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2017-12-12 02:52
12月11日、ストックホルムとオスロでノーベル賞の授賞式が行なわれた。(・・)<平和賞だけ、ノルウェーが主催している。>
ノーベル賞と言えば・・・子供の頃、これはダイナマイトを発明したノーベルという人が、自らが人を殺傷する武器を作って利益を得たことを悔いて、その利益をもとに、平和や文化に貢献する人たちを称える賞を作ることにしたという話をきいて、「へぇ〜〜〜」と感心した人も少なからずいるのではないだろうか? (@@)
今年、ノーベル文学賞を受賞した&母親が長崎で被爆している日系英国人のカズオ・イシグロ氏が、スピーチでそのことを述べていたのが印象的だった。(全文は最後に)
『5歳の私は、日本の伝統的な「畳(タタミ・マット)」の上にうつぶせに寝そべっていました。その瞬間が記憶に刻まれているのは、おそらく背後からきこえてきた母の声、ダイナマイトを発明したものの、その使われ方に心を痛めてやがて「ノーベルショウ」というものを創設したというその男について語るときの、その声が何か特別な感情をたたえていたからでしょう。
「ノーベルショウ」、その名を私は日本語で初めて耳にしたのです。「ノーベルショウというのはね」と母は私に語りました。「ヘイワ(平和や調和を意味する日本語です)を広めるためにつくられたものなのよ」。』
* * * * *
今年のノーベル平和賞は国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞することに。(*^^)v祝
同団体の関係者はもちろん、日本国内で核廃絶を訴える様々な団体や人々がこの受賞を喜ぶと共に、「核なき世界」を目指す決意を新たにしていたのだけど・・・。
日本の政府や国民たちが、国を挙げて、この受賞を喜んだり、決意を新たにすることができなかったのは、本当に残念で情けないことだ。_(__)_
日本は唯一の被爆国であるだけに、本当なら政府も含めて、国民の多くが核兵器のおそろしさや核廃絶を訴えて行かなければならない立場であるはずなのだが。
日米安保条約&軍事同盟を異常に重視している日本政府は、米国の核の傘の下にあることを強く意識し、米国を含む核保有国の立場に配慮していて。核保有国を批判し、核兵器禁止条約を推進しているICANの活動を支持できず。政府として、正面から祝意を示すことすらできない状態にあるのだ。 (ノ_-。)
<しかも、「富国強兵で、強い日本」を夢見る戦前志向の安倍首相や超保守仲間の中には、日本も核兵器を製造、保有することを検討すべきだと主張している人もいるほど。(-_-) 原発推進するのも、経済的な理由だけでなく、原子力利用の艦船や核兵器製造の材料、施設を保持するためだとも言われている。(>_<)>
* * * * *
ちなみに、日本政府の対応は、こんな感じだ。(-"-)
『菅官房長官>核兵器禁止条約 批准改めて否定
菅義偉官房長官は11日の記者会見で、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞受賞を「核廃絶というゴールは共有している。核軍縮・不拡散に向けた認識や機運が高まることは喜ばしい」と歓迎した。一方で「政府は核兵器国と非核兵器国の双方に働きかける。核兵器禁止条約はこのようなアプローチとは異なる」と述べ、同条約を署名、批准しない方針を改めて表明した<。
河野太郎外相も10日、ICANの受賞を歓迎する談話を出した。談話では「北朝鮮の核・ミサイル開発をはじめとした現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に、現実的な核軍縮を前進させる道筋を追求していく」とも指摘した。政府は核保有国と非核保有国の橋渡し役を目指しているが、核廃絶の明確な道筋は描けていない。外務省関係者は「歩みが遅いと言われればその通りだが、一足飛びに解決はできない」と語った。【加藤明子】(毎日新聞17年12月11日)』 <*1に『政府、平和賞にコメント出さず 外務省幹部「立場違う」』>
何と今回の平和賞の授賞式には、ICANから批判されている核保有国の米英仏などが、異例なことに大使を出席させなかったりして。(~_~;)
日本がノルウェー大使や広島、長崎市長などが出席していたのは、せめてもの救いだった。(・・)
<米国は核保有国ながらも、オバマ前大統領が「核なき世界を目指す」という宣言&世界への呼びかけをしたことで、09年にノーベル平和賞を受賞しているのにね〜。(@@)>
* * * * *
授賞式の様子を少しお伝えしよう。(**)
『ICANにメダル、被爆者出席=ノーベル平和賞授賞式−ノルウェー
【オスロ時事】2017年のノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で行われた。今年7月の国連での核兵器禁止条約採択を後押しした国際的なNGOの連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が受賞し、ICANのベアトリス・フィン事務局長と、被爆者のサーロー節子さん(85)=カナダ在住=にメダルと賞状が贈られた。サーローさんは記念講演で「世界のすべての国の大統領、首相に対し、条約に参加し、核による絶滅の脅威を永遠に除去するよう懇願する」と訴えた。
ICANは、核兵器の使用が引き起こす非人道的な結末に人々の注目を集めるために行ってきた活動や、条約に基づく核兵器禁止の取り組みが評価された。
フィン事務局長は講演で、核保有国が増えたほか、核がテロリストに渡る恐れも示唆し、「今日、核兵器が使われる危険性は冷戦が終わった時よりも大きい」と警告。米ロなど核保有国や事実上の保有国イスラエル、北朝鮮のほか、日本など「核の傘」に入る国々にも核禁止条約加盟を求めた。
13歳の時、広島で被爆したサーローさんは「私が愛した街は1発の爆弾で完全に破壊された。住民のほとんどは一般市民で、焼かれて灰と化し、蒸発し、黒焦げの炭になった」と証言。核禁止条約の制定を「核兵器の終わりの始まりにしよう」と呼び掛けた。サーローさんはICANの一員として、これまで各地で証言を行ってきた。
サーローさんは核の傘に頼る国々を「共犯者」と表現。同条約への署名を拒む日本政府を暗に批判した。
核保有国は「安全保障環境の現実を無視している」などとして同条約を批判。米英仏は慣例を破り、オスロ駐在大使の授賞式出席を取りやめた。田内正宏駐ノルウェー大使は出席した。
授賞式には日本から、被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会」の田中煕巳代表委員(85)と藤森俊希事務局次長(73)が出席。広島市の松井一実市長、長崎市の田上富久市長も招待された。(時事通信17年12月11日)』
* * * * *
『ノーベル平和賞 授賞式 サーローさん「核兵器は絶対悪」
【オスロ竹下理子】(前略)サーローさんは「受賞は、核兵器の時代を終わらせることは可能だという大いなる希望を与えてくれる」と述べ、「人類と核兵器は共存できない」と力強く訴えた。
ICANは核兵器使用が人道上破壊的な結果を導くという危険性を訴え、7月の禁止条約採択に尽力した点が評価された。条約は122カ国が賛成したが、核保有国や米国の「核の傘」の下にある日本などは交渉に参加せず、米国やロシアなど核保有5大国の駐ノルウェー大使は授賞式を欠席した。
フィン事務局長は講演で「核兵器が使われるリスクは冷戦が終わった時よりも大きくなっている」と指摘。「私たちの運動を批判する人たちは、私たちが現実に基づかない理想主義者であると言う。しかし私たちは、唯一の合理的な選択を示している」と強調。核保有国を名指しし、条約参加を呼びかけた。
広島で被爆し、姉らを失ったサーローさんは「みなさんに広島や長崎で亡くなった人々の存在を感じてほしい。一人一人に名前があり、一人一人が誰かに愛されていた。彼らの死を無駄にしてはいけない」と呼びかけた。「核兵器は必要悪ではなく、絶対悪。禁止条約採択を核兵器の終わりの始まりにしよう」と訴えた。
授賞式には日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳(てるみ)代表委員(85)と藤森俊希事務局次長(73)、広島・長崎両市長も出席。ノルウェー・ノーベル賞委員会のアンデルセン委員長が核兵器なき世界に新たな機運を作ったことに敬意を示した。(毎日新聞17年12月11日)』
そして、最後にカズオ・イシグロ氏のスピーチを・・・。
『「ノーベルショウ」イシグロさんに刻まれた母の日本語
◆カズオ・イシグロさん ノーベル文学賞授賞式後の晩餐会スピーチ
今でもその外国人、私の本にカラフルにでかでかと描かれた西洋人の男の顔を鮮明に思い出すことができます。迫り来るようなその顔の背景には、一方に爆発によって巻き起こった煙とほこり、もう一方には空に飛び立っていく白い鳥たち。5歳の私は、日本の伝統的な「畳(タタミ・マット)」の上にうつぶせに寝そべっていました。
その瞬間が記憶に刻まれているのは、おそらく背後からきこえてきた母の声、ダイナマイトを発明したものの、その使われ方に心を痛めてやがて「ノーベルショウ」というものを創設したというその男について語るときの、その声が何か特別な感情をたたえていたからでしょう。「ノーベルショウ」、その名を私は日本語で初めて耳にしたのです。
「ノーベルショウというのはね」と母は私に語りました。「ヘイワ(平和や調和を意味する日本語です)を広めるためにつくられたものなのよ」。私たちの故郷である長崎が、原爆によって壊滅的に破壊されたわずか14年後のことです。幼かった私は、「平和」というものが何か大事なものだということを直感的に知っていました。それなしには、「何かおそろしいもの」が私の世界に迫ってくる、ということを。
優れた知見が常にそうであるように、ノーベル賞は、子供でも理解できるようなとてもシンプルなものです。そしておそらく、だからこそ、世界に影響を与え続けているのでしょう。自分の国の出身者がノーベル賞をとったときに感じる誇りは、オリンピックで自国のアスリートがメダルを獲得するのを目撃したときに感ずるそれとは質的に異なります。わたしたちは、自分の同胞が他を優越しているということで誇りを感じるのではありません。そうではなく、われわれ人類の一員が、人類共通の財産となる偉大な貢献をなしたということに誇りを感じるのです。わき上がるその感情は大きく、人を結びつける力を持っています。
わたしたちはいま、異なる種族が互いに強く反目し、ばらばらに忌み嫌い合うような時代を生きています。私が生きる糧にしている文学という分野がそうであるように、ノーベル賞は、互いを分断する壁を越え、人類として共に何に立ち向かっていくべきなのかを思い出させてくれます。ノーベル賞はまるで母が幼い子供に聞かせるような物語であり、世界中の母たちがそうしてきたように、子供たちをインスパイアし、彼らに希望を与えるのです。
この栄誉を前に、私は幸せでしょうか。もちろんです。驚きのニュースを受け取った数分後、91歳となる母に電話をかけた際、自分でも気づかないうちにそう呼んでいたように、「ノーベルショウ」を受けたことを、たいへんに幸せに思っています。ノーベル賞というものが持つ意味を、幼かったあの日の長崎で直感的に悟ったのと同じように、自分が今この賞の精神を理解できていると信じています。そしてその歴史の一つに連なることを許されたことに、畏怖(いふ)の念を感じながらここに立っています。ありがとうございました。(板垣麻衣子)(朝日新聞17年12月11日)』
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日本は、何だか最近、科学系の分野のノーベル賞を受賞する国民が出ると、世界の中で日本人の優秀さを認められたような気になって、大喜び&大騒ぎする傾向にあるのだけど。<もちろんそれが平和や人類の幸福につながる研究であれば、誇らしい&嬉しいことなんだけどね。"^_^"de haruki wa itsu?>
ただ、日本の国民は、改めてノーベル賞の趣旨を思い出すと共に、唯一の被爆国として、また戦争による大きな加害、被害を経験した国として、どのような国を作り、世界に何を訴えて行くべきなのか・・・よ〜く考える必要があるのではないかと思うmewなのだった。(@@)
THANKS
政府、平和賞にコメント出さず 外務省幹部「立場違う」
小野甲太郎、松井望美2017年10月6日21時52分 朝日新聞
日本政府は、核兵器禁止条約採択に貢献した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞の報を複雑な思いで受け止めている。核廃絶へ向けた意義を認める一方、核・ミサイルの脅威を高める北朝鮮に触れ「遠く離れた国と、現実の脅威と向き合っている我々とでは立場が違う」ととまどいを見せる外務省幹部も。首相官邸と同省は受賞決定を受けてのコメントを出さなかった。
核禁条約をめぐって、日本政府は「核兵器廃絶という目的は同じだが、アプローチが異なる」と不参加の立場をとってきた。同条約には核保有国が参加しておらず、非核保有国との間で溝を生じさせる原因になっているとの理由からだ。
安倍晋三首相は8月9日、原爆が投下された長崎市内で被爆者団体と面会後、記者団に核禁条約に参加しないことを問われ、「核兵器国と非核兵器国の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける結果となってはならない」と強調した。
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