http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/381.html
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半藤一利さんの思いはわかるが、北朝鮮は、戦前の日本ほど愚かではない。
罵り合いの背景や意図はともかく、六者協議での合意違反と言うことならどっちもどっち(米日サイドも北朝鮮サイドという意味だが、より悪質なのは日米の合意違反:合意不履行)というなかで、9回もUN安保理制裁決議が採択され、10年間も経済制裁を受けていても、UNを脱退しないで「主権活動」と舌戦を繰り広げている。
(戦前の日本は常任理事国でもあり国際連盟に居残って主張を続けることは十二分にできた)
「「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」朝日の歪んだ報道」は、産経新聞の古森氏の論考だが、半藤氏の論旨を無視したほとんど意味のないもの。
※関連参照投稿
「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html
「自民党が発表した衆院選公約の要旨:パッとせずそそられない低レベルの内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/364.html
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(2017衆院選)岐路に立つ平和 作家・半藤一利さん
2017年9月29日05時00分
「不倫やスキャンダルを暴く『文春砲』の照準を、政治家の国防観の危うさにこそ向けるべきだ」=山本和生撮影
衆議院が解散された。安倍晋三首相自ら「国難」と表現した情勢下、国民は政権選択を迫られる。与党が3分の2以上を占めたり、同調する勢力が増えたりすれば、9条を含めた憲法の改正は現実味を増す。今回の選挙が日本の歴史で持つ意味は何か、国民は投票で何が問われるのか。昭和史を見つめてきた半藤一利さんに聞く。
――半藤さんは昭和を中心に日本の近代史を深く見てきました。そうした歴史的な視点から見て、今回の解散、総選挙の意味をどう考えますか。
「これからの日本の針路が戦争と平和のどちらを主軸に進むのかを左右する、極めて重要な選挙だと思います。岐路に立つ日本で、冷静な議論が求められるときに、安倍さんが今回、『国難突破解散』とおっしゃって危機感ばかりをあおっていることに強い違和感を覚えます。国難といって現在、最大の問題は北朝鮮情勢でしょうが、これはご自分がつくっていませんか、自作自演の危機ではないか、と申し上げたい。安倍さんは国連総会で、今は対話の時でなく圧力をかけるべき時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです」
「昭和史で似たようなケースがありました。日中戦争が始まった後、ドイツが間に入って和平工作を手がけました。まとまりかけたのですが、現地軍がこれを無視して進撃を続けて当時の首都南京を陥落させてしまう。和平の条件をつり上げて中国国民党を率いていた蒋介石を怒らせてしまう。この時、近衛文麿首相が『蒋介石政権を対手にせず』と言い放ち、解決は遠のきました。結局、戦争は泥沼化していきます。このように和平の結実は実に微妙なものです。それを勇ましい言葉で台無しにした歴史の戒めを思い起こします」
■ ■
――現在の北朝鮮情勢の中で、日本ができることがありますか。
「不幸な経験ですが、日本には対立が不毛な結果しか招かなかったという痛みの過去がある。また唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたヒトラーのドイツと組んで三国同盟を結び、破局へ導いた時代が脳裏に浮かびます」
――野党やマスコミは「大義なき選挙」と批判しています。
「そうとばかりはいえないでしょう。大げさに言えば、日本の選挙ではありますが、トランプさんがやっている力の誇示と威迫の手法を信認するか、しないかを問う選挙にもなるのです。安倍さんが国難突破と位置づけたことで、そのパートナーであるトランプさんと合わせて、平和を維持するために動くか、逆に制裁をさらに強めることを支持するのか、期せずしてそうした大問題を問い直す選挙になったと思います」
――かつて日本で、危機を前面に出して戦われる選挙などがあったでしょうか。
「選挙ではありません。が、権力闘争に使われたことがある。第2次大戦で、ドイツがフランスへ攻め入りパリを陥落させた際、日本国内では三国同盟に反対してきた米内光政内閣を『バスに乗り遅れるな』のかけ声の下、引きずり下ろす材料にしました。畑俊六陸軍大臣を辞任させ、陸軍が後任を出さず内閣総辞職に追い込んだ。ドイツと組むため都合のいい内閣として第2次近衛内閣が組閣され、三国同盟が締結される。太平洋戦争への道を一瀉(いっしゃ)千里に進み、揚げ句、亡国寸前まで至ります」
――安倍首相は、「日本を取り戻す」と言い、言論の自由を侵しかねない特定秘密保護法を施行させ、内心の自由を損ねると批判がある共謀罪の内容を含む組織的犯罪処罰法を改正しました。憲法9条に抵触する疑いのある安全保障関連法なども手がけてきました。
「かねて安倍さんが言ってきた『戦後レジームからの脱却』というのはこうしたことだったのでしょう。私たちは戦後、国民主権、基本的人権の尊重、平和国家を三本柱とする新日本を建国したと思っていました。安倍さんが『脱却』と言っても、『そんなことができるか』と高をくくっていた。しかし、3年ほどであなたが指摘した法律を次々と実現させた。改憲したわけではないが、緊急事態法制以外は、ほぼ目的を達成させてしまいました」
「以前、麻生太郎副総理がナチスドイツの手法を引き合いに、『ある日、気がついたらワイマール憲法が、ナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか』と言って問題化しました。しかし集団的自衛権の行使容認について、憲法を変えずに、閣議決定で可能にした。まさにナチスの手法を学んだようです」
■ ■
――衆院選の自民党公約に憲法9条への自衛隊明記を盛り込むと安倍首相は明言しました。
「今度の選挙で与党で3分の2、あるいは安倍さんの改憲案を支持する勢力がそれに匹敵する勢力を持てば可能でしょう。しかし、その前提としての諸法律はすでに整備済みで、いわば9条改憲は集大成に過ぎません」
「戦前の軍機保護法にかわる機能を特定秘密保護法が担うでしょうし、政府に反対するものたちを次々に押さえることも共謀罪を駆使すれば可能です。メディアの統制も、政権に不都合な取材を共謀行為と認定すればわけないことです。記者が3〜4人も引っくくられれば、新聞社も一気に萎縮するでしょう。改憲の前に、そうした道具を着々と整えてきたんです」
「平和や自由という戦後の日本人が得た価値を守るのは、若い世代の人たちの役割です。しかし、それらが当たり前のものとして育った世代には、本当の大切さ、失った時の怖さが骨身にしみていないのでしょう。Jアラートが鳴って、頑丈な建物に避難する、机の下に潜り込む。それらが全く無駄とは言いませんが、本質はミサイルが飛ばないよう、政府に外交を展開させ、平和を確実にさせることです」
「私が子供の時は戦争中でした。爆弾なんか怖くないとか、焼夷(しょうい)弾もすぐ消せる、なんて歌を教えられました。信じた人が昭和20(1945)年3月10日の東京大空襲の際、自ら消そうとして火炎の渦に包み込まれました。そんな愚を繰り返してはなりません」
――小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党は憲法改正に肯定的です。民進党も党の方針がぐらついて見えます。半藤さんがおっしゃる政策や外交の受け皿になる政党が、見当たりません。
「野党の離合集散が始まったようですから、先行きは読めません。ただ、都民ファーストの会の都議に、毎日新聞が憲法改正の賛否を聞いたら、ほとんどが無回答でした。自民党予備軍なのかどうか、見極めが必要でしょう」
■ ■
――日本の将来をどう築くかといった本質的な問題より、目先の利害調整、例えば消費税の使い道や、どこの政党がくっつくか、安倍さんと小池さんがどうやり合ったか、といったおもしろさ、すなわち政治の劇場化の様相が濃くなってきました。
「満州事変の際、国際連盟の派遣したリットン調査団の報告に基づく満州撤退の対日勧告を不服として、日本代表の松岡洋右が連盟の議場から退場した時、日本の世論と新聞は喝采しました。当時は犬養毅首相が海軍の青年将校に殺される5・15事件の発生もあり、政党政治が液状化していました。国民が松岡のパフォーマンスに反応したのは、そんな閉塞(へいそく)状況に思考停止に陥っていたからでした」
「森友、加計両学園問題を抱える安倍政権が、高い支持を得ています。それが信頼からだ、とは思われません。低成長や高齢化などによる閉塞感が背景にあって、『日本を取り戻す』というかけ声にいちるの望みをかけているとしたら、不健全で危険な兆候です」
――結局、どういう未来を選択するかは私たち有権者です。今度の選挙で、国民は何を問われ、突きつけられていると考えますか。
「冒頭、極めて重要な選挙になるといいました。問われるのは、有権者の世界観です。日本だけでなく、米国も欧州も内向きになっている。世界全体で取り組まねばならない、環境や平和、貧困や格差是正も自国ファーストで解決しようとする。しかし、全体で譲り合い、調整しなければ大きな問題は解決できません。北朝鮮の問題についても、自国の安全だけを大事に考えていては、本当の解は得られないでしょう。この地域で利害を共有する日中韓3カ国が北朝鮮を説得して話し合いのテーブルに戻すしかないでしょう」
「1930〜40年代の日本は、まさに今の北朝鮮の似姿です。あのとき、日本をなだめたり説得したりできる国はなかった。しかし、今は日本がそうした役回りを発揮できるはずです。針路を決めるということは、そうした大戦略を持つ政党があるかどうか見極めること、無ければ有権者自らが声を出して政党を叱咤(しった)激励することです。そこまでの積極的な関与が求められる複雑でやっかいな時代に入ってしまったのです」
(聞き手 編集委員・駒野剛)
*
はんどうかずとし 1930年生まれ。53年に文芸春秋に入り、雑誌「文芸春秋」編集長などを務める。「日本のいちばん長い日」「昭和史」など著書多数。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13156456.html?_requesturl=articles%2FDA3S13156456.html&rm=150
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「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」朝日の歪んだ報道
10/1(日) 13:17配信
【まとめ】
・朝日新聞、「岐路に立つ平和」と題する作家半藤一利氏のインタビュー掲載。
・曰く、「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」であり、「今の日本はヒトラーのドイツと同じ」、「自国の安全だけを大事に考えていては本当の解は得られない」というもの。
・半藤氏の見解を大々的に報じる朝日新聞の思惑は大きく歪んでいる。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明・出典のみが残っていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=36408のサイトで記事をお読みください。】
「北朝鮮危機は安倍晋三首相の自作自演だ」「いまの日本はヒトラーのドイツと同じ」――という趣旨の極端な世界観や歴史観が朝日新聞9月29日朝刊で1ページのほぼすべてを使って紹介された。ひどく偏向したこの意見は歴史作家の半藤一利氏によって表明された。
北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの脅威に直面する日本が危機を訴えることが「自作自演」であり、北朝鮮と対話しないことがヒトラーのドイツとの同盟に等しいというのだから、実態からかけ離れた政治的な断定だともいえるだろう。
このゆがんだ認識は朝日新聞同日のオピニオン&フォーラムというページに「岐路に立つ平和」とのタイトルで、「『国難』は自作自演 勇ましい首相発言 和平壊した過去も」という見出しの長文のインタビュー記事で大々的に伝えられた。語り手は反安倍政権の言辞で知られる昭和史作家の半藤一利氏で、全体のトーンはいまの日本の平和を壊すのは北朝鮮ではなく、安倍首相だと読み取れる基調で一貫している。
まず以下のような記述があった。
≪(安倍首相は)国難といって現在、最大の問題は北朝鮮情勢でしょうが、これはご自分でつくっていませんか。自作自演の危機ではないか、と申し上げたい。≫
北朝鮮の危機は事実ではなく、安倍首相がつくりあげている、というのだ。「自作自演」とは実際には存在しないことをでっちあげて、事実であるかのように偽り、他者をだますことである。北朝鮮の核武装のための再三の核爆発実験も、日本の方角に向けて、これまた再三、発射される弾道ミサイルも、安倍首相のでっちあげ、だというのか。この80代なかばの歴史作家は本当に朝日新聞の掲載どおりの言葉を述べたのだろうかと、いぶかりたくなる。
だが半藤氏はさらに安倍非難を続ける。
≪安倍さんは国連総会で、今は対話の時ではなく圧力をかける時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです。≫
とくに安倍氏に限らず、北朝鮮の核兵器開発に反対する側はもう20年近くも対話に努めてきた。だが北朝鮮は核武装放棄のための対話には一切、応じず、今日にいたった。だからこそ米国も日本も、圧力となったのだ。しかも国連でも圧力の象徴である北朝鮮への経済制裁に安全保障理事会の15ヵ国すべてが賛成した。
だが半藤氏は安倍首相の国際協調のその態度が日中戦争の際の日本軍部の南京攻撃に似ているとして、とてつもない連結の非難をぶつけていく。そして頻繁に「ヒトラーのドイツ」へと、いまの日本を重ね合わせるのである。
≪日本には唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたドイツのヒトラーと組んで三国同盟を結び、破局は導いた時代が脳裏に浮かびます≫
半藤氏はここでは北朝鮮の核武装を防ぐためにトランプ大統領の政策に同調することがドイツのヒトラーと組むことに等しいと断ずるのだ。
半藤氏はさらに安倍政権非難の歩を進め、安倍政権自体がナチスと同じだとも述べる。
≪(安倍政権は)集団的自衛権の行使容認について、憲法を変えずに、閣議決定で可能にした。まさにナチスの手法を学んだようです。≫
とにかく時代の違いも、国際情勢の違いも、無視して、いまの安倍政権を戦前戦中の軍部主導の日本に、さらにはヒトラーのドイツに、なぞらえるのが半藤氏の一貫した手法なのである。
では半藤氏は北朝鮮の核兵器の脅威に日本はどう対処すればよい、というのか。「被爆国として核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせる」と半藤氏は唱える。日本は「核戦争の悲惨さ」の訴えはもうさんざんしてきたではないか。だが北朝鮮の核武装の阻止にはなんの効果もなかったではないか。核兵器の保有をいまや国是として掲げる北朝鮮に「核戦争の悲惨さ」を言い聞かせて、核開発を止めさせるなど、妄想ではないか。
半藤氏は現実にはまったく効果のないことがすでにさんざんに立証された、この種の妄想をさらに唱える。
≪北朝鮮の問題についても、自国の安全だけを大事に考えていては、本当の解は得られないでしょう。この地域で利害を共有する日中韓3ヵ国が北朝鮮を説得して話し合いのテーブルに戻すしかないでしょう。≫
自国の安全だけを大事に考えてはならない、とはどんな真意なのだろう。どの国でも自国の安全を大事に考えることが国家の国家たる大前提だろう。だが半藤氏はそれをやめろ、という。さらに日本と中国と韓国がまとまって、北朝鮮を説得して、話し合いのテーブルに戻せ、というのだ。
そんな話し合いで北朝鮮にどのように核兵器を放棄させるのか。そもそもこの種の話し合いは6ヵ国協議などで、すでにさんざんに試みてきた作業である。その話し合いはなんの成果を生まなかったどころか、北朝鮮に核兵器や長距離弾道ミサイルの開発のためのさらなる時間を与えてしまったのである。
実効を生まず、実現さえも難しい選択肢をいかにも現実性があるかのように提示することは、結局は北朝鮮の核武装を容認することでもあろう。
日本の安全さえも大事にしないことを提唱する半藤氏のゆがんだ見解をこれほど大々的に報じる朝日新聞の思惑も、これまた大きくゆがんでいると断じざるをえないようだ。
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171001-00010001-jindepth-int&p=1
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