2017年11月22日(水) 国政私物化 北朝鮮問題 くらしと経済 沖縄 憲法 安倍政権と対決 転換求める 志位委員長が代表質問 衆院本会議http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112201_01_1.jpg (写真)代表質問する志位和夫委員長。奥は安倍晋三首相=21日、衆院本会議 日本共産党の志位和夫委員長は21日、衆院本会議で代表質問に立ち、森友・加計疑惑、北朝鮮問題など、総選挙で問われた焦点で安倍晋三首相の姿勢をただすとともに、日本共産党の抜本的な対案を示しました。(質問全文) 志位氏は、国有地が8億円も値引きされタダ同然で売却された森友疑惑をめぐり、財務省職員から森友学園に値引きを提案している音声データが発覚したことに言及。首相夫人の昭恵氏が売却交渉時に同学園の名誉校長だったこともあげ、同省職員と昭恵氏の証人喚問を求めました。 加計疑惑では、同学園の獣医学部新設へのヤマ場の時期に、民間の一学園の理事長である加計孝太郎氏が当時の関係3大臣と直接面談し、学部新設の話をしていたと指摘し、加計氏が「腹心の友」である安倍首相の名を語って行政に働きかけた事実はあるのかと追及。安倍首相は、志位氏の質問にまともな答弁ができず、昭恵氏らや加計氏の証人喚問は「国会で決める」として逃げました。 志位氏は、北朝鮮の核・ミサイル開発を厳しく非難すると同時に、経済制裁の強化と一体に「対話による平和的解決」をはかることこそ唯一の解決策だと述べました。「対話否定論」を繰り返し、先制的な軍事力行使をも「選択肢」に含める米国政府の立場を支持する安倍首相に対し、「万一、米国が先制攻撃に踏み切ったら、何十万、何百万もの人命が最初の数日間の戦闘で失われるという強い警告がされている。先制的な軍事力行使は絶対にやるべきではないと提起すべきだ」と迫りました。安倍首相は質問に答えず、「米国の今後の対応を予断することは差し控えるが緊密に連携していく」などと述べました。 志位氏は暮らしの問題で、経団連が総選挙翌日に求めた「国民の痛みを伴う改革」の“号令”に呼応するように政府の審議会が医療・介護・生活保護などの給付削減を打ち出していることを示し、「『社会保障制度を全世代型に転換する』というが、全世代に対する社会保障切り捨てにほかならない」と告発。さらに、消費税増税を法人税減税とセットで提案している経団連の提言はあまりに身勝手であり、消費税10%大増税の中止、大企業・富裕層に応分の負担を求める税制改革が必要だと述べました。 志位氏は、総選挙で辺野古新基地反対の民意がはっきり示されたにもかかわらず、2週間後に新たな護岸工事に着手した政府の暴挙を批判。米軍ヘリの炎上・大破事故で日本の警察が立ち入り調査すらできない屈辱的な現状を示し、日米地位協定の抜本見直しを迫りました。 志位氏は、憲法9条に自衛隊を明記する改憲で「9条2項(戦力不保持)は空文化=死文化し、海外での武力行使が無制限に可能になるのではないか」とただしました。安倍首相は根拠も示さず「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」としました。 志位氏は「いま日本に求められているのは、憲法を変えることではなく、憲法をきちんと守る政治を取り戻すことだ」と表明しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112201_01_1.html 2017年11月22日(水) 志位委員長の代表質問 衆院本会議 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112205_01_0.jpg (写真)代表質問する志位和夫委員長=21日、衆院本会議 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。 森友・加計疑惑――国政私物化の重大疑惑をただす まず、森友・加計疑惑についてです。 この疑惑は、公正公平であるべき行政が、時の権力者によってゆがめられ、国政が私物化されたのではないかという重大疑惑であり、自民党が総選挙で多数を得たからといって、絶対にあいまいにされてはならないものです。 森友疑惑――財務省側からの値引き提案という信じられないことがなぜ起こったか 森友疑惑の核心は、国民の財産である国有地が、なぜ8億円も値引きされ、ただ同然で売却されたのかにあります。 この間、売却に直接かかわった財務省職員と学園側とのやりとりを記録した音声データが報道で明らかになりました。音声データには、地下深くまでゴミがあったことにして売却価格を引き下げるというシナリオを財務省職員の側から提案していたことが記録されています。売る側である財務省の側から値引きを提案するなどという信じられないことがなぜ起こったのか。籠池氏は国会で「神風が吹いた」と証言しましたが、「神風」が吹き出した時期と、安倍昭恵夫人が名誉校長に就任した時期が重なっているのは、とうてい偶然とは考えられません。 真相を究明するためには、売却に直接かかわった財務省職員と、売却交渉のときの名誉校長であった昭恵夫人に国会に来ていただき、直接話法で真実を語ってもらう必要があると考えますが、総理の見解を問うものです。 加計疑惑――問われているのは総理の関与の有無にある 加計疑惑の核心は、加計学園理事長の親友である総理の関与によって、獣医学部新設に特別の便宜が図られたのではないかというところにあります。 総理は、獣医学部新設について「私が関与したと言った方は一人もいない」とのべ、この一点をもって、自らの関与を強く否定しています。しかし獣医学部の新設が「国家戦略特区」に認定される過程で、「総理のご意向」とか「官邸の最高レベルが言っている」などと記載された文書が文科省内で交わされ、圧力として働いたことはまぎれもない事実です。総理が自らの関与をあくまで否定するなら、総理の名をかたって関与した人物が別にいるということになります。その人物を明らかにし、断固とした処置をとる意思はありますか。 総理はまた、「加計氏から獣医学部新設の話をされたことはない」と言います。しかし、加計孝太郎氏は、特区に獣医学部の新設を認めるヤマ場の時期に、当時の農水大臣、文科大臣、地方創生大臣にあいついで面会し、獣医学部新設の話をしています。民間の一学園理事長である加計氏が、3人の大臣と直接面談すること自体がきわめて異例なことですが、そのときに加計氏が「腹心の友」である総理の名をかたって、行政への働きかけを行った事実はありませんか。その究明のためにも加計孝太郎氏の国会招致は不可欠だと考えますが、総理の見解を求めます。 北朝鮮問題への対応――総理の姿勢の二つの問題点をただす 北朝鮮問題への対応について質問します。 北朝鮮による核・ミサイル開発は、もとより断じて容認できません。同時に、破滅をもたらす戦争だけは絶対に引き起こしてはなりません。この点で、総理の姿勢に二つの大きな問題点があることを、率直に指摘しなくてはなりません。 第1は、総理が、「対話のための対話は意味がない」と、「対話否定論」を繰り返しのべていることです。 現在の最大の危険は、米朝の軍事的緊張が高まるもとで、偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起き、それが戦争に発展することにあります。この危機を回避し、打開するためにも、米朝が直接対話に踏み切ることが必要だと考えますがいかがですか。 経済制裁強化は必要ですが、それだけでは事態を打開することはできません。制裁強化と一体に「対話による平和的解決」をはかることこそ唯一の解決策であり、日本政府はそのためのイニシアチブを発揮すべきではありませんか。 第2は、総理が、「すべての選択肢はテーブルの上にあるという米国政府の立場を支持する」と繰り返していることです。 ここでいう「選択肢」のなかには、米国による先制的な軍事力行使が含まれていることは明瞭です。万一、米国が先制攻撃に踏み切ったら、何十万、何百万もの人命が、最初の数日間の戦闘で失われるという強い警告がされています。こうした危険な道にあらかじめ支持を与えるなど言語道断です。米国政府に対して、先制的な軍事力行使は絶対にやるべきではないと提起すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。 暮らしと経済――財界の求める「国民の痛みを伴う改革」と安倍政権の基本姿勢をただす 暮らしと経済について質問します。 総選挙の翌日、経団連の榊原会長は、「安倍政権には、国民の痛みを伴う改革にも取り組んでもらいたい」として、「計画通りの消費増税の実行」と「社会保障制度の改革」に「勇気を持って」取り組むことを求めました。 「社会保障制度を全世代型に」というが、全世代に対する切り捨てではないか この号令に呼応するように、財務省の財政制度等審議会、内閣府の経済財政諮問会議で、あいついで「社会保障改革」の案が出されました。その内容は、医療、介護、生活保護など、社会保障のあらゆる分野で給付削減の大ナタをふるおうというものです。 介護では、「要介護1・2」の在宅サービスを介護保険の給付から外すことが提案されています。安倍政権のもとで、すでに「要支援1・2」の176万人の在宅サービスが保険給付から外されています。このうえ「要介護1・2」の240万人のサービスまで保険給付から外したら、要支援・要介護と認定されている人の実に65%が保険給付の枠外に置かれてしまいます。高い保険料を払って、要支援・要介護と認定されても、6割以上の人がサービスを受けられない。これでは「国家的詐欺」というほかないではありませんか。 こうした制度改変でたいへん困るのは、介護が必要な家族をもつ現役世代です。「介護離職」は10年間で105万人にのぼります。総理は「介護離職ゼロ」を掲げていますが、6割以上の人から保険給付をとりあげて、どうして「介護離職ゼロ」になりますか。それを深刻化させるだけではありませんか。 生活保護では、子どものいる世帯を狙い撃ちにした切り下げが検討されています。「母子加算」をはじめ子育て世代に支給される各種加算を軒並み切り下げ、生活扶助費の本体についても、子どもの多い世帯ほど厳しく削減していくというのが政府の方針です。これが実行されれば、子だくさんの貧困家庭に事実上のペナルティーを科すことになります。総理は、「少子高齢化」を克服する、「貧困の連鎖」を断ち切ると言いますが、やろうとしていることはまったく逆のことではありませんか。 総理は、総選挙で、「社会保障制度を全世代型に転換する」と公約しましたが、選挙が終わってやろうとしていることは、全世代に対する社会保障切り捨てにほかなりません。こうした姿勢を根本からあらため、社会保障拡充への政策転換をはかることを強く求めるものです。 国民に社会保障削減と大増税、自分の税負担は軽く――あまりに身勝手ではないか 経団連がもう一つ、「国民の痛みを伴う改革」として要求しているのが「計画通りの消費増税の実行」です。 重大なことは、経団連が、消費税増税を、法人実効税率の25%への引き下げとセットで要求していることです。すでに安倍政権のもとで4兆円の法人税減税、大企業減税のバラマキがおこなわれましたが、さらに2兆円をこえる法人税減税を求めているのです。総理、国民には社会保障削減と大増税の激痛を押し付けながら、自分の税負担はひたすら軽くしてくれという。この財界の要求はあまりに身勝手だと考えませんか。 消費税10%への大増税は中止し、増税するなら「アベノミクス」で空前のもうけを手にしている富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ実行すべきです。明確な答弁を求めます。 沖縄米軍基地問題――総選挙でしめされた民意、屈辱的な現状への認識を問う 沖縄の米軍基地問題について質問します。 総選挙では、沖縄の四つの小選挙区のうち、1、2、3区の三つで、辺野古新基地に反対する「オール沖縄」の候補者が勝利しました。新基地建設に反対する沖縄県民の民意がはっきり示された結果であることは明らかです。ところが政府は、そのわずか2週間後に、新たな護岸工事の建設に着手しました。 総理にうかがいます。総選挙で、沖縄県民が新基地建設反対の審判を下したという事実をあなたはお認めにならないのですか。政府の暴挙は、沖縄には民主主義は適用しないという宣言に等しいものだと考えますがいかがですか。しかと、お答えいただきたい。 米軍ヘリが炎上・大破した事故も、沖縄県民の怒りを広げています。こんな重大事故が、住民の生活する民有地で起こったのに、日本の警察は、立ち入り調査すらできませんでした。機体の一部に放射性物質が使われていたにもかかわらず、十分な調査ができませんでした。昨年のオスプレイ墜落事故のときも、海上保安庁は原因究明に関与することができませんでした。 総理、これで独立した主権国家といえますか。この屈辱的な現状をただすために、日米地位協定の抜本見直しが必要だと考えますがいかがですか。答弁を求めます。 憲法9条改定――自衛隊の明記が何をもたらすかをただす 最後に憲法9条改定について質問します。 総理は、憲法9条の1項、2項は残しつつ、自衛隊を明文で書き込む憲法改定を主張しています。総理は、「ただ存在する自衛隊を書くだけで、何も変わらない」と言いますが、とんでもありません。きわめて重大な問題が生まれてきます。 法律の世界では、「後から作った法律は、前の法律に優先する」ことが一般原則とされます。ですから、仮に9条2項が残されたとしても、後から作った条項で自衛隊が明記されれば、こちらが優先され、9条2項の空文化=死文化に道を開くことになるのではありませんか。そうなれば、9条2項によって「できない」とされてきた武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の全面的発動が可能となり、海外での武力行使が無制限になるのではありませんか。こうした大改悪には、わが党は断固反対であります。 だいたい、総理に、憲法改定を語る資格があるでしょうか。安保法制、秘密法、共謀罪、どれもこれも憲法違反の法律を、数の暴力で通してきた。野党が憲法53条にもとづいて臨時国会を要求しても、3カ月も放置したあげく、冒頭解散を強行しました。憲法を守らない総理に、憲法を変える資格などありません。いま日本に求められているのは憲法を変えることではなく、憲法をきちんと守る政治を取り戻すことだということを訴えて、私の質問を終わります。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112205_01_0.html 2017年11月22日(水) 内政・外交の根本問題を問う 首相“逃げ”と“居直り”に終始 衆院本会議 志位委員長の代表質問 日本共産党の志位和夫委員長は21日の衆院本会議の代表質問で、「森友・加計」疑惑や圧力一辺倒の北朝鮮対応、国民に痛みをもたらす全世代型の「社会保障改革」など、安倍暴走政治の問題を一つひとつ厳しくただしました。安倍晋三首相は、どの問題でもまともに反論できず、「ご指摘は全く当たらない」と6回も繰り返し、“逃げ”と“居直り”の姿勢に終始しました。 「森友・加計疑惑」 昭恵氏と加計氏の国会招致は不可欠 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112202_01_1.jpg 志位氏は、安倍首相の関与が問われている国政の私物化疑惑=「森友・加計」問題の核心を正面からただし、真相究明のため関係者の国会招致を求めました。 「森友学園」の疑惑について志位氏は「国民の財産である国有地が、なぜ8億円も値引きされ、ただ同然に売却されたのか」と強調。財務省が、国有地の地下深くまでごみが埋まっていたとの値引きのシナリオを描き、学園側に提案していたことを示す音源(左別項)が明らかになったことを示し、「籠池氏が国会で『神風が吹いた』と証言した時期と、安倍昭恵夫人が名誉校長に就任した時期が重なっているのは、到底偶然とは考えられない」と迫りました。 安倍首相は「国民から疑念の目を向けられたとしても、もっともだ」としながら、国会や総選挙で「私自身丁寧に説明してきた」と言い張りました。 「加計学園」の疑惑について志位氏は、加計孝太郎理事長の親友である安倍首相の関与によって「獣医学部新設に特別の便宜が図られたのではないか」と指摘。安倍首相が「私が関与したと言った方は1人もいない」と言い逃れしていることについても、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと記された文書が文科省内で交わされていたことを示し、「圧力として働いたことは紛れもない」と批判しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112202_01_1b.jpg 志位氏は、首相の名をかたった人物がいるというなら断固とした処置をとるべきだと強調。国家戦略特区諮問会議で獣医学部新設が認可される時期に、加計氏が農水、文科、地方創生の3大臣に相次いで面会(上表)していたことを「極めて異例だ」とただしました。 安倍首相は、プロセスには「一点の曇りもない」と自身の関与を否定しながら、首相の名をかたった人物を処分する考えはないと述べました。 志位氏は、国有地売却に直接かかわった財務省職員と昭恵氏、加計氏の国会招致が不可欠だと主張。安倍首相は「国会が決めること」との答弁を繰り返しました。 北朝鮮 軍事力行使やめよ「対話で平和的解決」こそ http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112202_01_1c.jpg 北朝鮮問題への対応はどうあるべきか。志位氏は、安倍首相の姿勢の問題点を二つあげて追及しました。 第一は、「対話のための対話では意味がない」と「対話否定論」を繰り返す姿勢です。志位氏は、現在の最大の危機は「米朝の軍事的緊張の高まりの下、偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起き、戦争に発展することだ」と指摘し、「危機打開のため、米朝が直接対話に踏み切ることが必要ではないか」と認識をただしました。 志位氏は、経済制裁の強化だけでは事態の打開はできないと述べ、「制裁強化と一体に対話による平和的解決をはかることこそ唯一の解決策だ」として日本政府が率先して働きかけるよう求めました。 第二は、軍事的対応を含む米国政府の立場を支持する姿勢です。 志位氏は、「すべての選択肢はテーブルの上にある」とする米国政府の姿勢は軍事力行使の選択肢を含んでいると指摘。米国が先制攻撃に踏み切れば多数の命が失われる強い懸念(左別項)があるとして、「こうした危険な道にあらかじめ支持を与えるなど言語道断だ」と強調し、「米政府に対し、先制的な軍事力行使を絶対にやるべきでないと提起すべきだ」と迫りました。 安倍首相は「非核化に向けた対話を拒否しているのは北朝鮮だ」として、引き続き圧力一辺倒で対応することを表明。軍事的対応を選択肢に含む米国の姿勢については「米国の今後の対応を予断することは差し控える」と述べました。 くらし経済 「痛み伴う改革」やめ社会保障拡充へ転換を http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112202_01_1d.jpg (写真)志位和夫委員長が代表質問にたつ衆院本会議=21日、国会内 暮らしと経済について志位氏は、安倍政権の基本姿勢が財界の求める「国民の痛みを伴う改革」となっていることを告発しました。 経団連の榊原定征会長は総選挙の翌日、安倍政権に「計画通りの消費増税の実行」と「社会保障制度の改革」に取り組むよう提言。これに呼応するように財務省の財政制度等審議会や内閣府の経済財政諮問会議の社会保障改革案は、医療、介護、生活保護など社会保障のあらゆる分野で給付削減の大ナタをふるう内容となっています。 介護では「要介護1、2」の240万人の在宅サービスを保険給付から外す計画です。すでに「要支援1、2」の176万人の在宅サービスが保険給付から外されているため、「要支援・要介護と認定されている人の実に65%が保険給付の枠外に置かれてしまう」(志位氏)のです。(図) 志位氏は、介護離職が10年間で105万人に上るとして、「6割以上の人から保険給付を取り上げて、どうして『介護離職ゼロ』になるのか」とただしました。安倍首相は、要支援外しを「地域支援事業の対象とした」と無責任に答え、市町村任せにしたためサービスが削減されている実態を無視しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112202_01_1e.jpg 生活保護では、母子加算をはじめ子育て世帯の各種加算の切り下げが検討されています。志位氏は、子どもの多い世帯ほど厳しく削減されるとして、「子だくさんの貧困家庭に事実上のペナルティーを科すことになる」と批判しました。首相は「低所得世帯と均衡がとれる水準となるよう検証している」と“下”に合わせた改悪であることを認めました。 志位氏は、首相の言う「全世代型」の社会保障は「全世代に対する社会保障切り捨てにほかならない」とし、社会保障拡充への政策転換を要求しました。 消費税増税を求める経団連は、法人実効税率の25%への引き下げを要望しています。志位氏は、すでに4兆円の法人税減税、大企業減税が行われた上に2兆円以上の減税となると指摘し、「増税するなら『アベノミクス』で空前のもうけを手にしている富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ実行すべきだ」と求めました。 安倍首相は、消費税について「引き上げを中止することはない」と言明。法人税減税については「情勢の変化も踏まえつつ検討」と否定しませんでした。 国家的詐欺でしかない 中央社会保障推進協議会の山口一秀事務局長の話 志位委員長の指摘はすべてもっともです。安倍政権の介護保険改革は、利用者、家族、事業者とそこで働く労働者など、介護にかかわる人全般に非常な重荷がのしかかるものです。サービス削減だけでなく介護報酬の引き下げで、事業者が事業所を開きたくても開けない、働く人も集まらないということも起こっています。 安倍首相は「国家的詐欺にあたらない」と強弁しましたが、実際に介護保険料を払っていながら制度を利用できない実態は多くある。これはもう詐欺と言うしかありません。首相が詐欺でないと言いつくろっても、保険料を払った分に見合うだけの介護は保障されていません。 介護離職ゼロについても、実際に介護で働く職場の労働者の給料などの処遇は最悪のままです。介護家族への負担をいっそう重くする改革を強行しておいて、介護離職ゼロと言っても現実的ではありません。 沖縄米軍基地 反対の民意認めよ地位協定の抜本見直しを http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112202_01_1f.jpg (写真)炎上する米軍のCH53Eヘリコプター=10月11日夕、沖縄県東村高江(西銘晃さん提供) 志位氏は、沖縄県名護市辺野古への新基地建設に反対する「オール沖縄」が、10月の総選挙で四つの小選挙区のうち三つで勝利したことに言及。わずか2週間後に政府が新たな護岸工事に着手したことにふれ、「県民が新基地建設に反対の審判を下した事実を認めないのか」とただしました。 「政府の暴挙は、沖縄には民主主義は適用しないという宣言に等しい」と批判した志位氏に対し、安倍首相は「先の選挙の結果については真摯(しんし)に受け止める」と言いながら、引き続き工事を進めていく考えを示しました。 志位氏は、米軍ヘリが民有地で炎上・大破した事故で、日本の警察が立ち入り調査すらできなかった実態を告発。昨年のオスプレイ墜落事故の際にも同様の事例があったとして、「独立した主権国家といえるのか」と迫り、「この屈辱的な現状をただすために、日米地位協定の抜本見直しが必要だ」と求めました。 安倍首相は、事故の調査は行ったと強弁し、「いずれにしてもご指摘は当たらない」などと繰り返しました。 9条改憲 求められるのは憲法を守る政治 志位氏は、安倍首相が狙う憲法9条への自衛隊明記について、「後から作った法律は、前の法律に優先する」との法律の一般原則にふれ、「後から作った条項で自衛隊が明記されれば、9条2項の空文化・死文化に道を開く」と指摘。9条2項によって「できない」とされてきた武力行使のための海外派兵や集団的自衛権の全面的発動が可能となり、「海外での武力行使が無制限になる」と警告しました。 首相は何の根拠も示さず、「ご指摘は全く当たらない」などと述べました。 志位氏は、安倍首相が安保法制=戦争法や秘密保護法など憲法違反の法律を数の暴力で押し通してきたと指摘。憲法53条に基づく野党の臨時国会開会要求を3カ月も放置し冒頭解散を強行したことにもふれ、「憲法を守らない総理に憲法を変える資格などない」と強調。「いま、日本に求められているのは憲法をきちんと守る政治を取り戻すことだ」と主張しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112201_01_1.html 2017年11月22日(水) 「議論拒否し、逃げる」 志位委員長会見 首相答弁を批判 日本共産党の志位和夫委員長は21日、同日の衆院本会議での代表質問を終えて記者会見し、安倍晋三首相の答弁について「国政私物化疑惑、北朝鮮問題、暮らしと経済、沖縄、憲法の問題のそれぞれで論を立てて、根拠を示して質疑を行ったが、総理はどの問題もまともに聞いたことに答えず、論も根拠も示さず『ご指摘は全くあたりません』と6回繰り返した。全体として、議論を拒否し、逃げるという姿勢が際立った」と語りました。 志位氏は、たとえば北朝鮮問題をめぐり、米国政府に対して先制的な軍事力行使は絶対にやるべきではないと提起すべきだと求めたが、安倍首相はどういう態度をとるのか全く答えなかったと指摘。憲法問題では、法律の世界では「後からつくった法律は、前の法律に優先する」ことが一般原則とされていることを示し、憲法9条に自衛隊を明記する改憲を行えば、9条2項(戦力不保持)が空文化=死文化すると論立ててただしたにもかかわらず、安倍首相が根拠も示さず「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」「ご指摘は全く当たらない」と述べたことを批判しました。 さらに志位氏は、介護問題で、「要支援1・2」を介護保険給付から外したことについて、安倍首相が「地域支援事業の対象」になっているとし、「要介護1・2」の給付外しを行っても“問題ない”と居直り、「国家的詐欺との批判はまったくあたらない」と答弁したことを批判。「地域支援事業というのは自治体任せということだ。地域支援事業に移行された要支援1・2は、サービスの低下が起こり全国で大問題となっている。このうえ、要介護1・2も給付外しが行われたら大変な問題が起こることは明瞭だ」と指摘しました。 志位氏は、安倍首相が子育て世代を狙い打ちにした生活保護削減について、「低所得世帯の消費水準」に合わせるとして正当化したことを批判。「これは結局、足の引っ張り合い、貧困の悪循環をつくっていくという論理だ。低所得世帯との均衡に問題が起こるというのであれば、そちら(低所得世帯)を支援すべきであり、生活保護を切り捨てる理由にしては絶対にならない」と断じました。 志位氏は「引き続き、参院の代表質問、(衆参)予算委員会の質疑でただしていきたい」と表明しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-11-22/2017112201_02_1.html
[スレ主【赤かぶ】による初期非表示理由]:この投稿に対するコメントとしては場違い。別の投稿にコメントしてください。(アラシや工作員によくあるコメントはスレ主が処理可能)
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