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カメラが捉えた大義と言い訳 〜 民主主義を諦めなかった人たち
http://tanakaryusaku.jp/2017/10/00016865
2017年10月28日 13:48 田中龍作ジャーナル
「かけかくしかいさん」だったのに、選挙ではあまり争点にならなかった。まんまと安倍自民の土俵に乗った野党が未熟だったのか。=10月19日、都内 撮影:筆者=
「最後の最後までやろう」。市民勝手連のリーダーは仲間に言い聞かせるように声をかけた。皆、四方八方に散って候補予定者のチラシ配布にかかった。北海道の秋風は、素手をかじかませるに十分な冷たさだった。
民進党がこぞって希望の党に行く、とされていた頃だった。市民勝手連は「護憲」で集まってきた人たちから成る。支援してきた候補予定者が希望の党に行けば、関係は終わってしまう。これまでの努力も水泡に帰す。
それでも勝手連の人々は望みを捨てずに選挙支援を続けた。悲壮と決意がないまぜになった彼らの顔は、今でも田中の網膜に焼き付いている。
民進党・北海道連は、全国に先がけて「希望の党には行かない」ことを決めた。田中が勝手連のチラシ配布を取材した日の午後のことだった。
安倍晋三候補の出陣式を偵察する黒川敦彦候補と山本太郎議員。2人はこの後、敵陣に“奇襲”をかける。詳しくは写真集で。=10月10日、下関市 撮影:筆者=
25日、衆院議員会館であった希望の党・両院議員懇談会。会場に入ってくる民進党出身議員たちの顔に晴れがましさはなかった。
ファインダーから見る彼らは明らかに卑屈だった。強がりだろうか、薄ら笑いを浮かべる議員もいた。
「大義は我々にある。全員で希望に行くという(民進)党の決定に従ったのだから筋が通っている」。樽床代表代行はイケシャアシャアと言った。開き直った表情だった。
選挙で生き残るためには仕方がなかったんです、と言い訳した方が清々しい顔だっただろうに。
ネトウヨと警察が「アベ辞めろ」を徹底的に封じ込めた。安倍政権が続くとこうした光景は日常化するのだろうか。=10月21日、秋葉原 撮影:筆者=
「権力者をしばるために憲法はある」「働く人がちゃんと暮らしていけるようにするのが政治の役割」・・・立憲民主党を立ち上げた枝野代表の演説はどこへ行っても聴衆を唸らせた。
当たり前のことを話しているだけなのだが、当たり前が通用しなくなった世の中で、枝野演説は新鮮な響きを与えた。
各地の会場では、地獄で仏を見たかのような表情で聞き入る青年が少なくなかった。非正規労働者なのだろうか。
選挙が終わってそろそろ一週間が経つ。敵失で大勝した安倍自民は、国会で野党の質問時間を削減するという。独裁の暗雲がどっぷりと垂れ込めて来たようだ。
「それでも民主主義をあきらめない」。大義を掲げて選挙を戦った候補者、選挙事務所スタッフ、市民勝手連・・・彼らの顔を思い起こすたびにこの言葉が聞こえてくる。
『【総選挙・写真集】大義を貫いた候補者たち』 をぜひ御覧ください。
〜終わり〜
【総選挙・写真集】大義を貫いた候補者たち
https://note.mu/tanakaryusaku/n/n97e6c6a5e5d5
2017/10/26 23:43 田中龍作
解散総選挙が安倍首相の「かけかくし」にあることは、誰の目にも明らかだった。独裁者に対する国民の不信感は極まっていた。安倍一強を倒す千載一遇のチャンスが訪れた。しかも野党の大きな塊(かたまり)ができつつあった・・・狙いすましたかのように出現した希望の党の分断工作にさらされながらも、大義を貫いた候補者たちの選挙戦を田中龍作のカメラが追った。
独裁に抗しようとした候補者と市民の熱い選挙戦・・・
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) 2017年10月28日
『カメラが捉えた大義と言い訳 〜 民主主義を諦めなかった人たち』https://t.co/XKOfLHauQw
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