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2017年08月31日 「ジャーナリスト同盟」通信
<北一番乗りはアメリカが先>
たかだか北朝鮮のミサイル実験にすぎない。これまでも繰り返し実験が行われてきたのだが、今回は異様な、政府の不安煽りが際立つ。あたかも核を積んだミサイルが、日本列島に落ちると想定したような対応である。それに自治体とマスコミが大動員された。事情を知らない国民の、右往左往するサマが映像で拡大された。狂気を乱舞させる理由は、死に体政権の維持存続に尽きる。残るは北朝鮮一番乗りであるが、なんとトランプに押し切られたという。「俺が先だ」と抑え込まれたらしい、と事情通が電話してきた。さもありなん、である。
<安倍の身代わりに小泉>
そこで安倍は身代わり役を準備した。指名されたのは、表向きの反原発派の小泉純一郎だ。田中真紀子外相更迭で地盤沈下したあと、平壌に赴いて、拉致被害者の一部を、一週間の約束で連れ帰った。安倍官房副長官らの意向で、日本に留め置いて返さなかった。平壌が「約束を破った」と怒って、以後、不信の芽が大きく育って、今日を迎えてきている。
「返すから安倍が平壌に来るように」と今回も釣り糸を垂らしてきた。これに飛びついたものの、ワシントンが中止を求めてきた、というのだ。
困った安倍は、一度成功した小泉に代役を頼んだ。8月15日夜のことである。黒幕・笹川陽平別荘に、清和会の首相経験者に招集をかけて、小泉に直談判したという。
先の人事では、元衆院議長の伊吹に文科大臣を要請して断られた安倍である。それを今度は拉致問題解決に、先輩の小泉を引っ張り出そうとしたが、むろん、イエスとはいわなかった。
<逃げた小泉?>
小泉のお蔭で、今日の安倍がある。官房長官や幹事長に就任させ、人事と金を渡して、安倍内閣が実現したものである。
しかし、政権を担当した安倍は、小泉のいうことを聞かない。原発再稼働に必死だ。そんな抵抗する小泉に対して、不思議な情報が舞っている。「安倍は小泉秘書の飯島を内閣参与にして、秘密情報を表面化させている。とことん、小泉を追い込んでいじめている。ブログ掲示板には、小泉の若いころの不祥事がよく出ている。しかし、小泉も喧嘩ができない。倅を安倍に握られているからだ。二人の関係は、かなり微妙、それゆえに、清和会パトロンを登場させての8・15深夜の大宴会となったが、安倍の要請に小泉はNOだった」というのである。
<あきらめきれない安倍>
「今回の北海道沖のミサイル実験は、安倍に対するメッセージ。それは早くしろッという催促だ」とのうがった見方もある。
清和会オーナーの福田康夫からは「安倍で日本は破滅する。霞が関も崩壊している」との安倍退陣論は、安倍・日本会議にとって足腰が立たないくらいの大衝撃である。
その後の安倍日程が、見事に証明している。よたついてしまった心臓を、素人目にも印象付けている。つくられる世論操作で生き延びるしかないありさまだ。したがって、拉致問題は格好の人気浮上材料である。
9月1日には、野党第一党の民進党の代表選挙が実施される。安倍にとって、第二自民党色の前原体制が好ましい。たとえ、そうなったとしても、森友・加計・強姦もみ消し事件の追及は、引き続きさく裂することになる。
「よたよたの安倍も、内調・公安警察情報に懸命になっている。まだあきらめていない証拠」と事情通は予測しているのだが。
2017年8月31日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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