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よくぞ気がふれないものだ 希望の候補者たちの選挙運動
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/215383
2017年10月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
最高の働きぶり(C)日刊ゲンダイ
公示後、選挙運動が本格化しているが、街頭でマイクを握る希望の党の候補者は一体、どんな気持ちなのだろう。
衆院解散の日、民進党の前原代表が「どんな手段を使っても安倍政権を倒す」と言って、希望との合流を決めた時には、政権交代もあるのではないかと一瞬、世論が沸き立った。野党が結集し、傍若無人の安倍政権を倒す。相手は憲法すら無視する政権なのである。何しろマトモじゃないのだから、正攻法で倒すのは難しい。出来たての新党に野党第1党の民進党が合流するという奇策は、それこそ“希望”の光にも見えたものだ。
ところが、希望の小池代表は、憲法改正や安保政策の踏み絵で民進党出身者を選別。野党共闘も分断され、すっかり雲行きが怪しくなってしまった。
「憲法観や安保政策において、小池氏と安倍首相は、ほぼ一致している。それは党首討論などで本人も認めています。今や希望の党が自民の補完勢力であることは誰の目にも明らかですが、安倍政権へのアシストでいえば、野党共闘を潰したことが何より大きい。野党が結集して共産党とも選挙協力し、森友・加計学園疑惑を徹底追及すれば、公示日には安倍首相の退陣が確実になっていた可能性が高いのです。ところが現実は、希望の党がフラフラして有権者を惑わしているうちに、安倍政治の是非という選挙の争点はかき消され、野党は乱立し、結果的に安倍自民を助けている。しかも、公示日までテレビは小池氏の動向一色で、森友・加計は吹っ飛んでしまいました。安倍首相は今頃、高笑いでしょう」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
■希望への期待感は急激に失速
当初「100議席以上は堅い」とみられていた勢いはどこへやら、報道機関の世論調査では、希望の獲得議席は50前後なんて予測数字も出てきている。そうなると、自公が過半数割れすることもなく、ただ民進が分裂しただけという選挙結果になりかねない。
「希望の党の失速は、小池氏の支持率と連動しています。この2週間で小池氏に対する期待感は急速にしぼみ、支持率が大きく下落しました。まず、小池氏が民進党の全員を『受け入れる気はさらさらない』と言って、排除の論理を振りかざしたことが致命的だった。都知事選、都議選では悪の自民党にひとりで立ち向かうジャンヌ・ダルクのイメージだったのに、マリー・アントワネットか女ヒトラーかという悪役に変わってしまい、特に女性票が離れています。そんな小池氏に屈服し、自分が当選するために政治信条もなげうって、民進党から希望の党に移った候補者にも批判の目が向けられつつあります」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
小池の踏み絵に異論があっても、党代表が決めたことだからと従った人もいるだろう。これまで「憲法違反の安保法には反対」「人権を侵害する共謀罪は廃案」などと訴えてきたのに、今後は小池が押し付ける正反対の主張をするという理不尽な条件をのんだのも、政権交代という目的があってこそ、だったはずだ。その大義が失われてしまった今、希望の党の政策を訴える演説なんかしていて、民進党出身者はむなしくないのか。何の葛藤も感じないのか。もともと保守思想に固まっていた確信犯は別として、よくぞ、大真面目な顔で選挙運動を続けられるものだ。
合流先に希望はなかった(C)日刊ゲンダイ
政治家の野心のために有権者がないがしろにされた |
高圧的な小池の「排除の理論」に反発して立ち上がった立憲民主党が支持を集めているのも、「主義主張を貫いた」ように見えるからだ。民進党が内包していた理念の違いによる足並みの乱れをスッキリさせたことは、小池の功績と言えるかもしれない。だが、リベラル勢力が躍進し、議席を伸ばしたところで、自公の安定多数を崩すには至らない。そこが、この選挙の不毛なところだ。
「世論調査では、安倍内閣は今も不支持率の方が高い。現政権に不満を持っている人は多いのです。それなのに、小池氏は選挙後に自民と大連立の可能性も隠そうとしなくなり、希望の党は、有権者が政権に対する『NO』を意思表示する受け皿ではないことが分かった。希望と民進のゴタゴタは政治不信を加速させただけで、このままでは投票率も低下するでしょう。戦後最低だった前回選挙の52・66%を下回る可能性もあり、そうなると、ますます組織票の自公に有利になります。小池氏にしても、希望の党に移った民進議員にしても、彼らの野心のために有権者がないがしろにされてしまった格好です」(山田厚俊氏=前出)
審判を受ける立場のはずだった安倍は、余裕の表情で野党批判に精を出している。
8日のインターネット番組では、多くの候補者が民進から希望に移ったことを「食中毒を起こして、看板を替えればいいというものではない」と揶揄。女性活躍だ、地方創生だ、1億総活躍だ、人づくり革命だ……と看板のかけ替えばかりで何ひとつ成果を出していないのは誰なのか。
森友・加計疑惑にしても、解散時には「選挙戦を通じて国民に丁寧に説明をしていく」とか言っていたくせに、街頭演説では触れずじまい。そこを党首討論で突っ込まれると、「15分の街頭演説では他に話すことがたくさんあるから、森友・加計は国会で説明する」と言い出した。こんなデタラメがまかり通り、選挙にも勝てそうなのだから、安倍自民は笑いが止まらないだろう。
■国会と聴衆から逃げても楽勝
安倍は都議選最終日の秋葉原演説で聴衆から「辞めろコール」をされ、「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と逆上した結果、大敗したことがトラウマになっているという。それで当初は遊説日程を公表しない“ステルス作戦”を敢行していたのだが、それでも事前に日程が漏れれば、「国難来たる」「Aアラート」「会いに行ける国難」などというハッシュタグとともにツイッターで拡散され、「こんな人たち」が集まってくる。
苦肉の策が公示日の第一声だった。各メディアに映し出されたのは、稲穂が実る田園風景をバックに演説する安倍の姿。違和感を覚えた人も多いのではないか。
「演説会場になった福島市の『踊る小馬亭向かい広場』は、喫茶店『躍る小馬亭』が所有する私有地で、入場が許可されたのは約300人の自民党後援会関係者だけでした。会場に支援者しかいないので、総理の演説は拍手に包まれ、混乱もなく終わりましたが、地元の一般有権者は会場に入れなかった。せっかく総理が来るなら、できれば市内の中心部で大々的にやってほしかったですよ。演説中にヤジが飛んだり、『お前が国難』というプラカードを掲げられるのがテレビに映されないように安全な場所を選んだのでしょうが、人が集まらない方がいいという態度では、何のための応援演説なのかと思ってしまいます」(地元の自民党関係者)
国会からも聴衆からも逃げ回る御仁に首相が務まるとは思えないのだが、希望の党がおかしなことになってしまったおかげで、自民が逃げ切り、安倍が首相に居座る展開が現実味を帯びてきたわけだ。
前出の金子勝氏が言う。
「希望の党が失望に終わるだけならまだいいが、これで安倍1強が補強され、選挙後には自公希維の改憲翼賛政治なんてことになれば絶望的です。民主主義も基本的人権も葬り去られるでしょう。戦前回帰をもくろむ保守界隈からすれば、この選挙戦で小池氏の希望の党は最高の働きをしたわけです」
後になって、この選挙が転換点だったと国民も気づくのかもしれない。民主主義の破壊者として歴史に刻まれることになる希望の党の候補者は、果たして正気でいられるのか。
よくぞ気がふれないものだ 希望の候補者たちの選挙運動 https://t.co/azcu5VjWNi #日刊ゲンダイDIGITAL
— kmokmos (@2015_0919_0218) 2017年10月12日
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