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「無神経なビキニ水着」という産経新聞の記事が教えてくれる事
http://kenpo9.com/archives/2017
2017-08-13 天木直人のブログ
きょう8月13日の産経新聞の「新聞に喝!」というコラムで、元東大教授の酒井信彦という人が書いている。
「ビキニの水着」という表現は無神経な言葉だと。
このような言葉を許容しているようでは反核の本気度は疑わしいと。
つまり、「ビキニの水着」の語源は、昭和29年(1954年)に米国が太平洋のビキニ環礁で水爆実験を行った事から来ているという。
日本のマグロはえ縄漁船が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが半年後に亡くなった、あの事件だ。
セパレート型の水着が、きのこ雲を連想させたからかどうかは不明らしいが、「ビキニ」が、水爆実験のビキニ環礁から来ている事は間違いないらしい。
そうだとすれば、確かに、その言葉を平気で使い続けているのはおかしい。
やめたほうがいい。
誰もがそう思うだろう。
問題は、この酒井信彦という教授が、朝日叩きの新聞である産経新聞の紙上で、朝日新聞の記事を引用して、半核に熱心な朝日新聞が平気でこの言葉を使っているのはおかしい、と書いていることだ。
これでは産経の読者しか納得しない。
その一方で、「ビキニの水着」を使うのは無神経だと、なぜ左翼が言い出さないのかと、私はこの記事を読んで思った。
いかにも左翼が言い出しそうなことだ。
調査報道に強い赤旗が書きそうなことだ。
しかし、もし赤旗が真っ先に「ビキニの水着」の呼称をやめようと書き、左翼がそうだと騒ぎ出せば、そのとたんに一般国民は引いてしまうだろう。
私はここに、憲法9条改憲反対や、原発反対や、辺野古反対が、それらがいかに正しくても、国民的な運動に発展していかない大きな原因があると思っている。
北朝鮮の危機を軍事的に解決する事は不可能であり不適当であることは、良識的な国民なら誰でもそう思っているだろう。
原発再稼働だって、それに積極的に賛成する一般国民は少ないはずだ。
ここまで主権を放棄した日本の対米従属外交はおかしいと、サラリーマンの多くが赤提灯の下で語っているはずだ。
沖縄住民の声を無視する形で辺野古移設工事を強行することだって、オスプレイの飛行だって、ここまで日本の安全保障政策が米軍に支配されているのはおかしいと、良識ある一般国民は思っているはずだ。
軍事力の強化にしたって、いくらそんなことをしても日本の安全保障は確保できないと思っているはずだ。
しかし、それれを声高に訴え、反対しているのは共産党であり、野党共闘だ。
つまり野党の専売特許になっているから、一般国民はついて行かず、いつまでたっても国民的合意にならないのだ。
政局の道具にされていることを一般国民は見抜いている。
もし、それらの問題が、いわゆる自民党ハト派から提唱され、自民党ハト派が政権を取っていれば、国民は納得してついていくだろう。
もし若狭勝が作ろうとしている、自民党でも民進党でもない、ましてや共産党でにない新党が、それを言い出して、小池百合子がそれを認めて小池新党の公約になったとしたらどうか。
細野豪志が若狭勝の説得に応じ、そのような小池新党に参加したらどうか。
小池新党は安倍自民党政権に代わる国民新党として一挙に浮上するのは間違いない。
そうなれば新党憲法9条は不要になる。
しかし、決してそうはならないから、新党憲法9条がますます必要になってくるのだ。
憲法新党9条は、政権政党や連立政権入りを求めない。
正い保守政党、いや、その言葉が適切でないなら、正しい国民的な政党が、安倍自民党政権に代わって政権を担い、野党共闘の言っている事を取り込むことをうながす政党である。
不毛な政権交代を求める野党共闘を排し、誰が政権をとってもいいから、一般国民の声を正しく政治に活かすように政権政党を監視し、注文をつける、そういうオンブズマン(監視)政党を目指そうとしているのだ。
これこそがこれからの政治に求められているものである。
「無神経なビキニ水着」という産経新聞の記事が教えてくれる事は、まさしくその事である(了)
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