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アントニオ猪木訪朝の足もとにも及ばない安倍首相の訪ロ
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2017-09-07 天木直人のブログ
時を同じくしてきょう9月7日、二人の政治家が外遊する。
アントニオ猪木議員の訪朝と安倍首相の訪ロだ。
どちらが日本国民にとって重要か。
もちろんアントニオ猪木の訪朝だ。
いまの日本で北朝鮮有事の回避と北方領土返還のどちらが重要か。
北朝鮮有事の回避であることは自明だ。
そのためには、北朝鮮に対する圧力(制裁)を強化する一方で、対話のパイプを保っておくことも重要だ。
制裁強化の国連決議を認めた米ロ中や、北朝鮮といまでも朝鮮戦争を戦っている韓国までも、裏ではさまざまな形で北朝鮮との対話を模索している。
ところが、小泉電撃訪朝で北朝鮮との対話の最先端を走っていたはずの日本が、いまでは最も北朝鮮とのパイプをなくしている。
そんな中で、北朝鮮を頻繁に訪問できるアントニオ猪木議員は、これ以上ない貴重な政治家だ。
彼の訪朝が具体的成果をもたらすなどと考える国民はまずいない。
しかし、少なくともこのタイミングで北朝鮮側の生の声が聞ける。
ひょっとして、何か新しい感触がつかめるかもしれないという期待感を我々に抱かせる。
それにくらべ、安倍首相の訪ロはどうか。
北方領土返還に進展が見られない事は昨年12月の安倍・プーチン首脳会談ではっきりした。
その後のプーチン大統領の発言でダメオシされた。
北朝鮮有事に至っては、いまや習近平主席よりもプーチン大統領のほうがはるかに制裁反対に回っている。
おまけにトランプ大統領の弱みを握っているプーチン大統領は、いまや米国の最大の敵対国だ。
そんなプーチン大統領に、北朝鮮に対する制裁を強化せよと安倍首相は説得しに行くという。
悪い冗談だ。
わずかでも何かが起きると期待させてくれるアントニオ猪木議員の訪朝と、成果がゼロであることがわかりきっている安倍首相の訪ロ。
どっちがより意味のある外遊か。
子供でも分かる話だ。
しかし、見ているがいい。
安倍首相に忖度する大手メディアは、無いものを有ると言わんばかりに安倍首相とプーチン大統領の19回目の首脳会談を喧伝するだろう。
その一方でアントニオ猪木議員の訪朝を評価する記事を書くメディアはないだろう。
大手新聞に未来がないのは当然である(了)
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