらに、村本氏は報道関係者に「スタジオに見学に来ませんか?」とツイート。IWJは村本氏に直撃することを試みて、24日深夜1時から始まる「ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT #73プレ最終回?継続?」の配信現場に急行した。
▲村本氏のツイート(12月23日21時10分)
村本氏は、17日夜に放送された「THE MANZAI」(フジテレビ系)の中で、原発や基地問題など、芸能界においてタブーとされる「政治ネタ」を披露した。芸能界では「政治ネタ」を積極的に持ち出せば干されるといわれている。村本氏は、「THE MANZAI」以前からそうしたタブーを恐れずに発言してきた、数少ないお笑い芸人の一人だ。そんな「タブー」など本来あってはならないことだが、現実に村本氏の身の上にふりかかってきたのではないか、と思われた。
24日の突然の番組最終回については「圧力があったのでは?」と、一時、騒然としていた。取材では突然の終了についても含め、村上氏の口から事実を聞いた。
・【岩上安身のツイ録】御用丸出しの松本人志はオワコン。ウーマンラッシュアワー、全部正論。それで笑いを圧倒的に取って、涙まで流させた。これまでにいない。アベヨイショの松本人志、爪の垢、煎じて飲ませてもらえ! 2017.12.18
■全編動画
※画像クリック、IWJ動画ページにジャンプ。
・ 日時 2017年12月24日(日)3:00〜
・ 場所 Abema Studio外の路上(東京都内)
現場に到着すると、23日夜の「IWJ設立7周年記念ファンドレイジング・トークイベント」に参加し、その後、夜遅く帰宅したはずの東京新聞の望月衣塑子記者も駆けつけており、IWJ記者を含め9名の記者が集まった。なおフリーの記者は取材不可だった。
スタジオには入れなかったため、控室でモニターを見ながらの実況となったが、以下では番組での村本氏の発言を紹介していく。
「僕は福井県大飯町の出身です。『原発』というワード。このワードを発するだけで周りの芸人たちが『その話、重いわ〜』と言う。何が重いんだ!僕の疑問はどんどん膨れ上がっていくわけですね」
「『被災地と言ったらアカン』、『原発と言ったらアカン』、『米軍基地と言ったらアカン』。なんで言ったらアカンのか?ある話題には触れないというのは平等とは言えないんじゃないか?」
「強いものを批判すると人は爽快な気分になる。エジプトのある芸人は、ムバラク大統領の悪口を言いまくった。そしたら国民は大笑い。破裂しそうなほど膨らんだ風船をバァーンと突き破る。これがコメディだと思う」
「沖縄の基地に行って漫才した。基地問題にもガッツリ触れた。そしたら音響さんが『触れてくれたことが嬉しかった。ありがとう』と言って、涙ぐんでいた」
「今のバラエティ番組はすぐに『言ったらアカンやつ』という。標識がないのにみんななぜか徐行しているようなもの。僕はそこでブワァーっと走った。テレビというのはみんな同じ速度で走ろうとする。そこで思い切りアクセルを踏み込みたかった」
「今の芸人はやたらとコメンテーターとして出演している。なぜか?芸人は器用にしゃべる。だから都合がいい。勝手に忖度して当たり障りのないコメントをする器用貧乏な芸人が、情報番組でもてはやされる」
「原発とか被災地という言葉を聞くとお客さんは固まる。こういう言葉を聞き入れてもらえるようにポップな感じにしたかった。政治の話が出たとたんパッと止まってしまう人に聞いてもらえるようにしなくちゃいけないと感じていた」
「人は分厚い本のようなもの。例えば北朝鮮。この前は女子サッカーで北朝鮮は日本に勝った。でもテレビはこのページを読まない。核の話ばかりしている。僕のこともゲスい話題ばかり出そうとする」
「『圧力があったんじゃないか』とか『陰謀なんじゃないか』とか、すぐそういう人がいる。実はあなたがた自身が政治アレルギーになっていませんか?僕はとても自由なんです。言いたいことを言っているだけです」
「選挙は英語electionという。これは『神に選ばれた』という意味があると聞いたことがある。それじゃあ有権者は全知全能の神なのか?だから僕は『選挙に行かない』発言をした」
「でも実は選挙に行っていました。何が言いたいかというと、みんなすぐに信じちゃう。『選挙に行ってない』と言っただけでその通りに受け取っちゃう。これじゃあ政治家は簡単に操作できてしまう」
「私は朝鮮の人のことを『チョン』と呼ぶのも嫌い。これは江戸時代からある言葉みたい。最初は半端者に対して『チョン』と呼んでいた。それが今ではなぜか朝鮮から来てくれた人たちに対して『チョン』と言うやつがいる。この半端者が!」
「キング牧師の『最大の悲劇は善人の沈黙』という言葉が好き。沈黙が悪なら発言こそが正義。でも、発言力の高い芸人、芸能人が発言しない。これが一番の悪」
「ジャーナリストとコメンテーターは違う。コメンテーターは視聴者を喜ばせるために迎合する一番雑魚な人間。ジャーナリストは現場に行って真実を追い続ける。コメンテーターは現場に行かない」
「自分は空気になりたくないから発言し、発言を聞いてもらいたいから漫才をする。熊本とか原発とか基地とか、これらと自分が重なる。人間は誰だって認めてもらいたいと思っている。自分が空気になるのは辛い」
「これからネットの番組はどんどん増えていく。テレビは今の芸人に近いような人たちだけが見る」
「こうやってしゃべる番組にこれから出られるかわかんないけど、もしかしたら最後かもしれないけど、好きなことをしゃべっていたい」
「僕はすべてのことに触れていきたい。原発も被災地もLGBTも障害者も。何も発言せずに空気として扱うのは嫌だ」
番組の配信は深夜3時で終了した。その後、スタジオの外で村本氏が現れないかと待ち構えていると、村本氏がやって来て直接取材をすることができた。以下、村本氏とIWJを含めた取材陣のやり取りを紹介していく。
――政治的なネタを出して、忖度しない芸人でありたいという精神がある?
村本氏「あります。あります。全てのタブーに切り込む、これがアメリカのコメディの精神だというんですよ。でもなんか知らんけど、ここは時速60qしか出しちゃだめですみたいな謎の。バラエティで『原発』と言うと、『原発!?どこで言うねん!』とか『どこで使うねん!』とか言われるわけですよ、結構。女の子に被災地の話とかすると『重いからやめてよ』とか『なんで急にそんなこと言うの!?』と言われる。それおかしくないですか?仮設住宅と言うだけで『テンション下がるわ〜』とか言われる。言われているその人がめっちゃ可哀そうじゃないですか」
――カテゴライズされたくないとは言うけれど、発していることはメッセージ性があるんですよね。最近の芸人さんはそういうのをまったくやらないから、アメリカだったら普通にジョークでやれるし、政権批判的なネタを使ったってとやかく言われるわけじゃない。
村本氏「日本の芸人はテレビに出たくて芸人になっているんですよ。だからコメンテーターで出て、笑いがなくてもいいんですよ。テレビに『出てる』から。向こう(アメリカ)は自分の主義主張を『言いたい』んですよ。本当に僕は沈黙が一番の悪だと思っている。だから発言力が一番あるはずの芸能人の沈黙は一番の悪だと思っている。でも無理でしょうね。この国じゃ」
――自分はやっぱりちょっと変わっているなと思いますか?
村本氏「デーブ・スペクターが僕のことを『浮いてる』って言ってましたけど、やっぱり浮いていると思いますよ」
――でもそれが今、逆に必要だと思うということか?
村本氏「そこなんですよ。今までお笑いとかそういうのがいかに(政治的な話題を)やってこなかったかというのがあるから、こうやって(記者が)集まっているのがそうなんですよ。みんながやっていたら、たぶん何にも言わないわけですよ。やってなかったから『えーっ!? やってくれるんですか!? やれるんですか!?』みたいな驚き」
――みんな(芸人とか)やっぱりものすごく考えている。テレビで売れている人たちは。でも、そういう人たちが政治的なことを何も考えてないわけがないのに、言わない、言えない。これは忖度?
村本氏「いや、考えていないんですよ。楽屋でも聞いたことないし、裏でも聞いたことない」
――テレビに出ることだけがすべて?
村本氏「私事じゃないんじゃないですか? 堀潤(元NHKアナウンサーで、ジャーナリスト/キャスター)さんが韓国に行ってて、『韓国のニュース、中国のニュース、日本のニュースの国際ニュースみたいやつがあって、それの比較みたいなやつが面白いですよ』という話を聞いた。
韓国は北朝鮮のニュースをばぁーっとやって、中国は中国人同士の討論をずっと英語でやってるんですって。国際ニュースだから。日本はクイズをずっとやってから日本語でずっとしゃべるんですよ。国際ニュースなのに。いかに、すっげー馬鹿なやつか。クイズをずっとやって、日本語だけで国際ニュースしゃべれるって、何なんですかね、この国、みたいな。でもそれが、これ難しいけど、平和だからなのか…何なのかわからないけど。
お笑いはいつからか、何も考えずにぼーっと見られるものがお笑いになった。だからぜひ僕のおでこにカメラを仕掛けて見せてあげたい。あのね、『被災地でね』って言った瞬間に、それまで笑っていたお客さんがぴーんと固まるんですよ。『なんか変なこと言い出したぞ、大丈夫か』っていう空気になるんですよ。
それからお笑いにするって相当難しいんですよ。あの人たちはお笑いのポップさが追い付いていないから笑いにならないんですよ。ちゃんとゴールデンでできるようなポップな仕上がりにして初めて口に入るんですよ。でも、アメリカとかだと一発目からスッと口に入るんですよ。それは、タブーじゃないからでしょ。普通にみんなしゃべってるでしょ。だから入るんですよ。
それがすっげー気持ち悪くて、それが子供のときの、障害を持った人を『見ちゃだめ、触れちゃだめ、言っちゃだめ』。この人たちは悪くないのに、なぜか言っちゃだめな人、言っちゃだめな地域。でも、そういう人たちは『触れてくれてありがとうございます』って感謝するんですよ。いかに触れられないのが寂しいことかってところが自分とダブるとこがあったと思いますよ。『触れられたいっていう』。
爆笑問題は笑えるけど、村本はマジっぽくて笑えないとたまに言われることがある。でも僕はマジなんですよ。だって、『絶対に触れてくるからな』って被災地の人たちに約束してきてるから。反響があったときに約束した人から『村本さんありがとうございます!』と連絡が来たときは、良かったなと思う」
被災地とかそういうことが私事じゃないから、みんな興味ないし見ないわけで。どうやったら私事になるのかって、向こうに知り合いがいれば簡単かもわかりませんね。だからネタにした。あと『重い! 重い!』って言ったやつの耳にぶち込んでやりたいですね」
――ちなみに「重い」と言ったのは誰ですか?
村本氏「北海道で飲んだガールズバーの女の子ですよ」
――芸人さんとかはどうですか?
村本氏「芸人はみんな言いますよ。原発って言うと、『なんやねん、お前急に、変なこと言うなよ』とか、『どこで使うねん。使われへんわ』とか。一番多いのは『使われへんわ』ですよね。面白くても『ブラックすぎる』とか。『ブラックすぎる』ってワードが出てくるんですよ。だからこういう国なんですよ。
視聴者も『それ言って大丈夫?』って聞いてくるんですよ。芸能人だけじゃないんですよ、視聴者もそうなんですよ。みんなが、なぜだかわからないけど、おそらくこれぐらいのことしか言っちゃだめだろうと思ってる。そこでアクセルをブワーっと踏み込んだときに、面白いなあと言ってくれる人たちがいる。でもそれって当たり前のことを言って金儲けできる。めちゃめちゃラッキーな国ですよね。思ったことを堂々と言えば金儲けをできる国ですよ。『こんな当たり前のことを言うだけでいいの?』みたいな」
――舞台でやってた(政治的な話題の)ものをオンエアで初めて出すというのは、怖さはなかったですか?
村本氏「『使われるかなあ、使ってほしいなあ』というのはありましたよ。プロデューサーの人に『時間どうでしたか?』とか聞きました。
この漫才をやることで、この国が抑圧された、息苦しい国というのはわかった。ときとして僕のお笑いがリベラルと呼ばれる人たちを傷つけてしまう場合もあると思うんですよ。僕が逆の方を思っちゃう可能性もあるから。自分がどういう方向に行くかはわかんないですけど、思想が強すぎるとお笑いとは逆になってくるし、笑えなくなっちゃうし、活動家ではないし。だからどっかで弱い人がいて、強い人がいて、その弱い人が強い人に困っていたら、強い人を馬鹿にしてスカッとしてあげるというのがお笑いの力。だから仮設住宅の話とかした。
仲のいい友人に大阪の大学教授がいる。右寄りで僕とは真逆の立場だけれど、言葉のキャッチボールを気持ちよくしてくれる。キャッチボールを楽しめるように、政治の話を当たり前にできるようになれば。意見は逆でもいいんですよ。活性化していけば、芸人もどんどん話すようになる。
アメリカで聞いた話だけど、家庭で政治の話をすんなと。喧嘩になっちゃうから。それぐらい熱くなると。それぐらいまでしゃべるようになればいい。
『お前の言っていることは難しくてわからん』と言われることがあるけど、聞く耳を持ってくれないとき、さみしいですよね。空気にされているように感じて。
存在していることに全部手を触れていきたいですよね。沖縄に触れて、熊本に触れて、障害者の人に触れて、LGBTの人に触れて。触れていったらみんながいるっていうのがわかるじゃないですか」
――触れていくとは?
村本氏「触れなかったら、いないものとして布をかぶせている感じ。お笑いで触れていきたいなと思いますよね。タブーはないと。とにかく言いたいことを言いたいですよね。思ったことを」
IWJ・城石記者(以下IWJ)「フリーの記者を呼ばなかった理由は?」
村本氏「AbemaTVの人が、記者が増えすぎると入らないという理由で呼ばなかった。個人的には(フリーの記者にも)会いたいですね」
IWJ「テレビで原発や在日米軍基地などの話題をやってから急に騒がれ始めたことについて、反感はなかったでしょうか?」
村本氏「反感はないですよ。反感はないですけど、こんなに普通のことを言うだけでブワァーっと(騒がれるように)なるのはいかにタブーだったか、というのが面白いですね」
IWJ「舞台などでは今までずっと政治的な話題を発言してきたにもかかわらず、なぜ急に騒がれるようになったと思いますか?」
村本氏「テレビというのは、みんなハードルがだいぶ上がっている。『TVじゃいわないだろう。だってテレビだぜ』というのがみんなの頭の中にあるじゃないですか。『だって漫才だぜ』、『だってバラエティだぜ』、『何も考えずに笑おうよ』、『だって色々な人が見ているテレビだぜ』、『どんなことでクレームが来るかわかんないぜ』、『スポンサーもいるぞ』。色々な番組に呼ばれなくても自分の言いたいことを言えればいいと思っているから、そこでそれを言ったら、『えーっ、テレビで!? 漫才で!?』ってなるじゃないですか。
――実際吉本からは何もなかったのか?
村本「クレームが入ったりはしてる。企業はめんどくさいことは避けたい。企業は迷惑かもしれないけど、面白い人がいっぱい声をかけてくれてる。面白い方向に行ってる。
いつまでも受信専用じゃだめですから。全員が発信できる時代だから。だから本当に沈黙は悪だってことを国民に思ってほしいですよね。誰でも語れる場所があるんだから。沈黙は悪ですよね。だから発言力があるくせに沈黙してる芸人が一番の悪であると」
▲「ウーマンラッシュアワー」村本大輔さん(IWJ撮影)
IWJが翌25日に、株式会社AbemaTVにも番組が最終回となった理由を確認したところ、確かに村本氏が言うように「圧力」などではなく、村本氏の留学が理由である。また、番組が「最終回」というのは村本氏本人の表現で、あくまでも番組は18年1月から3月まで「お休み」であり、3月以降の予定は未定とのことだった。12月10日の放送を見ても、村本氏が「留学か番組終了か」で悩んでいる姿があった。IWJをはじめ、取材陣は村本氏にまんまとやられてしまったのかもしれない。
いずれにせよ、恐れることなくタブーに切り込んでいけるお笑い芸人はとても貴重だ。村本氏のように堂々と「思ったことを言う」人たちに、IWJは今後もスポットを当てていきたい。
関連記事
政治ネタ話題 冠番組終了のウーマン村本“圧力騒ぎ”の顛末(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/17/senkyo237/msg/590.html
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