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「読売読め」で改憲にブレーキ/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1868790.html
2017年8月8日9時59分 日刊スポーツ
★首相・安倍晋三は改憲に極めて積極的だ。5月の憲法記念日に合わせて「20年の新憲法施行」「9条への自衛隊明記」を新聞のインタビューで展開。その後の国会答弁で改憲に関する発言ついて「(自民党)総裁として発言するが、総理として発言しない。知りたければ詳しくは読売新聞を読んでください」との発言につながる。
★この段階では姑息(こそく)ながら総裁と首相を使い分け、一議員を装い発言しているから、総裁発言は国会では答えず新聞を読めという表現になっている。発言の意図は「共謀罪」強行採決とそのころから厳しくなってきた森友・加計学園疑惑から関心をそらすのが目的だろうといわれたが、一方で遅々として進まぬ国会の改憲議論を刺激したと言えそうだ。つまり当時は「期限ありき」の改憲議論を促した首相のいら立ちとおごりが、この発言には表れているといえるのではないか。国民の中の改憲派に「首相の言うとおりだ」という世論喚起をさせ、強行採決や疑惑隠しをしながら首相の改憲への思いを進めるべきという声にすり替えたかったのだろう。
★ご案内のように憲法改正は議会が発議して進められる。内閣でも首相でもない。逆に内閣の一員は憲法の順法精神をより厳格に守る姿勢が求められる。首相の改憲発言自体が極めて不健全なのだ。だが党の議論も国会の議論も遅々として進まない、いら立ちから総裁発言という奇策を編み出したのだろう。結果は国民の態度を硬化させたといえる。内閣改造で党政調会長・岸田文雄ら新執行部は改憲について「党に任せてほしい」と首相をけん制した。首相も「期限ありきではない」と発言を後退。改憲論者が結果的にブレーキになっていたということになる。(K)※敬称略
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