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マイナス金利でも怒らない庶民 いざなぎ超え株高の空虚
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/217481
2017年11月11日 日刊ゲンダイ 文字お越し
もう隠しきれない…(黒田日銀総裁)/(C)日刊ゲンダイ
一体どこの国の話なのか――と国民はシラケているに違いない。
2012年12月から始まった景気拡大の期間が58カ月となり、ついに「いざなぎ景気」を超えたと大新聞テレビがバカ騒ぎしている。平均株価も2万2900円と、26年ぶりの高値圏を突破し、兜町は「失われた20年を取り返した」と浮かれている。
しかし、どんなに安倍政権や大手メディアが「いざなぎ超えだ」「年末株価2万4000円だ」とはやし立てようが、国民がシラケるのも当然である。庶民の暮らしは少しも良くなっていないからだ。むしろ悪化しているのが実態である。
「この5年間、企業はアベノミクスの恩恵を一手に享受し、経常利益を12兆円から22兆円へと10兆円も増やしています。ところが、企業が払う人件費は43兆円と変わっていない。労働分配率は、民主党政権時の60%から、52%へとガクンと落ちています。労働者の実質賃金はマイナス0.08%。要するに、企業は労働者の給料を抑えて、儲けを増やしているのが実態です。その一方、企業は内部留保を300兆円から400兆円へ100兆円も増やしている。これでは“いざなぎ超えだ”と喧伝されても、庶民が好景気を実感できるはずがありません」(経済評論家・斎藤満氏)
そもそも、景気拡大が58カ月間つづいていると騒いでいるが、好景気が57カ月間つづいた「いざなぎ景気」とは、比べものにならない。「いざなぎ景気」の時は、GDPは平均で年11.5%成長したが、今回はたったの1.4%である。
雇用にしても、安倍首相は「有効求人倍率は1倍を超えている」と威張っているが、人気の高い「一般事務」は0.35倍と1倍を大きく下回ったままだ。株高にしたって、熱心に株投資しているのは、せいぜい国民の1割程度だろう。庶民からしたら「なにが、いざなぎ超えだ」「どこの国の話だ」というものだ。
金利なき世界は銀行も直撃(C)日刊ゲンダイ
銀行のビジネスモデルも崩壊 |
5年間のアベノミクスでハッキリしたことは、どんなに待っても庶民には恩恵はないということだ。恩恵どころか、「異次元緩和」の弊害と副作用が大きくなるだけである。
黒田日銀は市場に大量にカネを流すことで、金利をゼロまで下げ、円安に誘導してきた。企業が空前の好決算を記録しているのも、金利負担が減り、円安によって輸出が拡大したからである。しかし、もはや「異次元緩和」の弊害と副作用は、隠しきれなくなっている。
モロに直撃を受けているのが“年金生活者”だ。かつて、個人の金利収入は、年間30兆〜50兆円あった。定年退職したサラリーマンは、退職金を銀行に預け、年金収入と金利のついた貯金を切り崩せば、それなりの生活をしていけた。ところが、ゼロ金利となってしまったために、まったく金利収入を得られなくなっている。本来、企業が負担する金利を年金生活者が肩代わりしているようなものだ。
さらに、金利なき世界は、“銀行”も直撃している。銀行は預金の金利と、企業に貸し出す金利との「利ざや」で儲けるのが本来の業務である。ところが、低金利の長期化で金利を稼げなくなり、ビジネスモデルが崩壊してしまった。とうとう、みずほ銀行は1万9000人の行員削減を打ち出し、三菱東京UFJ銀行は、約500ある「フルバンク型」の店舗を半減させる予定だ。
「銀行は真綿でクビを絞められているようなものです。一般企業は好業績をあげているのに、銀行だけは減益です。本来の融資業務では利益を上げられなくなっている。そのため、カードローンと、投資信託の販売に血道を上げている。もはやバンカーとは呼べなくなっています」(経済評論家・荻原博子氏)
「異次元緩和」は、弊害が大きすぎる。年金生活者と銀行員はよく、黙っているものだ。それに、企業が内部留保を100兆円も増やしているのに、「給料を上げろ」と声を上げないサラリーマンもおとなしすぎる。
安倍政権は「いざなぎ超えだ」とアベノミクスの成果を誇っているが、日本経済は、労働者の低賃金と長時間労働という犠牲の上に成り立っているのが実情である。この状況をつくった安倍政権が「働き方改革だ」「人づくり革命だ」と訴えているのだから、まさにブラックジョーク、欺瞞もいいところだ。
いずれ限界に達する異次元緩和 |
このまま「異次元緩和」をつづけていたら、日本経済も、庶民生活も、完全に破壊されてしまう。
大手メディアも、株価の上昇に浮かれている場合じゃないはずだ。そもそも、2万2900円という株価だって、黒田日銀が「爆買い」して、無理やり吊り上げただけの話である。日本企業の実態とは程遠い。日銀は年間6兆円もETFを買いつづけ、その結果、多くの上場企業の「大株主」になっている。
本来、日銀の役割は、物価を安定させることなのに、自らバブルを生み出しているのだから常軌を逸している。
日銀は「2年で2%」の物価上昇目標を掲げ、年間80兆円もの国債を買いつづけているが、いずれ、市場から買う国債がなくなり、限界に達するのは間違いない。早ければ、2018年の年末にも限界に達する可能性がある。
日本経済は東京オリンピックの2020年までは好景気がつづくとみられているが、2019年を待たずに瓦解する恐れがある。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)が言う。
「政府が発行する国債の8割を買っている日銀が購入をやめたら、その途端、国債が暴落し、金利が急上昇する可能性が高い。政府まで資金繰り倒産してしまう恐れがある。だから、日銀はやめたくてもやめられないのでしょう。しかし、米FRBや欧州中央銀行(ECB)が出口戦略に乗り出したように、永遠に国債購入はつづけられない。恐らく、もはや黒田総裁には打つ手がなく、行くも地獄、退くも地獄、あとは野となれ山となれという気持ちなのだと思います。それでも安倍首相は『この道しかない』と訴えているのだから国民をバカにしています」
生活が苦しくなる一方の庶民は、生活防衛に走り、モノが売れないスーパーは再び値下げ競争に走っている。
「いざなぎ超え」と「株高」に浮かれる安倍政権と大手メディアの姿は、醜悪である。
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— 桃丸 (@eos1v) 2017年11月11日
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