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2017/11/17 04:57
<「震災復興のため」──そうして血税を集めて被災地に払われたはずの補助金が、政治家に流れていた。しかもそれが被災地選出の復興大臣だというのだから、看過できない。
◆3年間で714万円
「被災者の気持ちはどなたよりも私が理解しているというふうに思っております。被災地の復興に全力を尽くしてまいります」
吉野正芳・復興相は今年4月の大臣就任会見でこう述べた。8月の内閣改造でも留任した吉野氏は生まれも選挙区も福島県だ。自宅が被災したという吉野氏にとって、東日本大震災の被災地復興は政治家としてのライフワークであり、被災者もその手腕に期待しているはずだ。
しかも「前任の今村雅弘氏は被災者の怒りを買う失言(*注1)で辞任し、その前の高木毅氏は“パンツ泥棒疑惑”が問題視された経緯があり、政権の“鬼門”だった。その点、被災地出身の吉野氏なら問題は起こさないだろうという判断が起用の背景にあった」(大手紙政治部記者)といわれる。
【*注1/今年4月25日、二階派のパーティで今村氏が「これ(震災)がまだ東北で、あっちの方だったからよかった」と発言し問題になった】
その吉野氏に被災者の期待を裏切る疑惑が浮上した。震災復興にはこれまでに多額の税金が投じられている。その中の1つに「ふくしま産業復興企業立地補助金」がある。
同補助金は震災翌年の2012年に福島県が創設。県内で工場などを新設・増設する企業に補助金を支給し、地域の雇用を確保することを目的とする。主体は福島県だが、その財源約2000億円のほぼ全額は経済産業省からの補助金だ。現在までに約500の企業が県から指定を受け、「ふくしま産業復興企業立地補助金」を交付されている。
福島県内の雇用は今なお厳しい現状にあり、県内就職件数は、震災が発生した2011年の4万9596件から年々減少し、2015年には3万8554件になっている。その状況を改善するための補助金のはずが、復興を先導する吉野氏の政治団体に流れていた。
吉野氏が代表を務める「自民党福島県第五選挙区支部」は、2015年12月に福島県内の木材製材会社から12万円の献金を受けているが、この製材会社は同年3月に県から9750万円の補助金を交付されていた。政治資金問題に詳しい岩井奉信・日本大学法学部教授が説明する。
「政治資金規正法により、国から補助金の交付を受けた企業は交付決定日から1年間は政治献金できないと定められています。補助金を配分する立場にある政治家に対して、補助金交付の見返り献金が行なわれないようにするための規定です」
製材会社から吉野氏への献金は、政治資金規正法に抵触する可能性が出てくるのだ。ちなみに「1年ルール」には当てはまらないものの、吉野氏は2013〜2015年の間にこの補助金制度において県から指定された4社から合計678万円もの献金を受けていた。前出の製材会社の2013〜2015年分を含めるとその合計額は714万円になる。果たしてそれは、「福島の雇用促進のため」という目的に適うものなのだろうか。
◆ロンダリングし放題
このような例は過去にもある。2015年、西川公也・農水相(当時)は林野庁が創設した「森林整備加速化・林業再生事業」の補助金が交付された会社から300万円の献金を受けていたことが発覚し、引責辞任した。その後、安倍晋三首相はじめ閣僚たちに次々と補助金受給企業からの献金が発覚、返金などの対応に追われた。
今回の場合は、復興の旗振り役である吉野氏に、「被災者救済」のためのカネが流れていたという構図である。だが、吉野氏の事務所の回答は驚くべきものだった。
「当該補助金は、国の補助金にあたらないので、政治資金規正法に抵触しないと判断しております」
どういう意味か。政治資金規正法では、国から補助金を受けた企業から国会議員への寄附・献金を禁じる一方、地方自治体からの補助金については知事や地方議員への禁止規定があるだけで、国会議員については言及がない。それを根拠に吉野氏は違法性を否定しているわけだ。
しかし、前出の岩井氏は「その理屈がまかり通るなら、国会議員は地元選挙区の補助金をロンダリングし放題になってしまう。国民を馬鹿にしている」と一蹴する。
「政治資金規正法の主旨に従えば、国からだろうと県からだろうと、補助金を受けている企業の政治献金は税金の還流なのだから認められないという考え方が筋。そもそも問題の補助金は財源を国(経産省)に頼っているのだから、“国の補助金ではない”という理屈も詭弁に見える」(同前)
こんな“前例”もある。馳浩・文科相(当時)は2015年、石川県から補助金を交付された企業から受け取った合計232万円の献金を全額返金した。馳氏は当時、〈大臣という立場でもあり、誤解を招かないように返金した〉と説明している。
震災復興予算の流用問題(*注2)を暴いた『国家のシロアリ』の著者・福場ひとみ氏はこう語る。
【*注2/本誌・週刊ポストが2012年8月10日号で報じた、東日本大震災の復興予算19兆円(震災翌年の2012年から2017年度末までの5年間の「集中復興期間」に充てられたもの)の大半が被災地とは無関係の事業に使われていたとする問題】
「企業立地補助金は復興予算の中で最も流用された補助金です。被災地とは関係ない後援企業に受給テクニックを教え、その企業から寄附を受ける議員もいました。補助金の“キックバック”とも考えられるこの構図が今でもまかり通っているのだとしたら、看過できません」
震災のあった年の2011年11月30日に開かれた財務金融委員会で、吉野氏は「雇用を考えた場合、多くの会社が立地をしていただいて雇用の確保、これが生活の大前提だと思います」と語っている。
確かに補助金が「福島県民」でもある吉野氏の政治活動費になれば、“吉野氏の雇用(当選)”には役立つだろう。しかし、そんな使われ方に納得する被災者はどれだけいるのだろうか>(以上「週刊ポスト」より引用)
吉野正芳・復興相は「ふくしま産業復興企業立地補助金」の補助金制度において県から指定された4社から2013〜2015年の間に合計678万円もの献金を受けていた。その財源約2000億円のほぼ全額は経済産業省からの補助金だ。
政治献金の一年ルール「政治資金規正法により、国から補助金の交付を受けた企業は交付決定日から1年間は政治献金できない」と定められている。その理由は補助金を配分する立場にある政治家に対して、補助金交付の見返り献金が行なわれないようにするためだ。
しかし吉野正芳・復興相は「ふくしま産業復興企業立地補助金」の補助金制度に基づく補助金は福島県から交付されるものだから、政治資金規正法の一年ルールは当てはまらない、との見解を示しているという。それでは直接国から交付される補助金以外は政治資金規正法に抵触しない、という実に身勝手な解釈で正当化しているといわざるを得ない。
県が独自に設けている補助金制度ならまさしく吉野氏の事務所が回答した通りだろう。しかし「ふくしま産業復興企業立地補助金」は経産省が設置を決定して、経産省から拠出された交付金が原資となっている。つまり国庫支出の補助金と何ら変わらない。
復興相が復興補助金を食い物にしているとは由々しき問題だ。それでなくても政治を食い物にする政治屋が政界で暗躍している。
そうした類の者が官邸に巣食って「国家戦略特区」という免罪符の下、やりたい放題をしている。安倍自公政権は根本のところで腐っている。国会議員であればすべて国会審議を経て税金の使途を決めるべきだ。コソコソと官邸で仲間内で利権を貪り合うのは時代劇の「悪代官と越後屋」の図そのものではないか。
一年ルールも余りに皮相ではないだろうか。政治資金規正法で規制しているから献金は違法ではない、というのなら政党助成法を廃止すべきだ。
日本の政治はカネがかかり過ぎる、といわれる。それは米国の国会議員の年俸と日本の国会議員の年俸だけを比較しても二倍ほどと歴然としている。その言い訳として日本の政治家たちは冠婚葬祭にカネがかかるし、地元事務所と私設秘書の雇用でカネがかかる、としている。しかしそうしたカネがかかる構造にしているのは政治家たちではないだろうか。
地元事務所が必要なのは地元出身の政治家たちではないからだ。都道府県議会議員たちの選挙区とそれほど変わらない選挙区で何ヶ所もの後援会事務所が必要だろうか。つまり東京生まれの政治家が地方を選挙区にして出ているに過ぎないからだ。
総理大臣の安倍氏にしてもそうだ。東京生まれの東京育ちの安倍氏が父親の出身地を地盤として政治家になっている。その弟も祖父・岸信介氏の地盤から出ている。兄弟揃って生まれも育ちも縁のない父親や祖父の出生地を選挙区として、歌舞伎役者よろしく襲名披露して政治家になっている。それで都道府県の合区は地方の無視に繋がるから反対とは片腹痛い。
吉野復興相の政治献金は復興を食い物にしているだけに悪質度は高い。災害により甚大な被害を受けた地元を復興させるためにまず雇用の場の産業を興そうとする事業への補助金をピンハネするとは、官邸に巣食う派遣労働者をピンハネする派遣業者とどこが異なるのか、という自己正当化の論理が働いているのかも知れないが、それは違法だ。復興を食い物にする政治屋は政界から叩き出さなければならない。
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