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平成29年12月1日、奈良勾留医師死亡事件の大阪高裁判決後(遺族側敗訴)、新大阪で有志による勉強会が、午後6時から2時間強にわたり、開催されました。
奈良勾留医師死亡事件の真相究明を求める医療者・法学者有志が12月1日、大阪府内で勉強会を開催、医師の遺族側の代理人を務める弁護士の小泉哲二氏は、同日の大阪高裁判決について、「医学の素人である裁判官が、玄人である医師の判断を否定している」と述べ、奈良県に求めた損害賠償請求を棄却した同日の大阪高裁判決を問題視した。
奈良勾留医師死亡事件は、奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が、奈良県桜井警察署に勾留中の2010年2月、呼吸停止になり搬送先病院で死亡した事件(判決の概要は、『医師遺族、一審に続き敗訴、奈良の勾留医師死亡事件』を参照)。
遺族側は、法医学、救急医学、内科、循環器、腎臓・透析の各分野にわたる計7人の医師の意見書を提出、うち3人の意見書は一審で、4人の意見書は二審でそれぞれ証拠採用された。
男性医師の遺族側が提出した7人の医師の意見書概要(提供:小泉氏)
二審で意見書を追加したのは、「奈良地裁の判決では、われわれが死亡につながると考えていた急性腎不全の程度は重症ではないと判断されたため、専門医の意見書が必要と考えていたからだ」(小泉氏)。また1人の法医の意見書は、奈良地裁では証拠採用されず、大阪高裁で採用された。「奈良地裁が死因の可能性として挙げていた急性心筋梗塞を否定する内容で、この意見書が採用されるか否かがポイントだった。採用が認められたため、きちんと審議してもらえると思った」と小泉氏は振り返る。
一方、奈良県側は一審で、男性医師の司法解剖を担当した法医1人の鑑定書・意見書を提出したのみ。小泉氏によると、大阪高裁は口頭弁論で奈良県に対し、遺族側の4人の意見書に対する反論書の提出の意向を尋ねたが、奈良県は提出しなかった。「高裁段階での奈良県の立証活動は、ほぼゼロに近かった。法医の意見を補強する意見は結局、提出されなかった」(小泉氏)。大阪高裁判決は、この法医1人の鑑定書・意見書をベースに、4人の意見書を否定する判断をしている。
小泉氏は、「裁判官は、医学的な知識はなく、また奈良県側からは反論も出ていないのに、判決では『死亡につながるほどの重度の急性腎不全または急性腎障害であったことを認めるに足りないと言うべきである』と結論付けた。証拠関係から見れば、われわれが勝訴すると考えていたが、奈良地裁と大阪高裁の判決の理論構成はほぼ同じ。『公権力に対する裁判は公権力に勝たせたい』という考えが顕著に表れている判決」と憤り、最高裁に上告する方針だ。
勾留中に死亡した男性医師の遺族も、「私が死亡の約1カ月前、(男性医師と)何気なくした会話が、裁判に影響したようだ。これにより、急性心筋梗塞での死亡を否定する法医の意見が採用されなかったのは、腹立たしい」と大阪高裁の判断に疑問を投げかけた。男性医師は、死亡の約1年前にくも膜下出血で倒れて入院、前年(2009年)の後半に、警察から任意の事情聴取を受けており、体調を崩していたという。
大阪高裁判決は、「死亡する約40日前の1月15日頃には、狭心症の発作が出て、リファタック(冠動脈拡張薬)を服用し始めたが、(中略)次に発作を起こしたときには心臓カテーテルの手術をしなければという話もしていたことが認められる」と遺族の会話に触れ、遺族側が提出した法医の意見書は、奈良県提出の法医の鑑定書・意見書の内容を覆すには足りない、と判断した。岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏は、高裁判決が遺族との会話を引用した理由を問われ、「他に急性心筋梗塞の発症を裏付けるものがなかったからではないか」とコメントした。
「司法解剖、他府県で実施すべきだったのでは」
勉強会には、一審の段階から意見書を提出した出羽氏、二審で腎臓・透析の専門の立場から意見書を提出した臨床医の喜田裕也氏のほか、甲南大学法学部教授の笹倉香奈氏が登壇。各氏は、奈良県警の勾留管理の在り方、死亡前日に男性医師が受診した病院での治療内容、死亡後の警察の対応、法医の司法解剖の鑑定書・意見書、高裁に至るまでの過程や判決そのものについて、さまざまな視点から問題視した。
男性医師が勾留されたのは、奈良県の「山本病院事件」(2006年6月16日、同病院を運営する医療法人雄山会の元理事長・院長が肝臓腫瘍の切除手術を実施、患者が大量出血で死亡した事件)の際、主治医として立ち会ったことから、業務上過失致死容疑で2010年2月6日に逮捕されたため。
笹倉氏が、法学者の立場から、問題があるとしたのが勾留管理の在り方。留置場には常勤医はおらず、嘱託医による2週間に1回程度の回診しかないのが一般的だという。今回の男性医師についても、厳しい環境で無理な取り調べが行われたと推測、「日本の冤罪の大半は、“代用監獄”とも呼ばれる留置場の中での無理な取り調べから生まれる」と問題視した。さらに司法解剖も、警察官、検視官の立ち会いの下、奈良県立医科大学で行われたことから、「奈良県警と奈良県立医大は日頃から付き合いがあるだろう。少なくとも、他府県で司法解剖を実施すべきだったのではないか」と提起した。
本事件で、遺族側は一審、二審を通じて、男性医師の勾留中の様子が分かる「留置管理記録」の開示を申請したが、奈良地裁、大阪高裁ともに認めなかった。「大阪高裁は、留保と言うのみで、その理由は説明されなかった」(小泉氏)。笹倉氏は、「問題のある取り調べがなされたとしても、留置管理記録がなければ検証できない」と問題視した。
「司法解剖の結果、腎臓内科医から見て問題あり」
喜田氏は、二審の段階で意見書の依頼を受けた際、「原告側が有利になる、あるいは奈良県側が不利になるなどではなく、医学的に適切な判断で意見書を書く」と遺族側に伝えたという。その上で、急性腎障害、肺水腫から死亡に至ったという判断で意見書を書いたと説明、男性医師の状態は、KDIGO分類でステージ3に該当し、透析を開始または考慮する時期だったと指摘した。死亡前日に受診した病院で、5時間の間に計2500mLの点滴等をされていることも問題視した。
喜田氏が推測する男性医師の死亡の経緯(提供:喜田氏)
腎臓内科医の立場から見た司法解剖の鑑定結果の問題点として、急性腎不全の症状の強さと組織変化の程度は必ずしも対応せず、注意が必要だが、「急性腎不全であれば、全ての事例で急性尿細管壊死像が見られる」「その所見が認められないので、急性腎不全は否定される」「観察した範囲で円柱は認められず、円柱(ミオグロビン円柱を含む)は存在しなかったことは明らかで、横紋筋融解症による急性腎不全は否定できる」と記載している点などを挙げた。奈良県側が主張する急性心筋梗塞の発症も、根拠がないと否定した。
「刑事告訴、起訴か不起訴かは未定」
出羽氏は、法医の立場から、急性心筋梗塞で死亡した疑いとされたのに、冠状動脈の断面写真がないなど、男性医師の司法解剖の不備を複数挙げ、「ちょっと、がさつなのでは」と指摘した。
遺族が提訴前、司法解剖の結果を法医に問い合わせたところ、「解剖記録」が提出された。後に裁判で明らかになった鑑定書と照合すると、「これらの所見から考察されることは、急性腎不全の原因として横紋筋融解症が考えられる。すなわち、横紋筋融解症は、骨格筋の融解や壊死によって筋細胞内の成分であるミオグロビンが血液中に流入し、腎臓に障害を与えたために腎不全になったものと考えられる。(中略)本屍において筋肉の障害部位として考えられるのは、右下肢に広範囲の出血が認められることから、右下肢への打撲などの外力が作用したことが考えられ、このために同部位の筋肉が障害されたために横紋筋(原文まま)が遊離したものと考えられる」など、「解剖記録」にはない記載が鑑定書にあることが分かった。「この部分は、まさに原告(遺族)が主張していること」(出羽氏)。
男性医師の死亡当日の2月25日、司法解剖(2月26日に実施)前にもかかわらず、奈良県警が「死因は急性心筋梗塞」と発表したり、そもそも奈良県警の留置管理業務が疑われる事件について、奈良県立医大に司法解剖を依頼するのは問題であるなど、死亡後の対応や経緯にも、複数の疑問・問題があるとした。
なお、出羽氏は奈良県警を2016年11月に刑事告発しているが、2017年3月に「事件性なし」として書類送検された。起訴か不起訴かは未定である。
私もこの勉強会に参加しました。
4回の審議のうち、私は2回傍聴しました。他の2回も傍聴した友人から内容を聞きました。
奈良県側の弁護団は、遺族側の医師7人の意見書に対して、一切反論せず、反論の意見書も出しませんでした。4回の審議は、いずれも10〜15分で閉廷しました。
それなのに、判決は奈良県側の勝訴でした。
しかも、判決文で、高橋譲裁判官は、医師3人の意見書に対する反論を書いています。それは、非常に拙劣で、全く医学的な正当性のないものです。裁判官は、医師でないので当然ですが・・・。
奈良県側の弁護団が一切反論していないのに、裁判官高橋譲が医師の意見書を否定するような判決文を書くなんて、前代未聞の珍事ではないでしょうか?
すべての裁判は、このような茶番なのでしょうか?
この国の司法に正義はないのでしょうか?
高橋譲裁判官を罷免するための裁判は起こせないでしょうか?
どなたか方法が可能であれば、教えてください。
判決文は、余りにも酷い内容です。医学的な常識を全く無視して、奈良医大の無能の法医学教授羽竹氏の鑑定書から引用して、7人の医師の意見書を否定しています。
裁判官は、自分の好みで自由に判決を下し、どのような判決文を書いても許されるのでしょうか?
日本の司法の常識を問われています!
司法界と警察の癒着を感じさせられます。
もちろん、もしも奈良県側が敗訴になり、奈良県警と検察が、被害者の医師に暴力的な取り調べをし、それを隠すために、被害者の医師に精神安定剤を秘密裡に内服させていたことが明らかになれば、大スクープですが・・・!
高橋譲裁判官には、そうする勇気がなかったようです。そして、奈良県警の言う通りの判決文を書いてしまったようです。
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