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前原・民進党新代表で、小沢一郎の「政治生命」がひっそり終わる このまま静かに消えていくのか…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52757
2017.09.01 現代ビジネス編集部
■前原・枝野双方にアプローチ
前原誠司元外相と枝野幸男元官房長官の一騎打ちになった民進党代表選挙は、前原氏の勝利がほぼ確実な情勢だ。
今回の代表選で陰に陽に前原氏にエールを贈り、その勝利を強く望んできたのが、自由党の小沢一郎代表である。
そもそも枝野氏は大の小沢嫌い。その仲の悪さは筋金入りで、民進党の歴史を振り返れば、2003年のいわゆる「民由合併」の際も、小沢氏の政治手法への警戒感から「小沢氏と一緒になるくらいなら議員辞職する」などと、最後まで合併に反対し続けたのが枝野氏だった。
その後も、枝野氏は周囲に「小沢嫌い」を公言してきた。それだけに昨年末、野党共闘をめぐって2人が食事をとりながら意見交換したことが明らかになった際には、関係者は驚いたものだ。しかし、それでも結局は、枝野氏の小沢氏に対する警戒心は解けなかった。
一方の前原氏も、決して小沢氏と近かったというわけではなく、それどころかむしろ、小沢氏が民主党幹部だった時代には「犬猿の仲」として知られた。しかしここ数年は「小沢嫌い」の態度を改め、定期的に小沢氏と会食の機会も持つようになっていた。
そうした会合の席上では、前原氏は小沢氏が説く「野党再結集・共闘論」や、共産党との選挙協力の必要性にも理解を示していたという。昨年9月の代表選でも、小沢氏は自身に近い民進党議員に前原氏をサポートさせ、両者は急速に接近を始めていた。
今回の代表選でも、小沢氏は「前原氏が勝利すれば、野党結集を打ち出すと思う」などと発言し、明らかに前原氏に肩入れしてきた。また、小沢氏に近い松木謙公衆院議員や、元小沢チルドレンとして知られる小宮山泰子衆院議員らも、前原氏の推薦人に名を連ねている。
■「小池」で計算が狂った
小沢氏が、ともに関係の悪かった枝野・前原両氏にアプローチをかけ、最終的に前原氏にベットするに至った背景には、自身の率いる自由党を民進党に合流させたいという思惑があったからに他ならない。小沢氏ならではの政局の流れを嗅ぎとる「カン」を働かせた結果、民進党内のイニシアチブを握る可能性がより高い前原氏を選んだ、ということに過ぎないのだ。
ところがその前原氏の立場が、代表選が本格化するにつれてブレてゆく。小沢氏の考えとは逆方向の発言をすることが増えたのである。
代表選初日の8月21日の共同記者会見では、さっそく「理念・政策が合わないところと協力することは、私はおかしいと思う」と踏み込んだ表現で、次期衆院選での共産党との協力見直しを表明した。小沢氏からしてみれば、せっかく前原氏の「後ろ盾」となってきたにもかかわらず、梯子を外された格好だ。
かと思えば、前原氏は29日になると突如、小沢氏率いる自由党について「もっともわれわれの政策理念に近い考えを持っている」と再び持ち上げた。なぜ、かつてない蜜月とも見えた前原・小沢両氏の関係は、土壇場でこのように迷走を始めたのだろうか。
背景には、前原氏の選挙戦を支える民進党保守系議員の多くが「天皇制や安保・防衛政策へのスタンスが全く異なる共産党との選挙協力は自殺行為だ」として、野党共闘に強いアレルギーを示すようになったこと、そして小池百合子・東京都知事が実質的に束ねる「日本ファーストの会」がにわかに国政進出の道筋を具体化し始めたこと、これら2つの事情がある。
理念が大幅に異なる共産党と無理に共闘しても、広く国民の支持が得られるとは考えづらいし、下手をすると党が空中分解しかねない。より立場の近い日本ファーストの会が今後安定した勢力になるのなら、そちらと組んだほうがまだ可能性がある。
こう考える民進党保守派は、「もし共産党との協力を見直すことができないなら、先に離党した長島昭久氏や細野豪志氏らに続き、民進党を離れる」との構えを見せているのだ。
前原選対のある中核メンバーは、こう話す。
「前原さんは、民進党をこれ以上分裂させないということを第一に考えている。そのため、共産党が勝手に候補者を下ろしてくれるというなら野党共闘だって歓迎するが、そうでないなら、選挙協力路線は見直さざるを得ない。小沢さんの望む自由党の民進党への合流についても、党内にはまだ小沢アレルギーが根強いから、慎重にならざるを得ない」
■そもそも、なぜ共産党と?
「剛腕」を誇った小沢氏の政治力も今は昔。かろうじて政党要件を満たす、所属議員わずか6人の小さな党を率いているに過ぎない。
その小沢氏の現在の唯一の「売り」が、共産党との親密な関係である。
小沢氏と共産党の志位和夫委員長は、近年たびたび会談を持っていることが知られているが、実は志位氏は「本丸」ではない。小沢氏が共産党対策に絶大なる自信を持ち、その一点をもって民進党に切り込もうとする背景には、今なお共産党内で圧倒的な影響力を誇る不破哲三前議長との「信頼関係」があるのだ。
小沢氏は、2009年の衆院選で極秘に不破氏と接触。小沢氏の説得を受けた不破氏の「鶴の一声」で共産党は候補者を大幅に減らし、反自民票を民主党に集めて大勝に導き、政権交代を実現したという経緯がある。
当時、この2人を引き合わせたのは、衆院事務局職員の時代から不破氏と親交があった、小沢氏側近の平野貞夫元参院議員だと言われている。
この時、小沢氏は「共産党が候補者を大幅に絞ってくれれば、政権交代は必ず実現する」と大見得を切り、不破氏の説得に成功した。衆院選で本当にそれが実現したことから、以来不破氏は「小沢はたいしたものだ。有言実行で政権交代を実現してしまった」と小沢氏を高く評価するようになった。
その不破氏に、小沢氏が再び接触を始めたのは今から2年ほど前のこと。小沢氏が志位委員長との関係の深化に成功したのも、不破氏からの絶大なる信頼があってのことだ。
■時流が味方しなかった
小沢氏は「共産党と候補者調整の話ができるのは自分しかいない」と各所で吹聴し、代表選に勝つと見込んだ前原氏にも「共産党との関係は私に任せてもらえれば大丈夫」と言い続けてきた。こうした小沢氏の自負そのものは、ある程度事実だろう。
ところが前原氏は、土壇場で共産党との選挙協力を見直すとともに、一方で手下の保守系議員たちが望む「都民ファーストの会」との協力関係構築を目指す考えに傾いている。小池新党の登場に関しては、これはもはや「時流が小沢氏に味方しなかった」としか言いようがない。
小泉純一郎元首相と同じ昭和17年生まれで、今年5月に75歳になった小沢氏。氏にとって、政治家人生の晩年になって築き上げた共産党との親密な関係は、再び政治の表舞台に立つための「最後の切り札」とも言えるものだった。だが、その道のりは極めて厳しいものになりつつある。
代表選の終盤、前原氏の側近からは、「小沢氏と一緒にことを進めれば、必ずその毒に侵されてしまう。やはり静かに消えてもらうしかない」との声も聞かれた。
既存野党の弱体化が限界に達し、「野党共闘」の夢が潰えるとともに、小沢氏の政治家としての寿命も尽きてしまうのだろうか。
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