2017年10月16日(月) 安倍改憲許さぬ審判を NHK 笠井政策委員長が主張 日本共産党の笠井亮政策委員長は15日、NHK「衆院選特集」で、自民党が総選挙公約の重点項目に改憲を掲げるなかで、「安倍政権による憲法9条改憲許さないという審判を下していきたい」と訴えました。 (詳報) 笠井氏は、自衛隊を憲法に明記する安倍9条改憲について、「戦力をもたない、そして、交戦権を否認する憲法9条2項が空文化、死文化し、無制限の海外での武力行使に道を開くことになる」と指摘。さらに「憲法違反の安保法制を合憲化し、戦争する国づくりを憲法で位置付けるということになる」と強調しました。 自民、希望の党、日本維新の会は9条改憲で「公約の中にできるだけしっかりと目立つ形で憲法の問題を説明する」(自民・岸田文雄政調会長)「大いに進めたい」(希望・後藤祐一公約担当責任者)「必要だ」(日本維新・浅田均政調会長)と主張。一方、立憲民主党の福山哲郎幹事長は「違憲の安保法制を追認する9条の改憲には反対」と述べ、社民党の吉川元政策審議会長も改憲反対を主張しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-16/2017101601_03_1.html 2017年10月16日(月) NHK「衆院選特集」 笠井政策委員長の発言 日本共産党の笠井亮政策委員長は15日放送のNHK「衆院選特集」に出演し、与野党幹部と総選挙政策について討論しました。 冒頭、各党代表が選挙戦の手応えについて発言。笠井氏は「戦争法や秘密保護法、共謀罪など憲法をないがしろにし、国政を私物化し、国民の声を聞かない『安倍政治にはさようなら』と訴え、強い手応えを感じている」として、「安倍政権への退場の審判は『市民と野党の共闘で、ぶれない日本共産党で』と強く訴えていきたい」と語りました。 格差と貧困広げるアベノミクスをただす 安倍政権の経済政策(アベノミクス)について、自民党の岸田文雄政調会長は「企業の収益、雇用、賃金さまざまな数字で成長の果実は感じられる」と“成果”を強調。公明党の石田祝稔政調会長も「効果はでている。株価が2万1000円台だ」と語りました。 笠井氏は「最大の問題は国民の暮らしがどうなったかだ」と指摘。実質賃金が年10万円減で家計消費は1世帯あたり22万円下がる一方で、大企業の内部留保は400兆円超で超富裕層上位40人の資産は2倍になったことをあげ、「アベノミクスが格差と貧困を広げた。これをただす経済政策が必要だ」と強調しました。 また、税金の集め方について、大企業や富裕層などに応分の負担をしてもらうことを提起。内部留保は働く人1人当たり年200万円も積み増されていることを示し、「この1割、2割でもまわせば、(月)2万円の賃上げができる。1%の大金持ちや大企業より、99%の国民のための政治をつくることが必要だ」と主張しました。 消費税10%への引き上げは家計・経済を破壊 消費税率10%への引き上げについて、自民・岸田氏は社会保障の充実などに使っていく考えを述べました。 これに対して笠井氏は「消費税10%への増税はきっぱり中止すべきだ。8%への大増税で消費不況が続く状況の中で10%にしたら家計も経済もめちゃくちゃになる」と指摘。大企業に4兆円、富裕層に1兆円もの優遇税制を実施していることにふれて「これをただせば5兆円でてくる。消費税2%分だ。これを財源にして教育や社会保障に(予算を)使うべきだ」と語りました。 笠井氏はまた、安倍首相が国会審議で大企業に賃上げを求めると言いながら成果が上がっていないことにふれて「経済の改革を通じて、(大企業の内部留保が)賃上げや下請け単価にきちんと振り向けられるようにすることが大事だ。政治の転換が一番求められている」と主張しました。 原発・エネルギー問題について問われた笠井氏は、「最大の焦点は原発の再稼働を認めるかどうかだ」と指摘。東電の福島第1原発事故ではいまだに6万8千人が避難生活を送っていること、再稼働すれば処理できない「核のゴミ」(使用済み核燃料)が出続けることを批判しました。 原発ゼロと言いながら再稼働容認は論外 原発稼働ゼロでも電力は足りたことは証明され、生業(なりわい)裁判の判決でも国の責任が断罪されたと指摘し、「原発ゼロを言いながら再稼働を認めるのは論外だ。再稼働はきっぱりやめて、原発ゼロの日本をつくる。2030年までに電力の4割を再生可能エネルギー(再エネ)でまかなう。その上で省エネと節電の徹底を掲げ、再エネの大量の普及を図る道を進んでいく」と述べました。 岸田氏は「再稼働については世界最高水準の安全基準を当てはめたうえで、安全を確認しながら考えていく」と答えたのに対し、社民党の吉川元政策審議会長は「世界最高の安全基準というが、自らがそれを言っているだけだ」と指摘。笠井氏も「最高水準の基準というが、避難計画すら入っていない。再エネも、発展を妨げているのは原発にしがみついている政策だ」と批判しました。 憲法をめぐる問題で笠井氏は、憲法への自衛隊明記は、憲法9条2項が空文化、死文化することであり、安保法制=戦争法の合憲化につながると批判しました。「戦争する国づくりを憲法で位置づけるということがいかに危険か。安倍政権による憲法9条改憲許さないという審判を下す」と指摘しました。 また、北朝鮮への対応について「経済制裁の強化と一体に対話による平和的解決に進むべきで、安倍政権のように対話を否定し、トランプ大統領の『軍事も含む選択肢』を全部支持するのではだめだ。根本的に改めるべきだ」と強調しました。 笠井氏は、沖縄県の翁長雄志知事が米軍ヘリの事故を「国難」と指摘したことに触れ、沖縄で県民の声を無視して米軍新基地建設を強行する姿勢や、森友・加計学園の疑惑を隠し続ける安倍政権を批判。「丁寧に国民の声を聞くというが、やっていることは全く逆だ。選挙が終わったらまた同じ政治を続けることはぜったいに許されない。市民と野党の共闘、日本共産党の躍進でストップをかける」と語りました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-16/2017101605_02_1.html
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