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安倍政権を打倒するためには、野党共闘が必要だ。しかし、野党が共闘するためには、憲法改正や対米関係など、重要な政策で意見の一致を見なければならない。立憲民主党がそのまとめ役になれるかどうかが問われている。
ここでは『月刊日本』12月号に掲載されている、元参議院議員の平野貞夫氏と京都精華大学専任講師の白井聡氏の対談を紹介したい。
『月刊日本』12月号
平野貞夫×白井聡「誰が野党共闘を阻んだのか」より
http://gekkan-nippon.com/?p=12781
<あえて立憲民主党に物申す>
【白井】 ここまでの流れを時系列に沿ってまとめると、小沢氏は共産党も含めた野党連携を図っており、前原氏も内心は反共主義だけども、いまは共産党と手を組まざるを得ないと考えていた。ところが、民進党から離党者が相次ぎ、社民党の反対もあって、オリーブの木構想は潰れてしまった。そうした中で、前原氏は小池構想に飛びつき、希望の党に合流した、ということになると思います。
このプロセスを通じて段々とはっきりしてきたのは、やはり対米従属の問題です。自民党がいわば対米従属レジームの管理者としての地位にある以上、政権交代を実現するというなら、自民党に対抗する勢力は対米従属を相対化ないしは健全化することを旗印にしなければなりません。しかし、前原氏にはそれができなかった。結局のところ、野党共闘がうまくいかなかった原因はそこにあると思います。
【平野】 その通りです。
【白井】 他方、小池氏もこれまでの言動から察するに、やはり自民党と同じような立ち位置にあると思います。実際、希望の党の選挙戦の際の候補の立て方から判断するに、自民党よりもむしろ立憲民主党を徹底的に攻撃していました。希望の党の狙いは、政権交代ではなく、立憲民主党を潰すことによって、旧民進党を完全なる対米従属の政党へと純化させることにあったのではないかと思えます。
こうした経緯から生まれた立憲民主党は、それが筋の通った決起となるためには、対米自立を志向する勢力とならなければならないでしょう。そこで彼らの綱領が発表されましたが、そこには「日米同盟を深化させ、アジアや太平洋地域との共生を実現する」と書かれています。これは抽象的な書き方なので、具体的に何を意味しているのかはわかりません。安倍政権が進めているような方向で日米同盟を深化させるのか、それとも深化と言いながら実際には日米安保を相対化させようとしているのか、本心はわかりません。
この問題を考える上で重要なのは、立憲民主党が民主党政権時代に小沢氏と鳩山由紀夫氏が失脚していった過程をきちんと総括しているのか、ということです。小沢氏と鳩山氏が失脚してしまったのは、対米従属の問題に立ち向かったからです。ところが、民主党の政治家たちは民主党の信頼が失われた原因を彼らになすりつけ、自分たちは悪くないという態度をとってきました。
こうした姿勢が立憲民主党においてちゃんと清算されるのかどうか。……
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