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安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある どうかこの公開書面を見てほしい
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53366
2017.11.02 山下 祐介 首都大学東京准教授 社会学 現代ビジネス
拝啓 安倍晋三殿
第98代内閣総理大臣ご就任おめでとうございます。
晴れやかなお気持ちの時に、このようなものを公開することに強い不快感を覚えられるかもしれませんが、なにとぞお許しください。
以前、あることで総理にお手紙を差し上げる機会がありましたが、総理の周辺からは「手紙は一切受け付けない」旨、きつくお叱りを受けましたので、今回はこのような形の公開書面にいたしました。
耳障りな言葉は周りの方が事前に遠ざけているようなので、やはり読んでいただくことはできないのかもしれませんが、私はそうした総理の周辺こそがこの国を危うい状況に導きつつあることを総理自身に理解して頂きたいと思っています。
それがこの手紙の主旨です。
私はある大学の人文社会学系の学部で、社会学を専攻し、研究・教育に携わるものです。
とくに現代農山村や都市の現状および、そこに暮らす国民の社会心理を読み解き、そこから日本の未来像を予測し、またできるだけよい方向へと進むべく政策のあり方を日々考えてきました。
世の中には様々な仕事があり、多様な職種が分業して社会は成り立っているのですが、徹底的に情報を集め考え抜くというのが私たちの仕事です。そしてその結果を、この国の政治リーダーにお伝えするのは私の責務だと思っています。
とはいえ、この場は商業誌の一角でありますから、読みやすさを重視して表現を柔らかくし、他方で多少の強い言葉も用いています。が、決して総理への批判で以下のような文章を書いたのではないことをご理解ください。私の誠心が伝わりますように。
なぜこの選挙に勝てたのか?
さて、自民党がなぜ今回の衆院選に勝てたのか。改めて分析をしておくことからこの長い手紙を始めたいと思います。
もちろん総理の周りでも十分に分析はなされていると思います。が、総理におもんぱかっておそらく周りから出ていない評価があると思います。
なぜこの選挙に勝てたのか。
もちろんそれは総理の読みの正しさです。希望の党が結成されて、野党には一時、自民を上回る票がいくのではとの状勢分析もありましたが、結局は当初の総理の読み通りになりました。
あなたはこの結果を国民の信任だとおっしゃいます。しかしそこには「不正」の臭いがつきまとっています。解散権の濫用の疑いがあるからです。
この選挙、今から振り返っても非常に卑怯だったと思いませんか。相手が風邪をひいたときに、自分はしっかりと準備をしておいて、いきなり「ヨーイ、ドン」と号砲を鳴らした、そういうレースです。
選挙というゲームの主催者が、自分に有利なタイミングでいきなりスタートを宣言できるのだとしたら、卑劣以外の何物でもありません。
それでも世論は、野党の準備不足をあげつらい、あなたの味方をしてくれました。ここには敗者をいたぶる庶民の妙な優越感がある気がしますが、これは本題とは関係ないので省きましょう。ともかく野党の準備不足は当たり前です。準備できないタイミングを見計らって与党が選挙をふっかけているのですから。
もうこんな選挙のやり方は封印しなければなりません。そしてすでにこれで二度目ですから、あなたにはこうしたことがもたらす国民意識への影響が分かっておられないのでしょうね。
「勝てばよいのだ」「ルールを悪用しても、勝って力を得ればそれが勝利なのだ」。そうした考えが庶民にはびこれば、あなたが振りかざしている権力そのものが維持できなくなるのですよ。
社会は人々がルールを守っていることでその秩序が保たれます。もし人々がルールをふつうに破りだし、あるいは自由に拡大解釈して自分の都合のよいように運用しはじめれば、社会そのものが成り立たなくなります。
為政者とは、人々にルールを提示し、納得させ、それを守らせる者のことです。あなたは国民にとって為政者です。
そのあなた自身が、ルールを拡大解釈して、利己的に活用することを国民の前で堂々とやり始めた。あなたは勝った負けたを強く意識するあまり、自分で自分の存在を否定してしまったのです。このことに気付かなくてはなりません。
卑怯な権力には、卑怯者がその周りをたむろします。卑怯者がたむろすれば、その権力からはまともな人間は遠ざかります。卑怯者の振る舞いには表と裏がありますから、あなたにはその卑怯さがよく見えていないかもしれません。
でもその裏では、あなたを蹴落として次の権力奪取さえ狙っている者がいるかもしれません。あなたはあなたの取り巻きこそ、警戒せねばなりません。
選挙のたびに遠ざかる人々
また、自民党を支持した国民の声にも注意が必要です。
あなたのところには、結果に浮かれて「安倍総理に頼っていれば大丈夫」という声が上がっているかと思います。
あなたを慕う人たちは、民進党(改選前)他の野党の敗北に「お灸を据えた」「よくやった」と、今回の結果に快哉をとなえて隠さない人もいるようです。
でも、そういう人々は、あなたにとって本当に大切な人々でしょうか。
選挙後も安倍内閣への支持率は低いままです。自民党に投票した多くは、私を含め自民党に入れたのであって、あなたを信任したのではありません。
しかしその自民党の内部でも、この結果を受けて、あなたにすり寄れば悪い目にはあわないだろう(選挙にとおりやすくなるだろう)と、そういう自己保身的な考えであなたの様子をうかがっている人が多そうです。
でもこういう人々は、あなたに都合のいいことは言っても、悪いことはいいませんね。
あなたを利用して私利を肥やしたり、保身をはかったりしているだけです。あなたが目指す「美しい国」は、こうした人たちを集めては決してできません。
あなたが本当に必要な人たちは、あなたから最も遠いところにいるようです。むしろ選挙のたびごとにどんどん遠ざかっているということを、知らなくてはいけません。
政策論争としての勝利か? 増税から見えるもの
今回の選挙を政策論争としてみたとき、希望の党や立憲民主党の掲げる政策の未熟さや不整合を批判するメディアがかなりありました。
でもこれも考えれば、過酷な選挙戦スタートを野党に強いたわけですから、政策論争が自民党に優位に働いたのは当然です。そしてこれも読み通りなのでしょうか。
なにより北朝鮮問題の使い方が選挙戦略としてすばらしかった。
偶然といってよいのか、その直前まで防衛省で問題を噴出させていた前大臣から、安定感のある小野寺大臣に交替していたことが、「外交は自民党でなくては」という意識をうみ、票に大きく反映したようです。
でも人々がそう思うのは当たり前です。北朝鮮の状況を前に、野党の勢力が整わないまま、そこに政権を委ねるべきだという馬鹿な国民はそういません。ですからこれもきわめて卑怯なやり方です。
他方でもちろん、そこには自民党への信頼感はあったと思います。でも勘違いしてはいけません。繰り返しますが、それはあなたへの信頼ではありません。自民党というこの国を代表する政党への信頼です。
しっかりとした政治家が自民党に集まるのも、「自民党」という立派な器があるからで、あなたに集まっているのではありません。この「自民党への信頼」を「安倍晋三への信頼」と読み誤ってはいけません。
ところで、あまり世間では問題視されていませんが、あなたが選挙で掲げた公約は、自民党内でしっかりと詰めて出て来たものではないようですね。それどころか党内発のものではないものが混じっていますね。
今回の選挙では、あなたは他党からの「政策泥棒」すらやりました。これはなかなか理解に苦しみます。それぐらい切羽詰まっていたということでしょうか。
今回の政策の目玉の一つは消費増税でした。それも国の借金返済に充てるのではなく、国民の社会保障にあてるというものでした。
これに対し、野党が次々と増税反対を掲げましたので何だか問題の核心がぼけてしまいましたが、本来、これは民進党が国民に提案する次の主要政策の中心にあったものです。
慶応大学の井出英策氏が提起した、目から鱗の秀逸な論理を下敷きに、民進党(とくに前原氏の周辺)が練っていたもののようです。関わっていた佐藤優さんも、あなたのこのやり方に疑義を唱えていると聞きました。
そして、野党第一党の政策が、与党の考えと一致するのなら国会で議論すればよく、本来は選挙をする必要などない論点です。
結局、野党は野党で増税反対を叫びましたから、あなたの読み通りこの政策を独占できました。
でも選挙が終わってみれば、民進党が練っていたこの増税=社会保障による財政・経済の好循環化という思い切った論理の転換はあなたの政策の中には残っておらず、その精神は骨抜きになってしまったようです。
それどころかやっぱり「経済優先」の「生産性革命」なんですよね。それでは何のために増税と社会保障を連動させるのか分かりません。経済優先なら、なぜ増税するのですか。あなたはこの政策提案の本当の意味が分かっていない。
あなたは、この国を立て直す、非常に重要な研究者発の重要な政策論点の提起を、ただ今回の選挙を正当化したいばかりに台無しにしてしまいました。
あなたが汚したことによって、この重要なアイディアを国民に分かってもらうためには、今後相当な努力が必要になってくるかと思います。この責任を感じてください。
政治は遊びではありません。そもそも増税は選挙で選ぶべきものではありません。本当に増税をするのなら、慎重に正しい判断で行われねばなりません。国民が嫌だといっても、しっかりとその必要を示し、理解をえなければなりません。
民進党が構築していた論理をあなたもしっかりと学び、国民にも伝えなくてはならなかったのです。そもそも増税を問うことは、あなたにとってどうでもよいことではなかったのかと、そういうふうにさえ思えてしまうのです。
法を守らない者に憲法改正をはかる資格ナシ
あなたの読み違えは、「憲法改正」派が野党からも多数立候補したことでしょうか。そしてこのこともまたあなたによい風を送りました。これで念願の憲法改正にたどり着きそうです。
でもあなたはこの点ではウカウカしてはいられないはずです。
逆に今回、妙に過激に憲法改正を訴える候補者が出てきたことから、かえって国民の間では警戒感が強まり、護憲を主張する立憲民主党の躍進につながったからです。そこであなたは立憲民主党抜きで国会の議論をやるようなことを示唆しはじめたと聞いています。
いやいやちょっと待ってください。憲法は一部の人たちのものではない。国民全員のものですよ。そもそも今の日本国憲法は国民自身で決めたものではないというところから、改憲の議論もあるのではないですか。
まさかと思うのですが、こういうことでしょうか。立憲民主党や彼らを支持している人々は国民ではないと。排除すると。
メディアの反発からでしょう、11月1日の記者会見では「与野党に関わらず幅広い合意を形成する」と後でとってつけたようにおっしゃいましたが、あなたの本音はそうなのでしょう。
そして、もしそういう意識が少しでもあるのだとすれば、あなたが自分の職責をどのように考えているのかを問わなくてはなりません。
あなたはふつうの人ではありません。内閣総理大臣であり、国の行政のトップです。あなたは国民全員に向き合う必要があるのです。排除の意識など、かけらでも持ってはいけない立場なのです。
でも私があなたの言論を聞いていて非常に恐ろしいと思うのは、あなたにしばしば排除の論理が見え隠れすることです。
私も「改憲の議論は必要なのでは」とは思っています。でもそれはあなたが考えているものとはだいぶ違うようです。実際、あるべき憲法の内容は、人それぞれに違うはずです。それを私たちはていねいに根気よく中身をつめていかねばなりません。
憲法は国民全体のものです。あなたやあなたに近い人の考えを押しつけてよいものではありません。国民投票も相当に慎重に進めなくてはなりません。
そして私には、こういう声が聞こえてきているのです。「憲法の見直しはよいが、この安倍政権の元での改憲だけは絶対に嫌だ」と。なぜそうなるのか、わかりますか。
あなたは私たち国民に憲法を守ることを強要しても、あなた自身は守るつもりはありませんね。まさしくこの選挙がそうだったのですから。
日本国憲法は、あなたが今回やったような恣意的な解散を認めるものではありません。憲法改正は、憲法を守らない人間が提案できるものではありません。
それとも「今の憲法を自分は認めてないから、守らなくてもよいんだ」と、そういうお考えなのでしょうか。ならば、あなたが作る新しい憲法も、国民が認めなければ守らなくてよい、ということになるのではありませんか。
要するにあなたは、国を司るものとして絶対にやってはいけない手を使ったのです。それも今回のことだけではありませんね。ルールを守らないということでは、このところずっとそうでした。
その上に君臨する権力は、国民を守るものにはなりえません。これは大変危険な権力です。この権力は緊急に解除し、あなたの職を誰かに明け渡さなくてはなりません。
あなたが今いる権力の城は非常に危ういものです。ルール無視を重ねたことで、あなたには、あなたの実力では統制できないほどの権力が集まっています。それどころか、すでに、暴走をはじめてしまったようです。
選挙前の約半年に起きたことだけでも考えてみてください。今手を打たなければ、暴走は暴走をよび、これからさらにエスカレートすることになるでしょう。
そうした過剰権力のもつ危うさを知る大事な警告が、この選挙のきっかけとなった加計問題の発覚でした。しかし何かを軌道修正する大事な機会だったこの事件を、あなたは自分のプライドを優先させて、握りつぶしましたね。
あなたは自分の正義を、国家の安定よりも上位におきました。しかもそれをあなたの周りの誰もとがめず、その重要な警告の意味をあなたは意に介してもいないようです。
(つづく)
全くその通りだと思う。⇒[必読!]【(山下祐介氏)安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある】 https://t.co/cYzPlCy98Y #現代ビジネス
— 郷原信郎 (@nobuogohara) 2017年11月2日
本当にその通り。彼らに正義は無い。今後の彼の良心を期待したい。 安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある どうかこの公開書面を見てほしい https://t.co/FVC5BPZ4He #スマートニュース
— ひで (@hide15820922) 2017年11月1日
この手紙読んでて涙が出ました。安倍は理解出来るのだろうか?
— meruro「#巨悪対市民」小説に! (@meruro4) 2017年11月2日
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— twcdbv (@tvwcdbv) 2017年11月2日
「選挙というゲームの主催者が、自分に有利なタイミングでいきなりスタートを宣言できるのだとしたら、卑劣以外の何物でもありません。」
“あなたは、この国を立て直す、非常に重要な研究者発の重要な政策論点の提起を、ただ今回の選挙を正当化したいばかりに台無しにしてしまいました。” / “安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある(山下 祐介) |…” https://t.co/tVTmma3Iu8
— stratosphere (@stratos1976) 2017年11月2日
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— twcdbv (@tvwcdbv) 2017年11月2日
憲法は、あなたか今回やったような恣意的な解散を認めるものではありません。憲法改正は、憲法を守らない人間が提案できるものではありません。
安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある https://t.co/BJ0PYu1Oln
— twcdbv (@tvwcdbv) 2017年11月2日
ルール無視を重ねたことで、あなたには、あなたの実力では統制できないほどの権力が集まっています。それどころか、すでに、暴走をはじめてしまったようです。
安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある https://t.co/BJ0PYu1Oln
— twcdbv (@tvwcdbv) 2017年11月2日
あなたは自分の正義を、国家の安定よりも上位におきました。しかもそれをあなたの周りの誰もとがめず、その重要な警告の意味をあなたは意に介してもいないようです。
安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある…
— 若木美枝子 (@t0SCWDiegaDYXdD) 2017年11月2日
今回の選挙は民意が反映されていません。自民党と言うより安部総理に不信感が漂いニュースを見ても安部総理の顔がアップすると耐えられずチャンネルを変えてしまいます。更に党内からも何か助言がないのか不思議です。
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