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立共社野党共闘は連立政権協議を行うべきであるー(植草一秀氏)
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10th Oct 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
第48回衆議院議員総選挙が公示された。
選出される議員定数は465
このうち289議席が小選挙区で選出される。
比例代表で選出される議席は176議席である。
紆余曲折を経て、この選挙では三つの陣営が議席を争うことになる。
自民・公明=自公
希望・維新=希維
立憲民主・共産・社民=立共社
の三陣営である。
争点は、
戦争法制・憲法改定
原発再稼動
消費税増税
である。
選挙後の枠組みで希望の小池百合子代表は自公との連立を否定していない。
したがって、希維は自公の補完勢力との性格を色濃く有している。
オールジャパン平和と共生
https://www.alljapan25.com/
は、戦争・原発・消費税を今回総選挙の三大争点であると位置付け、
戦争法制廃止・憲法改悪阻止
原発再稼動反対
消費税増税中止・消費税減税
を求め、この公約を明示する候補者を一選挙区一候補者の体制で支援することを
訴えてきた。
今回の総選挙では、
立共社の野党共闘勢力が、
戦争法制廃止・憲法改悪阻止
原発再稼動反対
消費税増税反対
の政策を明示し、289の小選挙区のうち、249の選挙区で
候補者一本化を実現させた。
オールジャパン平和と共生では、この候補者に主権者の投票を集中させることを
基本戦術として位置づけて、オールジャパンの連帯を強く求めている。
今回の総選挙で主権者が特に留意しなければならない点が2点ある。
第一は、自公と希維が衆院3分の2勢力を占有する場合に、
憲法改悪が強行される可能性が著しく高まることである。
第二は、自公が過半数を確保すると、
2019年10月に消費税率が10%に引き上げられることが確定的になることだ。
この二つのことがらを、何としても阻止しなければならない。
日本は戦後、日本国憲法のおかげで「戦争をしない国」であり続けた。
憲法改悪の最重要のポイントは、日本を「戦争をする国」に改変することにある。
自公プラス希維に3分の2議席を付与することは、
この根幹が破壊されることであると言ってよいだろう。
2012年12月の第2次安倍政権発足後の日本経済の実績が良かったのか、
悪かったのか。
これが党首討論などで論議されているが、
国民生活の視点から言えば、完全に「悪くなった」というのが正しい。
経済全体のパフォーマンスを図るのは「実質経済成長率」である。
国民生活のパフォーマンスを図るのは「実質賃金所得」である。
この二つの指標で安倍政権下の日本経済は最悪の推移を示している。
安倍首相はこまごまとしたことを述べて、
経済が良くなったかのようなことを言うが、
大学受験に落ちた生徒が、試験の細目で「漢字は書けた」とか
「この問題には正解を書いた」と言い張っているようなものだ。
第2次安倍政権下の実質GDP成長率平均値は+1.4%。
あの、あまりパッとしなかった民主党政権時代の実質GDP成長率の平均値は
+1.8%である。
第2次安倍政権発足後の日本経済が以下に低迷を続けているのかを示す
明白な証拠である。
そして、労働者の実質賃金指数は、第2次安倍政権下で、約5%減少している。
この数値には、ボーナスも時間外賃金も含まれている。
「現金給与総額」を実質化した指数で5%も減少しているのだ。
あのあまりパッとしなかった民主党政権時代でも、実質賃金指数はほぼ横ばいだった。
この状況下で消費税率が10%に引き上げられたら、庶民の生活は完全に破壊される。
自公の与党に過半数議席を与えてはならないのだ。
小選挙区制度の下で、日本の二大政党体制をどう構築するか。
この点で,今回の衆院総選挙は重大な分岐点になる。
日本の支配者が狙っている二大政党体制は
自公と第二自公による二大政党体制である。
今回、小池国政新党が創設された。
その背後には、国際勝共連合、CIA、CSISの影が付きまとっている。
メディアが小池国政新党を全面的に支えてきた。
しかし、この小池国政新党がフライイング気味に牙を剥き出しにしたため、
彼らの戦略に大きなひびが入った。
彼らが何よりも恐れているのは、反自公の大きな塊が生まれることである。
彼らにとってのトラウマは、2009年の政権交代樹立である。
当時の小沢−鳩山体制こそ、既存の日本の体制を破壊し尽くしてしまう力を
秘めた最大の脅威であった。
だからこそ、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に対する史上空前の人物破壊工作が
仕掛けられたのである。
そして、民主党=民進党を内部から改変した。
民主党・民進党を「隠れ与党勢力」に支配させ続けてきたのである。
民進党を「鵺(ぬえ)」の存在にし続けておけば、野党共闘は破壊力を持たない。
野党共闘の中心に「鵺」が居座るのだから、野党共闘は爆発力を持たないのだ。
ところが、今回の政局流動化のなかで、民進党の分離・分割が実現した。
まだ、完全なかたちではないが、「鵺」の民進党が分離・分割され、
「反自公勢力の結集」
が、曲がりなりにも成立したのである。
この意味が極めて大きいのだ。
日本の二大勢力体制は、
自公
と
共産を含む野党勢力
とによる二大政党体制に移行することが望ましい。
枝野立憲民主は共産党との連立政権樹立を否定する発言を示しているが、
この認識を改めるべきである。
向こう側には公明党がついているのだ。
こちら側に共産党がつかなければ勝負にならない。
前原氏が大失敗を演じた主因がここにある。
これまで共産党を含む野党4党の共闘を形成してきた、
その歴史的経過を無視して、
党内手続きも踏まずに共産党を外す小池百合子氏との謀議に走った。
これが、前原誠司氏がほぼ政治生命を失った最大の原因である。
前原氏が共産党を除外したいとの意向を持っても、それは本人の自由だ。
しかし、党内の民主的な手続きを踏まずに、戦争法制廃止から肯定に転向し、
同時に共産党との連携を一方的に破棄する行動に突き進んだことは、
明らかに信義則に反する行為である。
日本の二大政党体制が
自公
と
共産を含む反自公
で形成されると、日本の政権交代に大きな躍動力が生じる。
小池百合子氏が指向しているのは、
明らかに二つの保守勢力による政権交代の実現である。
これは、自民党安倍派と自民党小池派による政権交代でしかない。
対米従属、大企業支配、官僚支配という、
日本統治の根本が完全に固定化されることを意味するものなのである。
対米従属、大企業支配、官僚支配という、
日本統治の根本を改革する新しい政権を樹立するには、
共産党を含む反自公陣営による結束が必要なのである。
289の選挙区のうち、249の選挙区で立共社の野党共闘体制が構築されると、
旧民進党で希望に移籍した候補者の当選は非常に難しくなる。
その最大の理由は、共産の支援をみずから進んで放棄したことによるのである。
本来は、主義主張に近い部分の多い公明と共産が連携するべきであるのだが、
公明が自民と完全に一体化してしまっている現状を踏まえるなら、
この自公に対峙する勢力を二大勢力の一翼にするには、
共産党を含む連立の枠組みを構築することが現実的な選択になる。
日本に健全な二大勢力体制を構築するためにも、
この総選挙で日本の主権者は、
立共社野党共闘政策連合をオールジャパンで支える必要がある。
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