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2017年08月21日 「ジャーナリスト同盟」通信
<佐藤誠三郎本で黒幕返上?>
いよいよという場面で、清和会の黒幕登場となった、先の笹川別荘での安倍晋三・麻生太郎・森喜朗・小泉純一郎の4者会談、実際の主役は彼らの闇のスポンサー・笹川陽平である。気になって書棚から、佐藤誠三郎本「笹川良一研究」を取り出して斜め読みした。ナベツネが買収した中央公論社から、著者が亡くなる前年の98年に出版されている。そこでは児玉誉士夫と肩を並べる戦後右翼の親分である笹川良一が、あたかも英雄であるかのように描かれている。歴史もそうだが、人物論も、書き手によって天地の開きがあるが、それにしてもひどい。岸信介や児玉らと、A級戦犯として拘束されていた巣鴨刑務所の英雄だと、本人の言い分をそっくり紹介していて価値が低い。
<変わらないギャンブル利権独占>
第一章が「この世の掃除人」、第二章「風変わりな右翼」、第三章「巣鴨プリズンのヒーロー」そして第四章が「福の神」になった男、副題は「競艇から博愛活動へ」である。
右翼のドンとして恐れられた人物が、保守の論客の手で、見事に変身したのだ。もしも、この本が英文や中文で翻訳されているとすれば、見事に正体を隠せるだろう。
筆者は若くして自民党大平派を担当した。そのころ、大平ブレーンとしての佐藤を、まともな学者と認識する過ちを犯した。その人物の書いた笹川本を、いつか読もうとして、狭い書棚に押し込んであったものである。
まともな学者でも金に困ると、横にそれるものだ。ネットで調べると、彼は笹川本を2冊も出していた。佐藤晩年の作品である。晩節を汚したような本である。徹底した天皇主義が笹川の信念である。生長の家の谷口雅春と同列、過去を反省できない右翼・国粋主義者だ。
それでいて、ギャンブル利権を独占、その豊富な資金をばらまいて、見事に正体を隠した笹川一族である。いま日本財団とか東京財団として、世人の目をごまかしている。かつては運輸省、いまの国交相の役人を手玉に取って、利権を一族で独占している。この不条理に対して、政権担当時の田中角栄が挑戦したが、岸信介を引きずる福田派が抵抗して失敗した。
いずれまともな民主主義政府が誕生すれば、笹川独占は排除される運命にある。
<千葉三郎が「笹川さん」と呼んでいた!>
駆け出しの政治記者が、笹川良一を耳にしたのは、自民党の反共団体・素心会の会長をしていた千葉三郎の発言である。彼は岸を「岸君、岸君」と呼んでいた。それでいて「笹川さん」とさん付けしていたのだ。
これは、今からすると「笹川資金」と関係していたのであろう。もちろん、裏金である。東芝財閥の手口と同じだ。金のある組織・人物の献金は、経理操作不要だ。
一度だけ、笹川良一を遠くの方から見た。都内のホテルで行われた福田派の集金パーティーである。右翼のドンを、派閥の集会であいさつさせた福田赳夫ということになる。異例・異常な場面だった。福田とやくざの関係を、筆者の同僚の社会部長が、見事にすっぱ抜いて、東京タイムズの1面を飾ったこともある。
福田のライバル・中曽根康弘は、ナベツネ同様、児玉とも一心同体だった。やくざ・右翼と連携する福田派と中曽根派だった。
当時の宏池会ブレーンの安田正治は「うちは池田勇人以来、右翼を寄せ付けない」と豪語していた。今の岸田・宏池会はどうか?
このことは、自民党派閥の中にも、国民レベルで、右翼を唾棄すべき存在として、出入りを禁じていたことは、評価すべきであろう。宏池会は、断じて児玉や笹川の金に手を出さなかった。
<筆者も日中友好派団体として紹介する過ち>
筆者も大いなる過ちを犯していた。猛省するほかない。
「大中国の真実」(データハウス)を書いた際、友人の勧めで「笹川の中国人医師育成を取り上げてはどうか」といわれ、笹川の日中友好活動として紹介した。東京・虎ノ門の日本財団に出向いて、担当者から取材して紹介した。
佐藤は、本の中で「外国で評判のいい笹川良一」と評価しているが、その豊富なギャンブル資金を使って、相手の懐に飛び込んでゆく。狙いは何か?この手合いは、笹川に限らないだろうが、事情を知らない第三者は、悪い気はしないものだ。
各種の福祉施設にも、笹川のギャンブル資金がばらまかれていて、これを称賛する向きもあるようだが、問題は、指摘したように競艇ギャンブルを一族で独占することは、民主政治に反する。独占禁止法が、民主的な経済活動では不可欠なのだから。
それを誰も指摘しない。指摘できない。なぜか?怖いからである。法治が適用されない三流国であることを証明している。
<笹川一族と手を切った福田康夫!?>
靖国参拝に異を唱え、日中友好を前提とした東アジア経済を夢見る福田康夫は、安倍や森・小泉と違って、反共主義を嫌うリベラルな平和主義者である。戦前の天皇主義を評価しない。
直接会って聞いたわけではないが、彼は歴史を直視しているのであろう。広島・長崎の、原因が何か、を承知しているのであろう。過去を正当化する、笹川一族に違和感を抱いているに違いない。その点で、岸の子分を抱え込んだ実父・赳夫と違う。
もっとも、福田は岸の娘婿・安倍晋太郎を派閥の後継者にしながらも、決して安倍晋太郎を息子のように扱おうとしなかった。むしろ、気安く接触してくる晋太郎のライバル・田中龍夫を信用した。元福田秘書は「私の目の前でも、福田さんは二度も晋太郎を叱責する場面があった」と証言している。田中の後継者は河村建夫である。河村事務所には、田中を支えた大物女性秘書が、今も君臨している。
福田康夫が尊敬した政治家は、宏池会の宮澤喜一である。我が家には、宮澤書の「大樹深根」の色紙があるが、康夫宅にも飾っているかもしれない。
笹川一族も、安倍の時代と共に衰退することになろう。
2017年8月21日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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