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絶望の改憲大政翼賛会…歴史の分岐点で暗黒に転落<下>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/216124
2017年10月23日 日刊ゲンダイ
野党再編の中核に(C)日刊ゲンダイ
野党第1党に躍り出た立憲民主主導の野党再編に一筋の光明 |
立憲民主党が野党第1党になったことは、野党再編を描く上で一筋の光と言える。もし、野党第1党が希望の党だったら、野党はバラバラとなり、自民党の対抗勢力も消えてなくなっていたに違いない。
前出の野上忠興氏がこう言う。
「当選のバラ付けで、安倍首相の冷めた表情が印象的でした。立憲は安倍首相による改憲は絶対反対で、反安倍の軸がハッキリしている。結束力がイマイチだったこれまでの野党第1党の民進党とは違います。ブレない明確な敵が出てきたということで、安倍首相はさぞ憂鬱でしょう。立憲の枝野代表は世論の支持を得てカリスマ的な人気になっている。これが求心力となって、立憲を中心にもう一度、野党の大きな固まりができていくと思います」
実際、無所属で出馬した岡田克也元民進党代表は、選挙期間中から、「野党がきちんと協力できる態勢をつくり、将来、大きな固まりにならないといけない」と語っていた。当選した民進系無所属は22人。岡田や江田憲司元代表代行などベテランが多く、院内会派をつくる見通しだが、立憲との統一会派を組む可能性が高い。
参院民進党についても、小川敏夫会長は「自民党に対抗するリベラル勢力の結集」を主張し続けている。少なくとも参院民進が丸ごと希望に移ることはなく、立憲と連携する可能性が高い。そうなれば、希望からの離脱組もこうした流れに加わることになるだろう。いずれにしろ、立憲民主党が野党再編の中核になるのは間違いない。
「立憲、無所属、民進参院、希望からの出戻りで民進党の再結集が進むことになるでしょう。以前の少し幅の広過ぎる民進党から、政策的に自民党寄りの細野さんたちが先に出ていったことで、自民党に対峙する『保守・リベラル系』の固まりがまとまりやすくなった。これに社民党なども加わるのかどうか」(鈴木哲夫氏=前出)
北海道や新潟での野党の善戦で、受け皿が1つになれば自公に勝てることは証明された。次こそは、である。
「電波停止」にまで言及した高市前総務相(C)日刊ゲンダイ
与党大勝世論調査で安倍にすり寄った大メディアの犯罪的腐敗堕落報道 |
こんな絶望的な選挙結果になった責任は、腐敗堕落した大メディアにもある。モリカケ疑惑では、朝日新聞などは徹底追及の姿勢だったのに、今回の選挙戦では安倍政権への批判を控え、消費税や改憲についての「候補者アンケート」など“客観報道”に終始していた。
他紙も各党の政策のちょっとした違いにばかり焦点を当てていたが、冗談じゃない。今回の選挙は「安倍暴政をこれ以上、続けさせていいのか」――そこが最大の争点だったはずだ。5年間の安倍暴政を書き連ね、「これでいいのか」と報じるべきなのに、腰砕けもいいところだ。
それもこれも、突然の解散で野党が右往左往し、希望の党の出現、立憲民主党の誕生で野党が分断され、「安倍1強」が続くという予想が出てきたからだ。「この政権は倒れない」と踏んだからこそ、大手メディアは政権批判から一転、“忖度報道”に切り替えたのだろう。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「大手メディアは、失言した人や不倫した人など、『水に落ちた犬』は徹底的に叩くのに、強力な相手に対しては顔色をうかがう。多くのメディアが選挙後になって、コメンテーターにモリカケ問題や突然の解散について批判的な論評をさせていますが、順序が違うでしょう。巨大な権力に問題があると分かっているなら、選挙前に徹底的に報じるべきです。それができなければ、メディアの役割放棄に等しい。自ら首を絞めているようなものです」
この5年間、安倍政権は平然と言論弾圧を繰り返してきた。選挙報道の放映時間が「野党偏重」だとか、アベノミクス批判ばかりだなどと難癖をつけ、NHKの会長人事にまで手を突っ込んでいる。高市早苗総務相(当時)は「電波停止を命じることができる」とまで口にする始末。その結果、政権に批判的なコメンテーターは、番組から一掃されてしまった。
おかげで、「報道の自由度ランキング」で日本は、2012年の22位から72位にまで急降下。メディアは本来、権力の横暴に立ち向かうべきなのに、安倍ヨイショなど狂気の沙汰だ。こんなメディアは早晩、有権者から見放されるだろう。
「強行採決」連発の暴政が続く(C)日刊ゲンダイ
4年間の白紙委任状を得た暴力政権が加速化させる国民弾圧 |
この先4年間、安倍が強権政治を強めてくるのは間違いない。「安倍1強」があと4年続いたらどうなるか。この半年間を振り返るだけでも明らかである。
とんでもないのは、野党が憲法53条に基づいて臨時国会の召集を要求したのに、3カ月も棚ざらしにした揚げ句、臨時国会を開いた途端、一切審議せずに解散したことだ。議会制民主主義の国で野党が手続きに従って要求したのに、国会を開かないのはあり得ないことだ。東南アジアの独裁国家と変わらない。
大手メディアはほとんど問題にしなかったが、憲法53条は少数野党に与えられた極めて重要な権利である。その権利を蹂躙したのは、安倍政権が初めてだ。
「恐らく安倍首相は、選挙で多数を得たら、何をやっても許されると考えているのでしょう。ホンネでは法律も予算も国会で決めず、官邸が決めればいいと思っているのだと思う。民主主義をどう考えているのか、安倍首相の“憲法観”に如実に表れています。本来、憲法は国家権力を縛り、国民の人権を保障するものです。それが立憲主義です。ところが、安倍首相は『立憲主義は絶対王政時代に主流だった考えだ』と発言している。自分は憲法に縛られるつもりはない、ということでしょう」(政治学者の五十嵐仁氏)
権力者がルールに従わなくなったら、民主主義は成り立たない。安倍が恐ろしいのは、民主国家のトップなのに、自分に従う者には褒美を与え、逆らう者には刃を向けることだ。当初、森友学園の理事長だった籠池泰典氏のことを「素晴らしい教育者」と持ち上げていたのに、自分に盾突いた途端、人格攻撃を加え、容赦なく証人喚問している。とうとう、籠池氏は逮捕されてしまった。
総選挙で圧勝したことで「安倍1強」が強まるのは確実である。自民党の中で逆らう者はいなくなるだろう。
完全な独裁者となった安倍。有権者は4年後、「なぜ、あの時、自民党を勝たせてしまったのか」と白紙委任状を渡したことを後悔するはずだ。
黒田日銀続投の可能性が高い(C)日刊ゲンダイ
狂乱のアベノミクス継続で日本経済は焼け野原 |
安倍自民党は「就業者数185万人増加」「若者の就職内定率過去最高」など華々しいデータをアベノミクスの成果として並べ立て、「加速させる」とブチ上げた。しかし、国民生活は悪化の一途をたどっている。
安倍が宣伝した「雇用の改善」で増えたのはほとんどが非正規雇用だ。
成果として自慢した「正社員有効求人倍率、初の1倍超え」にしたって、「介護」など離職率の高い職業ばかり。しかも労働者の実質賃金は年間10万円も減ってしまった。最高値を連日、更新している株価だって、「官製相場」によって上がっているだけの話だ。
実際、好景気を実感している国民はほとんどいないはずだ。
経済評論家の斎藤満氏が言う。
「自民党が実績として掲げた中でも噴飯ものだったのが『名目GDP50兆円増で過去最高』です。名目GDPが50兆円増加したのは、消費税を5%から8%に引き上げた影響が大きい。第2次安倍政権で、物価上昇の影響を名目値から差し引いた実質GDPの増加率は年平均1・4%に過ぎません。年平均1・6%だった民主党政権時を下回っています。経済指標を都合良く悪用したも同然で、まるでフェイクニュースですよ」
庶民の暮らしがカツカツになる一方で、大企業は肥え太った。5年間で企業の内部留保は100兆円以上も増加。しかも選挙で大勝した安倍政権は大企業のリクエストに従って、今後、クビ切り自由化や残業代ゼロ法案を推し進める方針だ。
「危惧されるのは、自公圧勝によって黒田日銀の続投の可能性が高まったことです。恐らく来年4月の総裁人事で、安倍首相は政府の意のままに国債を買い上げてくれる黒田総裁を再任させようとするでしょう」(斎藤満氏=前出)
今年6月、日銀の国債保有額は初めて500兆円を突破。異次元緩和前から3倍強に増え、GDP比で9割超の水準にまで膨らんでいる。
短期間のはずだった異次元緩和をいつまでも続けられるわけがなく、いずれ破綻するのは目に見えている。
続投で黒田総裁があと5年も日銀に居座ったら、日本国債の信用は地に落ち、超インフレの形で国民にツケが回ってくる。
有権者は最悪の選択をしてしまった。
絶望の改憲大政翼賛会…歴史の分岐点で暗黒に転落<下> https://t.co/OPinKhJ0Q6 結束力がイマイチだったこれまでの野党第1党の民進党とは違います。ブレない明確な敵が出てきたということで安倍はさぞ憂鬱でしょう。立憲の枝野代表は世論の支持を得てカリスマ的な人気。
— ⌡∅2☮UntiEarthUtdGovt (@jonny_rayden) 2017年10月23日
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「続投で黒田総裁があと5年も日銀に居座ったら、日本国債の信用は地に落ち、超インフレの形で国民にツケが回ってくる。」
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…絶望的な選挙結果になった責任は、腐敗堕落した大メディアにもある。
…安倍政権への批判を控え…政策のちょっとした違いにばかり焦点を当て…
日刊ゲンダイ|絶望の改憲大政翼賛会…歴史の分岐点で暗黒に転落<上>https://t.co/zXpvXOYUr7金子勝・立正大名誉教授「有事の際に自衛隊が米軍の指揮下に入ることは、すでに65年も前から『指揮権密約』によって決まっています。朝鮮戦争の最中の1952年…」 pic.twitter.com/h2V6K5hBkV
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《有権者は最悪の選択をしてしまった。》
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冗談でも誇張でもなく、大政翼賛化は目の前に迫っている危機です。80年前とはそりゃあ違う展開を見せるでしょうが、暴走の危険性は変わらない。>
— 川流桃桜@核は違法化! (@kawamomotwitt) 2017年10月23日
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「権力者がルールに従わなくなったら、民主主義は成り立たない。安倍が恐ろしいのは、民主国家のトップなのに、自分に従う者には褒美を与え、逆らう者には刃を向けることだ
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