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時代錯誤で説得力のない「恩赦」は"抜かない刀"にすべし ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/212807
2017年9月2日 日刊ゲンダイ 文字お越し
慶応義塾大学名誉教授・小林節氏(C)日刊ゲンダイ
トランプ大統領が自分の支援者である元保安官に有罪判決からの免責を与えたことで、最近、「恩赦」という聞きなれない法律用語が話題になった。わが国でも近々行われる天皇の譲位(改元)に際して恩赦が検討されている。
恩赦とは、三権分立体制の下で、司法府の判断の結論を行政府の判断で消滅させる大権である。いわばマイナス司法権である。
これは、諸国の王政時代からの伝統に由来するもので、pardon(ゆるす)という語源から明白なように、「神の子孫」と自称(詐称?)していた国王の慈悲だとされていた。
もちろん、現代において「国王陛下のお慈悲により」などという説明が通用するはずもなく、一般に次のように正当化されている。@司法による法の画一的な適用の欠点を正す。A社会の規範意識の変化により特定の刑罰が不要になったので正す。B国家の慶弔時に全国民で気持ちを共有するために。
しかし、これらの説明には説得力がない。つまり、@司法による法の適用は本来画一的(法の下の平等)であるべきで、例外的に不正義が生じないように、捜査科学、訴訟法、三審制、再審手続きが存在するはずである。そこに、法的公正性がもとより担保されていない政治が介入すべきではあるまい。A社会情勢の変化により特定の罪と罰が不必要になった場合には、法律の改正による一律の救済(利益の遡及)が筋である。B新天皇の即位がめでたいことだとしても、だからといって、一律に殺人犯や強姦犯が赦免されるいわれはなく、先例では、結局、公選法や政治資金規正法違反が赦免されてきた。しかし、それは政治の腐敗に関する規範意識の低下を招くはずだ。これは政権による仲間たちの救済に他ならず、トランプが同志による違憲な人種差別的法執行を赦免したことと同質である。
だから、この機会に、国王主権で司法の独立も確立していなかった時代の遺物に過ぎない「恩赦」などという制度は廃止すべきであろう。しかし、そのためだけの改憲は政治的コストが高すぎる。ならば、次善の策として、憲法7条6号及び73条7号に規定された恩赦を今後は「抜かない刀」にしたらよい。
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