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沖縄を熱狂させた、瀬長亀次郎「魂の演説」を聴け 【ルポ・アメリカが最も恐れた男】A
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52613
2017.08.19 佐古 忠彦TBS記者・キャスター 現代ビジネス
第二次大戦後、米軍統治下の沖縄で唯一人"弾圧"を恐れず米軍にNOと叫んだ日本人がいた。「不屈」の精神で立ち向かった沖縄のヒーロー。民衆の前に立ち、演説会を開けば毎回何万人も集め、人々を熱狂させた。その名は、瀬長亀次郎。
TBS報道局記者兼キャスターとして亀次郎を追いかけ、映画「米軍が最も恐れた男〜その名はカメジロー」(http://www.kamejiro.ayapro.ne.jp/)の監督を務めた佐古忠彦氏が、この男の生涯を描く――。
(第一回はこちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52554)
■毎回、数万人の聴衆が
戦後、アメリカ占領下からの日本復帰を訴えて結成された「沖縄人民党」。亀次郎は、書記長、委員長などを務め、主要メンバーとして活躍する。
とくに注目されたのは、沖縄の人の魂を鷲づかみにする、ド迫力の演説の魅力だった。亀次郎の演説には、毎回数万人もの聴衆が集まった。
亀次郎の演説を聞くために集まった人々
亀次郎の「追っかけ」だった島袋善祐の頭からは、あるフレーズが離れない。筆者の前で、島袋は亀次郎のジェスチャーそのままに、再現してみせた。右手を高々と上げて、そのフレーズは始まった。
「手を挙げて、一握りの砂も」
次は左手。人差し指を立てた。
「一滴の水も」
そして両手を広げて、次に体の前で輪を作った。
「ぜーんぶ、私たちのものだ」
「地球の裏側から来たアメリカは、ぬするれいびんど……泥棒だ」
「だから、みんなで団結して負けないようにしようと」
すると、会場からこんな声があがった。
「したいひゃー!カメジロー!!」
「したいひゃー」とは、沖縄の方言で、やった、でかした、あっぱれという意味である。権力者を前に言えないことを、亀次郎が言ってくれる。胸のすく言葉に民衆は熱狂していた。亀次郎は、こう訴えた。
「あきらめちゃならん。戦に負けたのは仕方がない。戦争に負けたんだから、財産も焼かれた。しかし、これは間違いなんだ。戦争したのはだれか? 東京の日本政府だ。われわれはやってない。だから、私たちから奪うのは間違いだ」
亀次郎がしゃべれば、聴衆は熱狂でこれに応えた
墨で予告を書き、バケツにのりをためて、演説会の告知ビラを電柱に貼り歩く。それを見た人々は、「きょうは亀次郎の演説だ」と、声を掛け合って出かけた。亀次郎の演説は、占領下の沖縄の人々に希望を与えていた。
島袋は、当時の聴衆の声を思い出していた。
「いい勉強になりおったよ。勇気が出るって。戦争に負けて、親もみな殺されて、みな泣いていたからね。前に進むようにって。この演説が、米軍に射殺された天国のお父さんもお母さんも喜ぶんだよって」
そして、聴衆は声をそろえた。
「亀次郎は神様みたいだね」
■「ワシントンだって動かせます!」
裸電球が一つつるされ、演台の上にはやかん。これが亀次郎の演説のスタイルである。「神様」の演説は、聴いた者の心をつかんで離さなかった。
いまに語り継がれる名演説、名フレーズがある。終戦から5年後の1950年、群島知事(奄美、宮古、八重山諸島などの自治政府)選挙に出馬、首里中学校の校庭での立会演説会に臨んだ。
亀次郎は、団結して声を上げることの大切さを訴えた。
「この瀬長ひとりが叫んだならば、50メートル先まで聞こえます。
ここに集まった人々が声をそろえて叫んだならば、
全那覇市民にまで聞こえます。
沖縄70万県民が声をそろえて叫んだならば、
太平洋の荒波を超えてワシントン政府を動かすことができます」
この演説会で司会をしていた仲松庸全の耳には、いまも鳴り止まない拍手の音が残っている。
「指笛を鳴らして、拍手が収まらない。司会者の私も、次の弁士を紹介しなければならないのに、長い時間がかかるんです」
仲松も、亀次郎の言葉の魅力を語る。
「戦争が終わって、無の中から焦土の中で生活を始めて、アメリカのちょっとの配給では食べていけない。アメリカのやり方にも不満がある。みんなこぼすことはこぼすけど、大きな声で訴えるのは瀬長さんが初めてでした。それまで誰も口にしなかった基地撤去とか、米軍は土地代を支払えとか、そういう要求を高く掲げて演説したんです。すごい迫力でした」
首里周辺の道路は、あちこちに停められた車で全く動きが取れなくなるほどで、4万人が中学校の校庭を埋め尽くした。
元知事の稲嶺惠一も、亀次郎の演説を追いかけていた一人だ。当時高校生だった稲嶺にとっても、亀次郎は「希望」だった。
知事時代は、いつも苦虫を噛み潰したような表情をしているイメージだったが、筆者が久しぶりに会った稲嶺は、ニコニコしてとても元気そうだった。知事時代は、基地問題に悩み、毎日泡盛を飲まないと、眠ることができなかったという。
群島知事選挙が行われた1950年、稲嶺は高校2年生だった。
「大衆的なおじさん、沖縄のおじさんといった感じだったですねえ。親しみやすいんです」
亀次郎は、タレント、芸能人のような存在だったという。
「演説の日は、早い時間から、むしろをもって、仲間と一番前に席を取って聞いていましたね。何時間も前から座り込んでね。強烈にアメリカをたたくでしょ、気持ちを代弁していってくれるし、為政者をやっつけてくれる。若い青年にとっては憧れの人でした。非常に痛快で、演説が終ると、みんなニコニコして帰っていきましたよ。
いまでこそ、権力者に対しても言いたいことが言えるけど、米国の統治下はそうではないんですね。はっきりいうことは相当勇気が要ることで、いつ投獄されるかわからない。その中で言ったということが評価されたんじゃないでしょうか」
■米軍とマングース
終戦直後、アメリカ統治下の沖縄について、島袋善祐には鮮烈な記憶が残っている。
「これからは、民主主義です、もう戦争はありません、と偉い人は言うよ。でも、夜になれば、米兵が女を襲いに来るさね。へい、奥さん、姉さんと来るさ」
島袋は、毎晩のようにやって来る米兵から、どうやって母や姉を守るか、悩んでいた。思いついたのは、家の中で一番大事な床の間にのこぎりを入れて、床下に隠れ場所を造ることだった。
「ここをのこぎりで切ってね、おかあさんとお姉さんをそこに入れて、女はいませんと。玄関にも大きな靴を置いて、女はいませんと」
「男しかいない」と、いかに信じさせるか――それだけを考えた。
幸い、島袋一家はなんとか難を逃れたが、集落内では米兵による婦女暴行が相次いだ。沖縄では子どもが生まれると、隣近所が集り、お祝いする風習がある。
あるとき、集落内で、「絶対に来ないでくれ」と、来訪を拒否する家があった。生まれてきた赤ん坊は、家族の誰にも似ていなかった。褐色の肌。出産後に初めて、娘が黒人兵に暴行を受けていたことがわかった。大きなショックを受けた父は、集落の人々の祝福をかたくなに拒んだ。
「みんな言わないだけで、12名は米軍に襲われた。いつのことだったか、母と話していて、12名といったら、13名だといわれた。実は、ってお母さんが言う。あんたのおばさんも米軍に犯されたんだよ、と初めて聞いた」
常に身近に暴行の恐怖がついてまわる。それが、沖縄の戦後の始まりだった。
「米軍はマングースと一緒だ」と島袋は言う。マングースとは、沖縄に生息する毒蛇・ハブの天敵といわれ、ハブ退治のために沖縄に導入された外来種だが、招いたのは、悲惨な結末だった。ハブ退治より、むしろニワトリ、アヒルなど鳥類の敵となり、天然記念物ヤンバルクイナまで食い荒らした。
「良くするといって外から入ってきたが、結果は暴行するわ、ジェット機を落とすわ……マングースと一緒だ」
亀次郎が政治活動を始めたのは、こんな時代だった。
このころ、亀次郎自身も、ある現場に遭遇している。一人の女性が米兵に暴行されていた。傍らには、その夫がいた。妻を守ろうと必死に抵抗した夫は、しかし、その場で米兵に射殺されてしまった。
こんなことが、日常的に頻発していた。
(以下次号)
前回記事
「アメリカが最も恐れた沖縄の男」瀬長亀次郎の一生涯 すべては持たざる人のために(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/senkyo230/msg/593.html
映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』予告編
2017/07/19 に公開
占領下の沖縄で米軍の弾圧にひるむことなく非難の声を上げ続けた政治家の瀬長亀次郎氏の人生をひもとくドキュメンタリー。2016年にテレビ番組「報道の魂」で放送された内容に追加取材や再編集を行い、瀬長氏の闘いを描く。監督は、長年TBSでキャスターを務めてきた佐古忠彦。テーマ音楽を坂本龍一が担当する。
作品情報:https://www.cinematoday.jp/movie/T0022205
配給: 彩プロ
(C) TBSテレビ
>亀次郎自身もある現場に遭遇している。一人の女性が米兵に暴行されていた。傍らにはその夫がいた。妻を守ろうと必死に抵抗した夫は、しかし、その場で米兵に射殺されてしまった
― 超兄貴ざんす📢🗿📢 (@chouaniki_zns) 2017年8月19日
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「阿保アベも良く聞け耳の糞ほじくって!!」 沖縄を熱狂させた、瀬長亀次郎「魂の演説」を聴け 【ルポ・アメリカが最も恐れた男】A https://t.co/Rb2eU4asJ2 #スマートニュース
― エイユー8379 (@AU_8379) 2017年8月19日
沖縄を熱狂させた、瀬長亀次郎「魂の演説」を聴け https://t.co/1NFvAlulj6
― ゴマメノハギシリ (@Rambling_Hermit) 2017年8月19日
こういう「沖縄で行われた事実」をもっと多くの人が認知し理解していかないと。沖縄の人々が耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んできた事実を、アメリカの人にも広く認知し理解してもらわないと。
沖縄を熱狂させた、瀬長亀次郎「魂の演説」を聴け 【ルポ・アメリカが最も恐れた男】A(現代ビジネス) https://t.co/eDFbtQhrlr @YahooNewsTopicsウヨは終戦後、沖縄で何が起きたのか調べもしないで県民を中傷する。本当に愛国なら真実を勉強しろ。
― 砂山ヒロ (@nagakita21) 2017年8月19日
沖縄を熱狂させた、瀬長亀次郎「魂の演説」を聴け 【ルポ・アメリカが最も恐れた男】A(現代ビジネス) https://t.co/uPpfSQcId0
― 時代遅れの酒呑みオヤジ (@J_W_ARCADIA) 2017年8月19日
瀬長は日本共産党に合流したが、本質的には素朴な民族主義者だろう。瀬長の言動や日記からはその様に思える。
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