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制裁効かず「断じて許さない」と繰り返す安倍首相の空疎
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213734
2017年9月16日 日刊ゲンダイ 文字お越し
いつも言葉だけ(C)日刊ゲンダイ
またしても、早朝にJアラートが鳴り渡った。15日午前6時57分ごろ、北朝鮮が平壌近郊の順安から弾道ミサイルを発射。政府によると、ミサイルは北海道上空を通過し、午前7時16分ごろに北海道・襟裳岬の東約2200キロに落下した。
飛行距離は約3700キロとみられる。平壌から米領グアムまでは約3400キロで、グアムが射程内にあることを示した形だ。
日本のメディアは例によって、朝から緊急編成でミサイル発射を報じて大騒ぎ。15日午前、インドから帰国した安倍首相は空港から官邸に直行し、テレビカメラの前で「再び暴挙を行ったことは断じて容認できない」と強く非難した。
「騒げば騒ぐほど、北朝鮮の思うツボという感じがします。威嚇戦略にまんまと日本がはまれば、北朝鮮は大喜びでしょう。北の脅威を煽って不安を高めることは、国民生活にとって悪影響でしかない。日本政府も毎度、『断じて容認できない』『最も強い表現で非難』などと勇ましいコメントを発していますが、外交的には1ミリも動いていない。この政権は、いつも大袈裟な言葉だけなのです」(政治学者・五十嵐仁氏)
「断じて容認できない」といえば、官邸報道室が1日、加計学園問題などで菅官房長官を厳しく追及した東京新聞に対して送った抗議文にも、同じような文言が使われていた。
〈官房長官記者会見において、未確定な事実や単なる推測に基づく質疑応答がなされ、国民に誤解を生じさせるような事態は、断じて許容出来ません>
心理学的には、嘘をついている人は何度も同じ言葉を繰り返す傾向があるとされる。「この嘘を信じ込ませなければ」という心理が働き、何度も同じ言葉を繰り返して説得しようとするのだ。不合理性を本人が自覚していることも多い。
■核でインドと連携の倒錯
前回のミサイル発射時もそうだったが、安倍は記者団に対し、「ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており、万全の態勢を取っていた」と強調した。だったら、なぜ事前に国民に知らせないのか。発射の動きを把握していたなら、「48時間以内にミサイルが発射される可能性がある」「避難方法を考えておくように」とアナウンスすべきではないのか。ブッ放されてからJアラートを鳴らされても、国民はなす術がない。
インドを訪問していた安倍は、モディ首相と会談して、核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対する「圧力を最大化」するために連携していくことを確認したという。日本の原発技術輸出に向けた作業部会の設置も決めた。
だが、インドは核拡散防止条約(NPT)を無視して核兵器開発に走った核保有国だ。国連常任理事国の5カ国だけが核保有の特権を有し、それ以外の国に禁止するのは不平等だとNPTを非難してきたのは、北朝鮮の主張と重なる。そのインドと、北の核開発を止めるために連携? しかも原発技術を輸出する? 言ってること、やってることが支離滅裂なのである。
こういう政権だから、ミサイルが「襟裳岬の東2200キロに落下」という発表にも意図的なものを感じてしまう。まるで日本領海に落下したような印象を与える。北海道民も動揺する。単に「太平洋上」ではダメなのか。中国の首都を「襟裳岬の西約2200キロの北京」と表現するくらいナンセンスな話だ。これまで襟裳岬といえば森進一だったのが、ミサイルという連想がすっかり定着してきた。
飛距離はどこまで伸びるのか(C)共同通信社
国民を安心させるより緊張感を高めて恐怖を煽る |
「本来なら、『日本列島に着弾する恐れはない』『戦争にならないよう平和的な解決を目指す』というメッセージを発して、国民を安心させるのが政治の役目のはずです。どこの国でも冷静に事態を見極めてから発表するのが普通で、メディアの報道ももっと抑制的です。こんなバカ騒ぎしているのは日本だけですよ。政府も大メディアも、緊張感を高め、国民に恐怖心を植えつけて、好戦的な世論を煽っているように見える。そうやって政権への求心力を高める狙いだとすれば、あまりに悪辣です。いたずらに国民生活を混乱させているだけでしかない。おそらく北朝鮮は、米国本土に届く核ミサイルができるまで開発をやめないでしょう。制裁とは関係なく、自分たちのスケジュールで進めている。非難や制裁は、ミサイル発射の口実を与えるだけで、意味がないどころか、逆効果でしかありません」(五十嵐仁氏=前出)
今回のミサイル発射を受けて、日米韓は国連安保理の緊急会合を要請。16日未明に会合が開かれるが、国連側も困惑しているのではないか。
12日に制裁決議を採択したばかりで、さっそくのミサイル発射。早くも制裁が効かないことを突きつけられてしまった。会合を開いたところで、挑発を止める手だてはない。
「国連の制裁決議には意味がない。前回の制裁決議を採択した後で、米トランプ大統領が『独自の制裁強化を図る』と言い出しているのが、それを物語っています。16日の緊急会合で、もう一段踏み込んだ制裁強化を決めたところで、北朝鮮の態度は変わりません。お互いそう簡単に軍事行動に踏み切ることもできないし、チキンレースが続くでしょう」(元外交官の天木直人氏)
12日の制裁決議に対し、北朝鮮は「アメリカとその追従勢力は、史上最悪の制裁決議を再びつくり上げた」「極悪・非道な挑発行為の産物であり、峻烈に断罪糾弾し、全面排撃する」と挑発していたから、今回の弾道ミサイル発射は予想されたことだ。
さらなる制裁強化を決めたところで、制裁と挑発の応酬になることは目に見えている。
■名指しで敵視される外交失策
北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したのは、今回が6回目だ。今後、こういうことが常態化する恐れがある。そのたびにJアラートを鳴らし、電車を止め、安倍が「断じて容認できない」とお決まりのセリフを口にするのか。外交評論家の小山貴氏が言う。
「米メディアの報道によれば、米国、中国、北朝鮮は水面下で接触しているようです。現実主義者のティラーソン国務長官が北朝鮮との秘密交渉によって落としどころを見つけ、穏健に解決する可能性もある。表で制裁強化を叫んでいても、裏では話し合いの場を持って合意の糸口を探るのが外交というものです。それに比べて、日本政府は感情的になって圧力を口にするばかり。拉致被害者の問題も解決していないのに、何か戦略があるのでしょうか。対話の重要性をもっと認識しなければ、何も進展しない。拉致問題も置き去りにされてしまいます」
外交努力で、日本にミサイルが飛んでこないような環境づくりをすることは可能だった。北朝鮮が見ているのは米国だけだからだ。眼中になかった日本がシャシャリ出てきて、「許さない!」と拳を振り上げる。自ら進んで当事者になり、標的にされたのでは、アホみたいな話だ。
「14日の朝鮮中央テレビが『日本列島の4つの島を、核爆弾で海の底に沈めるべきだ』と報じたのには驚きました。かつて、安倍首相の言動によってイスラム国から名指しされたこともありましたが、テロ組織だけでなく、主権国家からも名指しで敵視され、攻撃対象にされるなんて、歴史に残る失態です。こんな恥さらしな外交失策は見たことがない。なぜ批判の声が上がらないのか、不思議でなりません」(天木直人氏=前出)
「断じて容認できない」とほえるだけで、何ひとつ解決できず、国民を不安と混乱に陥れる暗愚。このミサイル狂騒は、あまりに空虚だ。
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― 桃丸 (@eos1v) 2017年9月16日
アホまる出し 安保理は一枚岩にあらず
― 散歩 (@sanpo777) 2017年9月16日
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