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「北は核兵器保有」 小野寺防衛相と専門家では見解が違う
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213313
2017年9月11日 日刊ゲンダイ 文字お越し
「水爆実験成功」と喧伝する金正恩委員長、小野寺防衛相は口先政権の代表格/(C)朝鮮通信=共同
建国記念日を迎え、北朝鮮は祝賀ムード一色。国営メディアは「核強国の地位に上り詰めた」と喧伝し「水爆実験成功」を祝う宴会まで開かれた。
「水爆の爆音は、人民の偉大な勝利だ」「さらに奮起し、より大きな勝利を収める」
金正恩朝鮮労働党委員長が、勇ましく演説したという。北の挑発はエスカレートし、自らを「核保有国」と認めろとばかりに米国への牽制を強めている。これに乗っかっちゃいけないのだが、どういうわけか日本の防衛トップはそうした意識が薄いらしい。
小野寺五典防衛相が10日、北朝鮮について、実戦的な核開発を完了した可能性があるとの認識を示したのだ。今月3日の6回目の核実験に関して、「(爆発規模は)160キロトンで、広島に投下された原爆の10倍だ。核兵器を持っていると考えざるを得ない」と発言。さらに、「水爆の可能性も否定できない」と踏み込み、警戒感をあらわにしたのである。これには大メディアが一斉に、〈政府高官が北朝鮮の核保有を明言するのは異例だ〉と報じている。
北朝鮮が「核開発」を「完了」させたのかどうかについては、国際社会でもさまざまな議論がある。それなのに、軽々しく口にする小野寺は、「広島の原爆の10倍だから」と言うだけで、何か確固たる根拠があるのだろうか。
それでも、発言の主は一国の防衛トップなのである。国民は恐怖を覚える。まさかそれこそが目的なのじゃないかと疑ってしまうのだ。
■「皆さん、冷静にならなければいけません」
こうした世間のムードに原子力工学の専門家が警鐘を鳴らしている。
小出裕章氏。京大原子炉実験所の元助教で、2011年の福島原発事故の直後に誰よりも早くメルトダウンを予見した良心の科学者だ。小出氏が知人に宛てたメールの文書がネット上で共有され、拡散されているのだが、そこで小出氏は次のように書いている。
〈朝鮮民主主義人民共和国の核の件、皆さん冷静にならなければいけません。朝鮮には熱出力で25メガワットのごく小さな原子炉しかありません。京大原子炉実験所の原子炉は熱出力で5メガワットでした。日本でも世界でも標準的な原子力発電所は100万キロワットです。これは電気出力で、熱出力は300万キロワット、メガワット単位で示せば3000メガワット。つまり、朝鮮が持っている原子炉は日本の原発の原子炉の100分の1以下という小さなものです〉
〈朝鮮が原爆を作ったということすら、私はいまだに懐疑的です。でも、マグニチュード6.1の地震をもし爆弾で引き起こすとすれば、通常の爆弾では無理です。本当に、先日の地震が自然のものではなく、人工的なものだとすれば、原爆だろうと思います。水爆を作るためには重水素が必要ですし、起爆剤としての原爆も必要です。そうした材料や技術を朝鮮が持っているとは、私は思いません〉
北の核実験場を誰も確認できないのだから、「核兵器」だとも、「核兵器ではない」とも断定はできない。しかし、こうした科学者の分析もある中で、防衛相がことさら国民の不安をかき立てるような発言をするのはいかがなものか。「存立危機事態」をチラつかせた小野寺のことだ。何か特別な意図でもあるのか。
ジャーナリストの高野孟氏はこう言う。
「北朝鮮の言う核弾頭が水爆にまで到達しているのかどうか、また米国本土にまで届くICBM(弾道ミサイル)を保有したのかどうかというのは議論があるところで、いずれにしても、実戦配備には至っていない、というのが国際社会の見解です。問題は、このまま放置すれば1、2年のうちに保有する能力を持つかもしれず、それに対しどう対処するのかということ。ですから、安倍政権のように『我が国に対する新たな脅威』と慌てふためいては、北朝鮮の思うツボなのです。北朝鮮は1発でいいから核爆弾を持ち、あくまでそれを体制維持の交渉の端緒にしたいのであって、実行に移せば、5000発の核を持つ米国からどんな反撃を受けるか分かっているはずです。安倍首相ら閣僚は、米朝間の戦略的な駆け引きの焦点がどこにあるのか全く理解していません」
全国で行われるミサイル避難訓練(C)共同通信社
日本中が恐怖に包まれ「目には目を」の悪循環 |
この週末も、各地で北朝鮮からのミサイル発射に対応した避難訓練が行われた。東京・千代田区の小学校の訓練をNHKなどのテレビがニュースで流していたが、校内のスピーカーからJアラートの警報音が流れると、子供たちは防災頭巾をかぶって廊下に向かい、体を丸めてうずくまる。
どこかで見た光景だ。そう、モノクロ画像だったら、戦時中のフィルムニュースかと見まがう。あの映像を見て、背筋が寒くなる思いをした人は少なくないだろう。
先月29日のJアラートもそうだったが、政府がやっていることは、脅威をことさら煽るばかり。そこにきちんとした説明はない。
政治評論家の森田実氏がこう言って憤る。
「Jアラートは昔の空襲警報のようでしたし、ミサイル警戒の避難訓練は焼夷弾から身を守るための訓練のようでした。一連の北朝鮮の動きを利用して、日本を軍国主義化しようとする大きな力が働いているように思えてなりません。本当に異変があるのなら外交で解決すべきなのに、安倍政権は中国と話し合うことすらできず、外交努力を一切していない。国民は何の説明も受けないままに、恐怖に煽られ、戦時体制にブチ込まれようとしているのです」
■情報隠しが当たり前の安倍政権
大体、この政権が説明を避けるどころか、情報を隠すことは、南スーダンPKOの日報隠蔽問題や森友疑惑の佐川前理財局長答弁、そして加計疑惑でも嫌というほど見せつけられた。
特に加計疑惑では、官邸の入館記録を廃棄し、国家戦略特区WGに加計学園幹部が出席していたことも隠蔽。「非公式な立場だったから」と強弁し、出席が明らかになった後も頑として議事録に載せない。
その手法は、まさに「由らしむべし知らしむべからず」。国民はただただ政府のやることに従っていればいいという、前時代的で身勝手な論理なのである。そんな政府が、「北は核保有」と言ったって、信じろというのが無理というものだ。政府の言うこと、なすこと全てに疑惑の目を向けざるを得ないからだ。
それでも、世論は口先政権に流され、大メディアが政府の発表を大々的に報じるから、ますます恐怖に包まれる悪循環。日本中が冷静さを欠き、「目には目を」の論調が広がる。
世論調査で「圧力強化」に賛成は半数を超える。こうなると、もうとめどなく危うい方向へ進んでしまうのが気がかりだ。もともと、核武装論者がいるのが自民党だ。「北が核保有なら日本も」と、なりかねない。
いや既に、米軍と共同歩調を強めていることによって、日本は北に“核武装状態”と捉えられている恐れもある。前出の高野孟氏がこう言う。
「9日に、航空自衛隊のF15戦闘機が米軍のB1戦略爆撃機と編隊を組んで飛ぶ訓練を行いました。核爆弾の投下を任務とするB1に日本の自衛隊が協力するということは、米軍の核攻撃を日本が支援し、米軍とともに戦うと宣言したに等しい。安保法制を成立させた安倍首相は、日米同盟の強化を誇示したいのでしょうが、北朝鮮に対し、在日米軍基地だけでなく、日本全土を攻撃対象にしてくれと言っているようなものです。メディアは本来、何を余計なことをしてくれるのか、と怒らなければおかしい」
報復の連鎖が悲劇しか生まないことを、この国は過去の経験から学んだのではなかったか。
「北は核兵器保有」 小野寺防衛相と専門家では見解が違う|日刊ゲンダイDIGITAL https://t.co/JdN2tHizbv @tim1134
― 桃丸 (@eos1v) 2017年9月11日
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