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2017年09月12日 「ジャーナリスト同盟」通信
<森・小泉・安倍・麻生のゾンビ政治と異質>
「東条英機や岸信介の再来」と見られがちのゾンビ・国家主義政治屋と福田康夫は、同じ清和会でもまるっきり異質であることが、最近の福田発言で裏付けられた。福田が8月31日、内幸町の日本記者クラブで記者会見をしていたことを見つけて、それをYOU TUBEで確認できた。福田は、大平政芳や宮澤喜一と同じ、寛容・友好を旨とするリベラル派の政治家だ。戦前派と無縁である。安倍政治だと、日本は破滅するという彼の指摘を、頷くほかない。
<靖国参拝否定・非宗教追悼施設の建設に今もこだわり>
彼は父親や弟と違って、政治の道とは距離を持って生きてきた常識人である。また、多くの日本人と同様に、歴史を学んでもいなかった。
政治家になると、遺族会の票獲得のために靖国参拝を心がけた。そのことで、隣人が強く反発するという理由が分からなかった。彼は正直者である。そんな過去を打ち明けた。
しかし、小泉内閣の官房長官に就任して、過ちを認めて、歴史認識を新たにした。隣人の怒り苦しむ様子の原因を理解した。靖国参拝を止めて、小泉や安倍との違いを見せつけるようになる。
憲法は、宗教法人である靖国神社への公人参拝を禁じている。そこで、福田は非宗教の追悼施設の建設へと舵を切った。この判断は正しい。おそらく宮澤喜一の意見も聞いたはずだ。残念ながら、彼の闘争は、森・小泉と安倍ら日本会議によって阻止されてしまった。
それでも、今回も福田は、会見で非宗教追悼施設の建設を、国民の合意を得て実現すべきだと主張、靖国参拝を強行する安倍ゾンビ政治との決別を印象付けた。真っ当な判断は健在である。
<歴史認識を共有して日中友好へ>
彼は官房長官に就任して以降、靖国に足を向けることはしない。むろん、首相として参拝を拒否して、森・小泉・安倍との違いを鮮明にした。
逆に、日中友好に努力した。彼は中国のパートナーだった胡錦濤主席との信頼関係を構築した。「私の時の日中関係はとても良かった」と自画自賛した。
確か胡錦濤を、日比谷公園の松本楼に案内、友好史を彩るピアノを案内したほどである。
自慢話ではないが、筆者は中国人の対日感情を「中国の大警告」(データハウス)にまとめた。これの中国版を読んだ、当時は副主席の胡錦濤が感動し、それを外務大臣に就任する前の小渕恵三に紹介したほどだった。
現在の日中関係は、安倍ゾンビ政治によって、1972年前に後戻りしてしまったが、これの損失は測り知れないほど大きい。
次の政権は、何としても宮澤―福田康夫のリベラル政府を誕生させる責任が、日本国民の悲願として存在している。世界大不況の折り、日中友好政権によって、経済と外交を安定させることが、何よりも重要であろう。それは福田の悲願ばかりではない。
<安倍ゾンビ政治が日本を破滅させる>
例の安倍政治が、日本を破滅させる、との強烈な安倍批判に対する共同通信インタビューについて問われると「雑談部分を報道された」といって笑いでお茶を濁したが、その事実をひっくり返そうとはしなかった。
福田は健在・健全である。清和会を、笹川一族のダミーにすることにも断固反対なのだ。その点で、父親の赳夫を超えている。
日本の戦後政治は、霞が関の良識に頼る部分が余りにも大きかった。結果、曲がりなりにも9条による平和外交を維持・発展させてきたことに、中国は評価した。そこに田中ー大平連合が存在したし、父と子の福田内閣も連動した。中国には周恩来外交のもとで、李徳全の民間外交が戦後まもなく開花して、友好の基礎が出来上がったものだ。
振り返って、霞が関の良心を破壊させた安倍内閣の罪は、大きすぎて論評に値しない。神社本庁と統一教会が結びついた日本会議外交は、本来の霞が関のものではない。元外交官・野田英二郎の年賀状は、老いてもゾンビに屈しない強さでもって、筆者を毎年感動させてくれる。
安倍の犯罪に貢献する官僚が大出世するこの5年のゾンビ政治による損害を、後世の史家は怒りをもって記録するだろう。さしもの財務省の佐川は、国税庁長官に就任しても、国民の前に顔を出すこともできない。
<ゾンビ外交返上の2017年へ>
かくして、尖閣や南シナ海問題で、流れを72年前に引き戻てしまった安倍ゾンビ外交を返上する2017年にしなければならない。非宗教追悼施設には、戦場で倒れた兵士だけでなく、戦災による被害者も一緒に祀るのである。国民や公人・外国要人の参拝する、文句なしの平和のシンボルにするのである。
福田の悲願は、国民の悲願である。必ずできる。隣国と仲良く、楽しく、希望をもって、平和社会を構築する、東洋哲学本来の理想を実現する時なのだ。ゾンビという死者の蘇る政治は、もうたくさんである。
2017年9月12日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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