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TPP「大筋合意」報道はウソ 亡国のオソマツ交渉の舞台裏
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/217668
2017年11月15日 日刊ゲンダイ 文字お越し
偽りの成果を誇張(C)AP
「大筋合意に達したことは大きな前進だ」
「早期の発効に向けて引き続きリーダーシップを発揮していく」
14日夜、滞在先のフィリピン・マニラで記者会見した安倍首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)が米国を除いた11カ国による新協定で「大筋合意」したことを「成果」として誇ってみせた。
あたかも日本が主導して新協定の「TPP11」が首脳間で大筋合意したかのような報道があふれている。それらを見ていると、来年にも各国が批准の手続きに入り、米国抜きのTPP11がスタートすれば、日本企業に恩恵があるように思わされる。日用品や食品が安くなって消費者にもメリットがあると喧伝されている。
だが、果たして本当にそうなのか。かつての米国を含めたTPP交渉でさんざん指摘された“食の安全”などの問題はどこへ行ってしまったのか。そもそも「大筋合意」自体、怪しいものだ。
「TPP11が大筋合意などと報じられているのは日本だけです。9日のTPP閣僚会合後、茂木担当大臣が記者団に『大筋合意』と発表しましたが、その後もカナダが異論を唱えるなどして、4つの重要項目が決着していない。TPPなんて、米国が抜けた段階で終わった話なのに、中国包囲網という妄想に取りつかれているのが安倍政権です。合意することだけが目的で、中身を詰めようともしない。亡霊のようなTPPに今もしがみついているのは日本だけです。こんな欠陥条約が交渉を今後も継続できるとは思えません」(経済アナリストの菊池英博氏)
■「大筋合意」は誤報、虚報のたぐい
なにしろ10日の首脳会合で、閣僚間での大筋合意を確認する段取りだったのに、カナダのトルドー首相が「合意を首脳レベルで確認できる段階ではない」と突っぱねて、首脳会合の開催そのものが見送られるお粗末さだったのである。これのどこが「合意」だというのか。
TPP交渉に詳しい東大大学院教授の鈴木宣弘氏が言う。
「TPP11の共同宣言には『agreed onthe core elements』、つまり『中核的な項目について合意した』とあり、部分的な合意でしかないことが分かる。これを『大筋合意』と解釈するのは無理があります。かつての米国を含めた12カ国でのTPPも日本政府は『大筋合意』と表現していましたが、当時の閣僚声明には『come to an agreement』と合意に至ったことがはっきり明記されていました。今回は決裂した事項がたくさんあるのに、外交成果を焦るあまり、強引に見せかけ合意を偽装したと言わざるを得ません。そういう大本営発表に乗っかって垂れ流しているのが日本の大メディアであり、大筋合意などというのは、ほとんど誤報、虚報のたぐいです」
TPP11合意という成果を演出するために、日本政府はかなり強引な進め方をしたという。それが各国の反発を招き、TPP11が漂流する要因になりかねない。現在、東南アジア諸国を中心とした別のメガ自由貿易協定である「RCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)」の構想も進行中だ。この主導権を握っているのは中国だが、日本に対する不信感が高まり、RCEPに地域経済が結集する可能性もある。
首脳会合もお流れ(C)代表取材・共同
ジャイアン米国の威を借るスネ夫がアジアの盟主気取り |
「国際社会から見れば、日本は米国というジャイアンの威を借るスネ夫でしかない。それが、米国がいなくなった途端に盟主気取りで、『おまえら、オレの言うことを聞け』とイバり出し、TPP11の偽装合意を強行しようとする。米国ベッタリのスネ夫国家が、アジアに対してはジャイアンになってドーカツする滑稽が見透かされているのだから、反発を招くのは当たり前です。
大体、世界のグローバル企業に富を集中させることがTPPの目的で、日本の国益にとってプラスはないのに、食の安全を守る理念も戦略もなくTPP11に邁進するのも米国へのゴマすりですよ。トランプ大統領はTPP反対ですが、米国には、共和党のハッチ財政委員長のようにTPPをやりたい人たちがたくさんいる。だから、TPPの火を消さないように日本が頑張るという従属アピールをしている。アジアから搾取してグローバル企業を儲けさせるために、日本の食の安全を差し出そうというのです。しかも、TPPが発効すれば日本人も安い賃金のアジアの人々と競わされて、所得が大幅に減るか失業することになるのは確実です。グローバル企業だけが儲かって、日本国民が苦しむことが分かっていながら、ひたすら米国に尻尾を振ることしか考えない亡国政権は度し難いと思います」(鈴木宣弘氏=前出)
今回のTPP11で合意を優先した日本政府は、農業分野の修正には手をつけなかった。そのため、例えば乳製品の低関税輸入枠は生乳換算で計7万トンと、米国の参加を前提にした時と変わらない数量になっている。これは12カ国の時より日本の農家にとってキツい。政府関係者は「新協定はあくまで米国が復帰するまでの暫定的なもの」と言い訳するが、11カ国で連携して米国のTPP復帰を促すとかいう報道も噴飯ものだ。
■TPPとFTAのダブルパンチ
トランプ政権が続くかぎり、米国が復帰することはない。トランプが重視するのは2国間のFTA(自由貿易協定)で、日本に対してもTPP以上に要求レベルを上げてくるのは間違いない。乳製品にしても「TPPで7万トンなら米国からも買え」と輸入枠の追加を迫ってくるだろう。同じことは肉やコメなど農産物のほか自動車などにも言える。前出の菊池英博氏もこう言う。
「トランプ大統領が2国間交渉にこだわるのは、その方が自国に有利だからです。米国盲従の安倍政権がトランプ氏の要求に『NO』と言えるわけがない。貿易赤字を是正して日本にモノを買わせれば、自国の労働者の雇用が守られるとトランプ大統領は考えている。それはある意味、正論です。自国の産業と雇用を守ることが政権の使命のはずなのに、安倍首相は言われるがままに何もかも差し出そうとしている。その結果、食料自給率が下がって安全保障上のリスクが増えようと、国民生活が破壊されようとお構いなしなんて、正気の沙汰ではありません」
日本では経団連の榊原会長が「心から歓迎する」とコメントを発表するなど、経済3団体もTPP11の大筋合意を後押ししているが、失政を隠すための外交成果を偽装する官邸と、安い労働力を手にすることしか考えていない産業界、そのおこぼれにあずかりたい大メディアのタッグの裏で封印される「不都合な真実」を国民は知る必要がある。
1%の富裕層の利益の犠牲になるのが自分たちの生活だということを忘れてはならない。
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— 桃丸 (@eos1v) 2017年11月15日
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