衆院選第一声 共産党・志位和夫委員長「共闘の力で政権を倒す」 10/10(火) 14:12配信 共産党の志位和夫委員長10日午前、東京都内で衆院選の第一声を上げ、「市民と野党の共闘の力で政権を倒し、新しい日本をつくろう」と訴えた。第一声の詳報は以下の通り。 いよいよ総選挙が始まった。今度の総選挙は安倍(晋三)政権を退場に追い込む歴史的なチャンスの選挙だ。日本共産党は政党を選ぶ比例代表選挙で850万、15%以上獲得し、小選挙区でも議席を大きく伸ばすために頑張り抜く決意だ。 この総選挙の最大の争点どこにあるか。ずばり安倍暴走政治をこのまま続けていいのか、ここにある。安倍自公政権がこの5年間やってきたことは何だったか。 憲法をこれだけないがしろにしてきた政権はかつてない。「安保法制」「秘密法」「共謀罪」、憲法違反の法律を次々と数の暴力で押し通してきた。権力が憲法を無視して暴走をはじめている。ならば国民の手でこの暴走を止めようではないか。憲法違反の3つの法律、そろってきれいさっぱり廃止して、憲法を守るまっとうな政治を取り戻そうではないか。 国民の民意をこれほど乱暴に踏みつけにしてきた政権はかつてない。いろいろあるが、最悪の表れが沖縄に対する強権政治ではないか。 沖縄県民が選挙で繰り返し、繰り返し辺野古の新基地建設は許さないと圧倒的審判を下しても、それに耳を傾けず、強権に次ぐ強権で新基地建設をごり押ししようとしている。こんなことは民主主義の国で許されるものではない。 私は訴えたい。沖縄の問題は日本国民みんなの問題だ。沖縄県民と連帯して新基地建設は中止を。この審判を下そうではないか。 そして暴走政治の行き着く果てが森友、加計疑惑。こんな国政私物化疑惑にまみれた政権も戦後かつてない。安倍首相夫妻のお友達なら国有地が特別に値引きされる。獣医学部の新設に特別の便宜が図られる。こんなことが許されたら日本は法治国家ではなくなってしまう。絶対にあいまいにできない。 昨日深夜のTBSの党首討論で私、安倍さんに聞いた。安倍さんは解散表明の際に、この選挙戦の中でもこの疑惑について丁寧に説明すると約束した。だったら今日の第一声で、ちゃんと「モリカケ」についても話しなさい、こう言ったが、安倍さんの答えは第一声は15分しか時間がない、ほかにも大事な問題があって「モリカケ」について話す時間はありませんといった。 あくまでだんまりで押し通そうとしている。ならば皆さん、新しい国会でやろうじゃないか。新しい国会に安倍昭恵さん、出てきてもらおうじゃないか。加計孝太郎さんにも出てきてもらおうではないか。新しい国会で疑惑の徹底究明を行う。そのことをお約束したいと思う。 安倍首相は今度の解散を国難突破解散といっている。私はいいたい。安倍晋三さんが首相に居座り続けることこそ、日本にとっての最大の国難ではないか。もうお引き取り願おうではないか。日本共産党の躍進で安倍政権を退場に追い込み、日本の政治を主権者である国民の手に取り戻そうではないか。 さて、それでは安倍政権が退場した後にどういう日本をつくるか。日本共産党は5つの提案をしたいと思う。 第1は、どんな問題でも軍事ではなくて外交の力で解決する、そういう日本をつくろうではないか。北朝鮮の核・ミサイル開発はもとより断じて許されるものではない。 同時に私が強調したいのは破滅をもたらす戦争だけは絶対に起こしてはならないということだ。 今の一番の危険はどこにあるだろうか。それは米朝の軍事的緊張が高まることで当事者たちの意図にも反して誤算や偶発的な事態から軍事衝突が起こる。一旦軍事衝突が起こったらコントロールできない。戦争になる危険がある。その戦争とは核戦争だ。このような事態はどんなことがあっても回避しなければならない。 日本共産党は声明を発表して、危機打開のために米朝が直接対話に踏み出すべきだということを提唱し、関係各国に働き掛けを続けてきた。こういう努力が今、必要ではないか。 経済制裁の強化、必要だ。同時にそれと一体に対話による平和的解決を図る。これが唯一の解決方法ではないか。憲法9条を持つ日本の政府こそ、対話による平和解決のイニシアチブを発揮することを強く求めたいと思う。 ところが安倍首相がやっていることはどうか。今いった努力をせずに、やっていることは専ら軍事だ。日米同盟の強化と安保法制がいよいよ大事になってきたといっている。 そして何やっているかというと、安保法制を発動して海上自衛隊の艦船が米軍の軍艦に燃料を補給する、武器を使って防護をする、こんなことをやっていることが明らかになった。しかも、国民の知らないところで秘密裏にオペレーションをやっていた。とても危ない話ではないだろうか。 アメリカは軍事的選択肢も含めて全ての選択肢はテーブルの上にあるといっている。アメリカは万一、軍事的選択肢、すなわち先制的な軍事力行使に踏み出したときには、アメリカの戦争に日本が自動的に参戦することになってしまう。国民が知らないところで日本が戦争の当事国になり、日本全土に戦禍が及ぶことになる。 これでいいのか。この道こそ一番危ない道ではないか。憲法違反の安保法制、戦争法は北朝鮮問題との関わりでも一刻も早くきっぱり廃止するべきではないか。 どんな問題でも軍事ではなく外交で解決する。この知恵を今、発揮するときだ。英知を発揮するときだ。そういう立場で行動している政党が日本共産党だ。日本共産党を躍進させてほしい。 第2に私が訴えたいのは、1%の富裕層と大企業のための政治ではなく、99%の国民のための政治をつくろう。このことを訴えたいと思う。 5年におよぶアベノミクスがもたらしたものは何か。この間、党首討論をやってきて、安倍さんは討論になるといろいろな数字を並べて自慢する。あれもやった、これもやった。しかし、アベノミクスのおかげで暮らしが良くなったなと実感している方はいるか。いませんよね。 安倍さんは肝心の数字を2ついっていない。1つは働く人の実質賃金、安倍政権のもとで10万円も減った。もう1つは、家計消費。これが安倍政権のもとで1世帯当たり22万円も減った。賃金と消費といえば経済の一番大事なところではないか。ここがやせ細ってしまっている。 その一方で大企業は空前の大もうけを上げ、内部留保はどんどん積み上がって、400兆円を超えた。大金持ちは株が上がってどんどんもうけが増え、上位40人の超富裕層の資産は安倍政権のもとで2倍になった。もうけるところはうんともうけている。 結局、アベノミクスがもたらしたものは強いものをどんどん強くするが、庶民の暮らしは一向に良くならない、格差の拡大だけだったのではないか。 日本共産党は格差と貧困を正す4つの経済改革を実行していく。 第1は、税金の改革だ。暮らしを壊し、経済を壊す消費税10%への大増税はきっぱり中止を、この声を上げようではないか。 日本共産党は消費税に頼らないで暮らしを良くする財源提案を出している。例えば株取引にかかる税金が軽すぎる。この富裕層優遇税制を正せば1兆円出てくる。それから研究開発減税など大企業優遇税制、これを正せば4兆円出てくる。これだけで5兆円だ。消費税2%の増税分が出てくる。 皆さん、こっちの道を進もうではないか。増税するなら、アベノミクスで大もうけを上げている富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改正を実行しようではないか。 第2は予算の改革だ。安倍首相は消費税の使い道を変えるんだ、全世代型の社会保障にしますといっている。しかし、私はいいたい。安倍政権のもとでやってきたことは何か。社会保障費の自然増を1兆4600億円削った。そのおかげで医療費は上がる、介護の利用料は上がる。全世代型というが全ての世代に対して社会保障をぼろぼろにしてしまったのが安倍政権がやってきたことではないか。 社会保障予算を削減から拡充に抜本的に切り替えていこう。国民の皆さんの大切な税金を社会保障、教育、子育て、若者、格差と貧困の是正につながるところに大幅に増やしていこうでないか。 第3は本当の働き方の改革だ。電通で働いていた若い女性が過労自殺したことが社会問題になった。過労死が絶えない。残業代ゼロ法案はもうここで断念させ、長時間労働は法律で厳しく是正して、この日本から過労死を根絶しようでないか。 非正規社員から正社員へ流れを強め、中小企業の皆さんへの手当てもしっかりやりながら、最低賃金をどーんと上げて、8時間働けば普通に暮らせる社会を一緒につくろうではないか。 第4は地域経済の再生だ。地域経済を土台から支えているのは中小企業だ。農業だ。農産物の価格保障、所得保障をしっかり充実し、安心して続けられる農業をつくり、38%と先進国で最低まで落ち込んでしまった食料自給率をしっかり上げていこうではないか。 この4つの経済改革、いかがでしょう。どれも国民の皆さんの当然の願いでないか。ただ、これを実行するには財界に正面からものがいえる党が必要だ。共産党が必要だ。共産党は党をつくって95年、財界献金をびた一文受け取ってこなかった党だ。この党が伸びてこそ国民のための経済改革が実行できるのでないか。 第3に訴えたいのは、原発ゼロの日本、再生可能エネルギー先進国をつくろうということだ。原発問題は総選挙の争点になってきたが、その最大の試金石はずばり、原発再稼働を認めるかどうか。ここにある。 どんな世論調査をみても再稼働反対が国民の5割から6割で揺るぎない。なぜか。それは、福島の現実を私たちが体験したからだ。福島では、事故から6年以上たつのに、なお6万8千人の方々が避難生活を余儀なくされている。 家もある。土地もある。ぼうぼうになったけれど畑もある。でも帰れない。古里を奪われてしまい、それを目の当たりにして、もう原発は動かさない。再稼働反対は今や国民的合意になっているのでないか。 安倍首相は新規制基準に適合した再稼働をどんどん進めていっている。しかし、世界で最も厳しい規制基準というのは全くの嘘だ。 大体、住民の皆さんの避難計画はこの審査の内容に入っていない。避難計画がなくても規制委員会はOKを出せる仕掛けになっている。こんなものでどんどん再稼働を進めるというのは絶対に認められない。 どうか皆さん、原発再稼働は中止させ、原発ゼロの日本をつくろうでないか。再稼働ストップを決断してこそ再生可能エネルギーもどんどん普及が進む。この願いを、官邸前でも全国でも再稼働反対の市民の皆さんとともにずっと頑張って声を上げ続けてきた共産党に託してほしい。 第4に呼びかけたいのは、世界に誇る憲法9条を守り、憲法9条を生かした日本をつくろう。このことを訴えたいと思う。 安倍首相は9条1項、2項を残しつつ、別の項目で自衛隊を書き込むんだ、こういっている。どうなるでしょうか。ただ単に現にある自衛隊を憲法で追認するだけにとどまらない。 皆さん、法律の世界では後からつくった法律は前の法律に優越する。これが法の一般原則といわれている。ですから仮に、9条2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」、これを残したとしても、後から別の項目で自衛隊が明記されたら、こっちの方が優越することになってしまう。9条2項が空文化、死文化してしまう。 しかし、9条を9条たらしめている9条の命は、2項ではないか。2項があるからこそ9条なのだ。2項があるからこそ、海外派兵はできなかった。戦後1人の自衛隊の戦死者もなく、1人の外国人も殺さなかった。9条2項と国民の皆さんの平和の戦いのおかげだ。 9条2項が空文化、死文化したら、無制限の海外の武力行使が可能になってしまう。このような恐ろしい道は、断固ストップの審判を下そうでないか。 平和憲法を守り、平和憲法を生かそう。この願いを、党をつくって95年、苦しい時代も一筋に反戦平和を貫いてきた共産党にお寄せください。 第5に訴えたいのは核兵器禁止条約にサインする政府をつくろう。このことだ。 核兵器廃絶国際キャンペーン、国際NGOのICANが、ノーベル平和賞を受賞した。これは核兵器禁止条約のために命がけで頑張ってこられた広島、長崎の被爆者をはじめ、市民社会の努力を高く評価したものであり、私は心からの祝福と歓迎を送りたいと思う。 このときに唯一の戦争被爆国の日本政府が、平和の大きな流れに背を向けているのは恥ずかしいことでないか。私もこの禁止条約の国連会議に参加してきた。その会議で被爆者の皆さんが日本政府の態度について「心が裂ける思い」「母国に裏切られた思い」と強く批判されていた。 私は日本政府に核兵器禁止条約にサインすることを強く求める。サインしないというのなら、政府を取り換えようじゃないか。政府を取り換えて、サインする政府をみんなの手でつくろうではないか。 この意思を総選挙で示そうではないか。戦後70年余り被爆者の皆さんとともに、核兵器廃絶のために一貫して頑張り抜いてきた日本共産党にその思いを託してください。 安倍政権を倒して新しい日本をつくる。この話をしてきたが、それを進める力はどこにあるだろうか。 今度の選挙の対決構図について、テレビを見ていると「3極対決」とよく報道している。しかし、それは違う。3極ではない。自民党と希望の党、政治の中身、少しも違いがないではないか。 党首討論で隣に(希望の党の)小池(百合子)代表が座っている。小池さんに「希望の党の公約を拝見したが、安保法制は容認、9条含む憲法改正は進める、原発ゼロというが再稼働は容認。そうすると自民党と政策の根幹部分が違わないでないか。どこが違うのか」と聞いた。そうすると小池代表の答えは「あまり違いはない。受動喫煙の問題くらいだ」という答えだった。 違いはないんですね。小池さんも認めている。安倍さんも「理念は同じ」といっている。この(希望の)党が自民党の補完勢力であることは今や明瞭ではないか。今度の選挙の対決構図は、3極じゃなくて自民・公明とその補完勢力対市民と野党の共闘、この2極対決こそ本当の対決構図だ。 私たちは共闘の力で政治を変える。この道に取り組んできた。それは確かな成果をあげてきたと思う。 昨年の参院選では全国32の1人区の全てで野党統一候補を実現し、11で勝利を勝ち取った。その後の新潟県知事選も勝った。仙台市長選も勝った。市民と野党が一つに力を合わせれば、安倍政権を倒せるというのはもう実証済みの現実でないか。 私たちは今度の総選挙でこの市民と野党の共闘を第2ステージへと発展させたいと決意している。 私たちは安倍政権を倒すという態度に立って、全国67の小選挙区で私たちの予定候補者を降ろすという決断をした。そして全国249の小選挙区で共産・立憲民主・社民、この3野党として候補を一本化してこの選挙を戦っている。 共闘こそ希望であり、共闘こそ未来を描く力だ。共闘の力で安倍政権を倒し、新しい日本をつくろうではないか。 そして皆さん、この流れを進める上でもどうか共産党を躍進させてください。共産党に対して今、ぶれない党、共闘の大義を守る党、こうした評価を受けている。大変うれしく思っている。そういう党が躍進を勝ち取ることこそ市民と野党の共闘を前に進め、日本の政治をよくする一番の力になるのでないか。 どうか皆さん、日本共産党を大きく躍進させてください。そして、安倍政権を倒して野党連合政権に向けて大きく踏み出す結果をつくろうではないか。お年寄りも子供も男性も女性も、国民全てが尊厳を持って生きられる新しい日本、この総選挙で一緒につくっていこうではないか。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171010-00000553-san-pol こちらでも同じフレーズが出ています。
[32初期非表示理由]:担当:要点がまとまっていない長文
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