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年内に旧民進党の分離分割を完遂するべきだー(植草一秀氏)
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27th Nov 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
11月28日(火)に、参議院議員会館講堂で、
イタリア「五つ星運動」リーダーのリカルド・フラカーロ・イタリア下院議員が
初来日して、彼らが巻き起こしたムーブメントを語る。
講演概要は以下の通り。
日時 2017年11月28日(火)
午後4時半〜7時半(開場 午後4時)
場所 参議院議員会館講堂
資料代 1000円
参加ご希望の方は、必ず下記フォームからの申し込みをしてほしいとのことである。
https://goo.gl/hJYZcv
主催 五つ星運動との対話集会実行委員会
問い合わせ m5s2j@yahoo.co.jp
対話集会について、加計問題追及の先頭に立ってこられた黒川敦彦氏が
ブログに詳述されているので、こちらも参照いただきたい。
https://goo.gl/P87GP2
イタリアの五つ星運動は政党支持率でトップに立つ運動体で
「地域のためにいいことしよう」
「自分たちのことは自分たちで決める」
を合言葉に直接民主制をイタリアに根づかせようと、
SNSを通じて急速に広まった、市民による市民のための草の根活動である。
その五つ星運動のリーダーの一人が初来日して市民と交流する貴重な機会である。
事前申し込みが必要なので、ぜひ、登録して対話集会に参加していただきたいと思う。
「五つ星運動」は、
ローカリゼーション、
スローライフ、
ダウンシフト、
インターネットデモクラシー
をテーマに掲げており、
政党名となった「5つ」の星は、社会が守るべき
(1)発展
(2)水資源
(3)持続可能性のある交通
(4)環境主義
(5)インターネット社会
を指す。
「五つ星運動」では、
インターネット投票で候補者を選抜し、政治腐敗を防ぐために、
国会議員の任期は2期までとし、他の政党とは連立を組まない、
議員報酬は国民の平均年収。
実際に返納ができないため、半額をマイクロクレジット基金に寄付している。
また、4800万ユーロの政党助成金も受け取りを拒否している。
普通の人の、当たり前の感覚を大切にしている。
地域を良くしようという運動から始まったことから、議員になることが目的ではない。
直接民主制をイタリアに根付かせたら、役目を終えるとしている。
運動の存続自体が目的ではない。
こんな「五つ星運動」が、既存政治の腐敗にウンザリしていた、
20〜40代の若い世代を中心に支持を広げてきた。
現在、「五つ星運動」は、イタリア下院第2党で、
国民支持率はトップを記録している。
他党との連携を行っていないため、
小選挙区制度下の選挙でどこまで議席を増やすことができるか、
解決するべき課題を抱えているが、来年までに実施される総選挙で、
さらに勢力を拡大できるかどうか、注目されている。
代議制の民主主義の限界や問題点を認識して、
直接民主主義の手法を活用することを提案している。
政治は政治家のためにあるんじゃない。
自分たちのことは自分たちで決める。
この発想がベースにある。
イタリアの「五つ星運動」がどのように躍進してきたのか。
そのヒントを、直接、「五つ星運動」リーダーである
リカルド・フラカーロ・イタリア下院議員から聴くことのできる貴重な機会である。
フラカーロ氏はイタリア憲法改訂の直接民主条項の起草者でもある。
フラカーロ氏との対話集会の機会をぜひ活用いただきたい。
イタリアに劣らず、日本政治も最悪の状況にある。
民意が政治に反映されない状況が続いている。
その理由は、自公の与党が小選挙区制度の特性を最大に活用して、
最小の得票で最大の議席を確保している一方で、
安倍自公に対峙する勢力が小選挙区制の特性を踏まえずに、
最大の得票で最小の議席を確保する方策を採っていることにある。
そして、自公側の勢力は、反自公側に手を突っ込んで、
反自公票が割れることを誘導している。
自公勢力は両面作戦を取っていると見るべきである。
この敵の戦術を知り、これに対処しなければ、事態を打開することはできない。
しかし、事態を打開する道筋は、おぼろげながらも見えている。
10月22日の衆院総選挙において、北海道、新潟、沖縄で、
自公対峙勢力が自公勢力と完全に互角の戦いを演じた。
その根幹は何であったか。
それは、
安倍自公対峙勢力の政策を明確にした上で、
候補者を一本化し、
それを主権者=市民が全面的に支えたこと
である。
安倍自公対峙勢力の政策を明確にすることとは、
旧民進党勢力のなかの立憲民主党を基軸にするということであった。
民進党には与党と野党が混在してきた。
このために、野党共闘の足並みが乱されてきた。
民進党が分離・分割されて、初めて「たしかな野党」勢力が明確な姿を現した。
この立憲民主党を基軸に据えたからこそ、
政策を基軸にする野党共闘が成立したのである。
総選挙前に希望の党が創設され、反自公陣営の共闘体制が揺さぶられた。
「安倍政権打倒」の一点で大同団結、呉越同舟が形成されていたなら、
安倍自公政権を退場させることも可能であったかも知れない。
しかし、希望の党は、その途上で、自公補完勢力である「本性」をむき出しにした。
ここで、立ち止まり、民進党の完全分離を実現していれば、
北海道、新潟、沖縄以外でも、野党共闘が形成されて、
異なる結果が生み出されただろうが、
民進党の大部分がそのまま希望の党への合流に踏み切り、
結果として野党勢力の分断が自公勢力に漁夫の利をもたらした。
民進党の分離・分割が生じたのは、希望の党が
戦争法制の容認、憲法改定の推進
という根幹にある問題を踏み絵に用いたからである。
これまでの民進党は、こうした根源的な問題についての路線対立を
党の中に内包するものであった。
だからこそ、野党共闘の成立が阻害されてきたのである。
重要なことは、政治勢力が基本政策路線を明確にすることだ。
こんな当たり前のことすら守られてこなかったところに本質的な問題がある。
これが民進党の一部分離・分割によって、一部解消された。
そして、野党共闘を推進できる勢力が立憲民主党として分離・独立した。
次の衆院総選挙、そして、2019年夏の参院選に向けて、
この民進党の分離・分割を完遂する必要がある。
それが、主権者に対する誠実な行動である。
民進党は現在、立憲民主、希望、無所属、参院民主の4勢力に分離された状況にある。
この分離が野党勢力の混乱を招いている。
これを、政策路線を基軸に整理するべきだ。
政策路線の焦点になるのは、
原発、戦争法制・憲法、消費税
である。
自公の路線に賛同するのか、
自公の路線に対峙するのか、
この基準で二つの勢力に分離・分割されるべきなのだ。
正当に残存する政党交付金の存在が問題解決の進捗を妨げている。
政党交付金残高は、分離分割後の議員数に応じて按分すればよい。
それが合理的な解決方法であろう。
安倍自公政治に対峙する勢力が明確にひとつの勢力としてまとまる。
これが実現すれば、野党共闘は極めて分かりやすくなるだろう。
北海道、新潟、沖縄で実現した野党統一候補の擁立が可能になる。
そうなれば、選挙における死票を大幅に減らすことができるはずだ。
この野党共闘勢力と自公勢力以外に、
自公補完勢力がもう一人候補を擁立することになれば、
この第三の候補は、野党統一候補とではなく、自公候補と競合することになる。
そうなれば、野党統一候補が勝利する可能性が一気に高まることになるだろう。
この実現のためには、民進党の裏側に存在してきた連合の分離・分割が
必要不可欠になる。
年末に向けて、野党勢力の再編、
とりわけ、旧民進党勢力の完全分離・分割が最重要の課題になっている。
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