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臨時国会を巡り与党と官邸に秋風が吹き始めたのではないかー(田中良紹氏)
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27th Aug 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
「秋風が吹けば政局が始まる」とかつて永田町では言われた。
自民党総裁選挙が秋に行われたからである。
「万年与党」と「万年野党」の時代には自民党総裁選挙が
日本の最高権力者を決める唯一の選挙で、その結果は全国民の関心事だった。
しかし選挙に国民は参加できない。参加できるのは自民党員だけである。
そういうことが38年間続いてきた。
冷戦時代は「親米反共」の自民党が「万年与党」で問題はなかったが、
冷戦末期には米国が「親米反共」でも民主主義的でない政権を認めなくなる。
フィリピンのマルコス独裁政権や韓国の全斗煥軍事政権が転覆された背後には
米国の工作があった。
そして米国は政権交代が起きない日本を「異質な国」と問題視するようになる。
一方、38年間も権力の座にあった自民党に「驕り」と「腐敗」がはびこり、
それが数々の事件を引き起こして国民にも見えるようになった。
最高権力者を国民に選ばせるには政権交代可能な構図を作らなければならない。
そのため衆議院に小選挙区制が導入され、
19年前から小選挙区比例代表並立制の選挙が行われ、
最高権力者は「秋風の吹く頃」ではなく衆議院選挙の時に決まるようになった。
ところが今年の秋は昔に戻って「秋風と共に政局が始まる」気配である。
自民党総裁選挙は来年秋の予定で、衆議院選挙もあると決まった訳ではないが、
しかし支持率急落の安倍政権はこの秋に数々の壁を乗り越えなければならない。
乗り越えられなければ退陣するしかない。
25日に夏休みから公務に復帰した安倍総理は二階幹事長と会談し、
茨城県知事選と衆議院トリプル補選について必勝を期すよう指示した。
二階幹事長は記者団に「茨城県知事選で勝てば世の中の空気は変わる。
最後の馬力を出して頑張りたい」と述べ、
補選についても「三勝以外に選択肢はない。勝ち切る」と語った。
このように壁の第一は8月27日と10月22日の選挙である。
8月27日の茨城県知事選は現職と自民党候補が激しく競り合い
予断を許さない情勢だという。
そのため小泉進次郎氏など自民党国会議員が大挙して応援に駆けつけたが、
それが逆に地元の反発を買う恐れもあり、
もし自民党が負ければ「世の中の空気」は反安倍が加速する。
一方、10月22日に行われる青森4区、愛媛3区、新潟5区のトリプル補選は、
いずれも自民党議員の死去に伴うもので自民党としては取りこぼすわけにいかない。
「三勝以外に選択肢はない」はその通りで、
一つでも取りこぼせば安倍政権のダメージになる。
野党にすれば安倍総理を退陣に追い込める絶好のチャンスである。
ここで全野党が協力できなければ逆に野党は国民の信頼を失う。
民進党のリーダーが誰になろうが、共産党との選挙協力を行わないことなど
許されない。
従って与野党ともに背水の陣となり、安倍総理は自らの首をかけた戦いになる。
そして注目はそれが臨時国会の最中に行われることである。
15年の通常国会で安保法制を強行採決した安倍政権は
それによって支持率が急落すると、
野党が憲法53条の規定によって臨時国会の召集を要求しても、
外交日程を理由に閉会中審査を2日間行っただけでついに臨時国会を開かなかった。
しかし今回は23日に自民党の二階幹事長と公明党の井上幹事長が会談し、
9月25日の週に開くことで合意した。
従って臨時国会は開かれる方向だ。
開かれれば安倍総理が再三「丁寧に説明する」と答弁した「森友・加計問題」が
取り上げられることになる。
そして二階、井上両幹事長は地方の景気対策のため
17年度補正予算案の臨時国会提出も合意した。
補選に勝つには地方に予算を振り向ける必要があるとの判断からである。
しかし予算委員会が開かれれば安倍総理が出席する中で国会のテレビ中継が行われ、
何を質問しても許されるため「森友・加計問題」が追及されることになる。
ところが自公両幹事長の判断を覆し、25日に茂木経済再生担当大臣が
「臨時国会に補正予算を提出する必要はない」と否定的な見解を表明、
菅官房長官も同様の考えを示した。
それを見るとどうしてもテレビ中継で「森友・加計問題」を追及されたくない
安倍総理の苦境が見えてくる。
2年前の安倍総理は国民から「安保法制の説明が不十分」と言われ、
何度も「これからも丁寧な説明をする」と国民に約束しながら、
最後まで臨時国会を開かずに逃げ切った。
今回もそれと同じことを考えているのなら「柳の下に泥鰌は2匹いない」と
言わなければならない。
安保法制は国民を反対と賛成に分断し、多くの国民は訳が分からないままだった。
しかし「森友・加計問題」は安保法制とは問題の性格が異なる。
最高権力者による「政策の私物化」、「税金の私物化」、
そして行政府の「情報隠蔽」が疑われている。
それに対し安倍総理は「一点の曇りもない」と啖呵を切ったのだから
国会での説明を逃げるわけにはいかない。
逃げれば選挙に影響することは必至である。
逃げるのは問題がそれほど深刻であることになり逃げて済む話にならない。
しかも自公両党の幹事長が合意した選挙のための補正予算を
官邸が否定するというのは与党と官邸の間で「政局が始まった」ことを感じさせる。
安倍総理と二階幹事長の間には「隙間風」が吹いているのではないだろうか。
東京都議選後の安倍総理には二階氏に心を許していない態度が見えすぎるのである。
萩生田光一官房副長官をお目付け役として幹事長代行に送り込み、
また米国とのパイプ役に使ってきた河井克行総理補佐官を
自民党総裁外交特別補佐というポストを作って送り込んだり、
そして二階氏を内輪の会合には決して入れない。
東京都議選で見えたのは公明党が離れたら自民党は選挙に勝てないという
現実である。ところがその公明党が補正予算の必要性を求めているのを
官邸は否定させた。
これでトリプル補選に取りこぼしが出れば補正予算を官邸が否定したからと
与党は言うだろう。
そして2敗でもすれば安倍総理の退陣が現実になる。
衆議院選挙は総理を代えないと勝てないと与党は考えるようになる。
今年の秋風は強めの風が吹くかもしれないのである。
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