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二院制の有効機能求める「参議院改革」に意義はあるが… 国民が知っておくべき憲法基礎知識
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/217266
2017年11月9日 小林節 慶応大名誉教授 日刊ゲンダイ 文字お越し
小林節氏(C)日刊ゲンダイ
参議院の改革も、改憲のテーマとしてしばしば登場する。それは2つに大別される。まず、事実上、衆議院のコピーと化している現状の参議院は国費と時間の無駄であるから廃止せよ……という提案である。次は、二院制の意義として、衆議院が人口の代表であるのは当然として、参議院は「地方」代表院だと憲法に明記して、二院制を有効に機能させよう……という提案である。
後者は、各都道府県を対等に扱う考えであるから、参議院の選挙区選挙は人口差に関係なく都道府県単位で行われることになる以上、当然にあの不評の「合区」は解消されることになる。
ところで、参議院が衆議院のコピー化してしまうのは自然である。なぜならば、両院の合意がなければ原則として法律が成立しない以上、与党は両院の過半数の議席を得ようとするし、それは容易なことである。
加えて、結社の自由(の効果としての内部統制権)がある以上、各党が党議拘束をかけることも当然である。
その結果、衆議院で可決された法案が参議院に回付されても、参議院で同じ議論が繰り返され、同じ結論に至ることになる。だから、確かに国費と時間の無駄である。ここでは、参議院は、衆議院とは違った観点での「再考の府」としては機能していない。
二院制を真に有効に機能させようとするならば、各院に別々の背景と機能を与えなければならない。つまり、衆議院を人口比例の代表、参議院を各地方の代表とし、さらに、参議院議員には閣僚になる資格を与えなければ、衆議院議員中心の与党幹部の顔色をうかがわない議員たち(院)にすることができる。
これは、アメリカの二院制を参考にした、それなりに説得力のある提案である。しかし、これが近い将来、改憲の課題になることはないと思われる。
それは、第1に、日本の都道府県は、アメリカの各州がもともと独立した国家であるのに比して、歴史的にそれほど強い独立性を有するものではない。そして、第2に、今この問題を熱心に主張する者は、合区で被害を受けたと思っている政治家くらいである。だから、これが改憲の争点になることはないであろう。
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