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日米蜜月 芝居がかった北への挑発の裏に軍事オプション
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/217117
2017年11月7日 日刊ゲンダイ 文字お越し
この蜜月は危うい(代表撮影・JMPA)
「半世紀を超える日米関係で、首脳同士がここまで濃密に絆で結ばれた一年はなかった」
安倍首相がこう自賛すれば、トランプ米大統領も「両国の関係は特別なものだ。日米の指導者がこれほど緊密になったことはない」と持ち上げる。大本営報道のNHKが昨夜(6日)のニュースで〈シンゾー ドナルド 目立つ親密さ〉と見出しを付けていたが、まさに日米首脳会談後の記者会見は、2日間にわたる“政治ショー”の総決算だった。
会談で両者は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の政策を変えさせるためとして、「最大限の圧力」で完全に一致。「同盟の揺るぎない絆を示すことができた」「日米は百パーセント共にある」と強調し、会見途中に「ドナルド、本当にありがとう」とわざわざ英語で言葉を挟んだり、2人で顔を見合わせたりと、蜜月関係を見せつけた。
もっとも、両者の関係は、北への挑発だけでは済まなかった。
「安倍総理はこれからさまざまな防衛装備品を米国から買うことになるだろう。そうすれば上空でミサイルを撃ち落とせる」
「米国は世界最高の装備品を持っている」
トランプは会見で質問されてもいないのに、こう言い放った。
北への圧力と同時に「だから米国から武器を買え」と、日本へも圧力をかけたのである。そうすれば米国内の「雇用も増える」と“商売人”の顔までのぞかせたのだから、のけぞってしまう。
一体、何なんだ、これは。北への威嚇外交だとしても真面目に脅威に向き合っているのならまだしも、貿易赤字解消とセットで論じる話なのか。
■「武器を買え」は米国内向けアピール
だいたい、ゴルフにしても、晩餐会へのピコ太郎招待にしても、「最大限の圧力」をかけなきゃいけないほど北朝鮮情勢が緊迫しているとはとても思えないお遊びだ。北朝鮮による拉致被害者家族とトランプとの面会だって、問題の解決のためというよりショーの一環であり、人気取りのワンシーンだ。
それなのに大メディアは連日トランプ一色で大騒ぎ。特にNHKは、初日も2日目もベッタリ生中継し、安倍が寵愛してきた岩田明子解説委員がつきっきりで解説。昼は通常ニュースをほとんどすっ飛ばしてトランプの動向を流し、夜は晩餐会が終わりかけの迎賓館の外から記者がわざわざ生中継。さすがにやり過ぎだろう。
メディアが伝えるべきは、こんなバカげた狂騒ではない。北が沈黙を保つ中、支持率低迷の2人の首脳が、なぜここまで大々的に北への圧力をPRするのか。その真の狙いは何なのか、である。
国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「日米の一体化と北朝鮮に対する最大限の圧力を世界に向けて宣言した、ということですが、トランプ大統領は米国内ではロシア疑惑があり、捜査も着実に進んでいる。実は心穏やかじゃない。ですから、そうした苦境の打開策が北の危機の演出であり、今回、日本に『武器を買え』と迫ったのも、そうすることが米国内向けのアピールになるからです。日米一体化による北への圧力強化を、自らの政権維持のための道具に使っているのです」
それは安倍も同じだ。モリカケ疑惑で追い詰められていたのを逃れようと、北の脅威を利用して解散総選挙までやってのけた。選挙の勝利も「北朝鮮のおかげ」と政権ナンバー2の麻生財務相が口を滑らしている。
安倍とトランプ。2人の芝居がかった挑発には、手前勝手な「自己保身」が透けて見えるのである。
米国は有事を想定(写真は金正恩)/(C)コリアメディア=共同
日米同盟で日本が守られるのではなく戦争に巻き込まれる |
では「最大限の圧力」をかけて、それで北がひるむのか。
金正恩らは体制維持のために核やミサイル開発を進め、それをカードにしようとしているのだ。追い詰めればかたくなになって、逆に暴発しかねない。満州事変を引き起こして国連脱退に追い込まれた日本は、米国による経済制裁で燃料不足に陥り、真珠湾攻撃に突き進んだ。いま北朝鮮が置かれている立場は当時の日本そのものだ。
それは米国もわかっている。だから「軍事オプション」を用意しているのであり、トランプの共同会見での発言には「私たちは一緒に危険な侵略に立ち向かっていかねばならない」「戦略的忍耐の時代は終わった」と、圧力の先の軍事行動を思わせるものまであった。
前出の春名幹男氏がこう警告する。
「4日の読売新聞が米国の国家安全保障担当の大統領補佐官であるマクマスター氏の発言を載せていましたが、これが驚きの内容でした。見出しは意図的に〈対北有事 日韓と協議〉と柔らかくしていましたが、マクマスター氏は、北朝鮮を巡り、日韓と『軍事措置の可能性について話さなければ無責任だ』と発言しています。つまり、トランプ政権は有事を想定していると、ハッキリ言っているのです。『無責任』というのは、犠牲者が出る恐れについても、お互いに話し合っておく必要があるという意味でしょう。今回の安倍・トランプ会談で、軍事的措置について話し合われたはずです。日米同盟によって米国が日本を守ってくれると国民は思っているが、そうではなく、米朝の戦いに巻き込まれることになるのです」
なぜ日本が危険にさらされるのか。思い返して欲しい。
そもそも、休戦中の北朝鮮の敵は米国であり、日本は無関係だ。しかし、安保法制を成立させ、違憲の解釈変更で集団的自衛権の行使を容認したことで、安倍は自ら、日本を北の標的にしたのである。つまり、安倍が北の脅威を異常なほどあおり続けるのは、“壊憲”という暴力政治を正当化するためなのだ。
トランプと一体化して暴走はエスカレートし、その結果、本当にドンパチが起きかねないのが今の異常事態である。
マクマスター発言を受けて、読売は5日に「在韓邦人の退避策」について日米で協議すると報じた。米朝開戦が現実味を帯びてきたということなのか。だとすると、トランプ・安倍の蜜月演出は、いざとなれば日米の軍事行動に賛成させるための世論操作に見えなくもない。
■「これまでにない緊密関係」にいいことなし
イバンカフィーバーもそうだが、トランプが何を食べた、ファーストレディーのメラニア夫人が何を買った、とワイドショーが追っかけ回し、「シンゾー・ドナルド」の親密ぶりばかりを大メディアが熱心に報じることは、結果的に、日米の軍事一体化に加担し、狂乱政権に全面協力していることになるのである。安倍はトランプの威光をかさに着て、戦争国家への総仕上げにひた走る。9条改憲にも準備着々だ。
今回のトランプ訪日は、こうした裏側がある。国民は過剰な歓迎ムードにだまされない方がいい。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。
「ロシアとの関係など失敗ばかりの安倍外交で唯一成功しているのが米国との関係だと評価されていますが、私は違うと思っています。むしろ悪化し、ナメられている。トランプ大統領は米軍横田基地から日本に入りましたが、この光景を見て、『ああ、日本は属国なんだ。敗戦国なんだ』という現実を噛み締めました。安倍首相がトランプ一族に媚を売りまくっているのも日本の立場がしっかりしていない裏返しです。オバマ前大統領の時と比べても、日本がひとつの国として認められていないように感じました。そんなトランプ政権の米国と日本がこれまでになく緊密な関係になって、何かいいことがあるのでしょうか? 対日貿易赤字解消のために『武器を買え』と迫られ、集団的自衛権で米国の盾にさせられるのですよ」
かつてないほど濃密な関係、なんて喜んでいる場合じゃない。この国は確実に危うくなっている。
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— 桃丸 (@eos1v) 2017年11月7日
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