2017年8月5日(土) 「おわび・反省」中身なし 新閣僚 悪政推進の姿勢露骨 「森友」「加計」疑惑や防衛省の「日報」問題をあげて「深く反省」「国民の声に耳を澄ます」(安倍晋三首相)とした改造内閣。しかし、各閣僚は就任後の会見で、民意に応えない無反省な発言を連発しています。 林芳正文科相は、加計学園の獣医学部新設をめぐる文科省の内部文書について「現時点で再調査する考えはない」と発言。小野寺五典防衛相は「日報」問題で、特別防衛監察で示した「再発防止」策を強調するだけで、稲田朋美前防衛相の隠蔽(いんぺい)への関与についての真相解明には触れませんでした。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設では、「辺野古が唯一の解決策というスタンスは一貫している」と、沖縄県民の民意を無視した強権姿勢を示しました。 上川陽子法相は、「共謀罪」法の運用について首相から特別に指示を受けたとし、「共謀罪」を発動していく姿勢を示しました。 まさに反省にはほど遠い悪政推進の姿勢が露骨です。 一方で、安倍首相が執念を燃やす憲法改定については、「スケジュールありきではない」「党主導でやっていただく」と、自ら期限まで切って主導する従来の姿勢をトーンダウンさせ、側近議員も「軌道修正」を口にせざるを得ない状況です。国民の怒りを恐れる政権の姿を示しました。ただ、自民党内の改憲原案作成の論議は引き続き進め、いつでも国会に提示できるよう準備が進められます。 (中祖寅一) http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-05/2017080501_04_1.html 2017年8月5日(土) 閣僚就任会見から見えるもの 疑惑隠し悪政推進 第3次安倍再々改造内閣の各閣僚が3日、就任会見し、改造内閣の政策に言及しました。この中で閣僚らは、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設、「共謀罪」法の運用、「残業代ゼロ」法案、環太平洋連携協定(TPP)などの安倍路線をいっそう推し進める一方で、加計疑惑の解明には後ろ向きの姿勢を鮮明にしました。 防衛相「辺野古が唯一」 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に関して、「辺野古が唯一」との安倍政権の従来の姿勢を堅持する発言が相次ぎました。 小野寺五典防衛相は安倍晋三首相から「普天間飛行場の(辺野古)移設を含め、抑止力の維持を図りつつ、沖縄をはじめとする地元の負担軽減を実現する」との指示を受けたことを明らかにした上で、「普天間の一日も早い返還のためには、辺野古が唯一の解決策というスタンスについては、政府として一貫している」と指摘。沖縄県民の民意に反した新基地建設を引き続き推進する考えを示しました。 また、菅義偉官房長官も会見で、「沖縄のみなさんに説明を尽くしながら、辺野古移設を推進する、こうしたことも極めて大事なことだと思っている」と述べました。 一方、名護市の稲嶺進市長は3日の定例会見で、「『辺野古が唯一』の固定観念を取り払ってもらわないとこの問題は先が見えなくなる」と指摘し、抜本的な方向転換を求めました。沖縄県の翁長雄志知事は、普天間基地の「県外移設」を強く求めました。 加計究明に背 安倍首相の意向が働いたとの疑念がもたれている国家戦略特区での獣医学部新設・加計学園問題では、新閣僚から無反省な発言が相次ぎました。 文科省の内部文書に「総理のご意向」などと書かれていたことをめぐって、林芳正文科相は「現時点で再調査する考えはない」と真相究明に背を向ける姿勢を示しました。 梶山弘志地方創生担当相も、記者から疑念は払しょくされたかと問われ「個人としてのコメントは申し上げるつもりはない。しっかり説明していく」と答えました。 一方、国家戦略特区については「日本が世界で一番ビジネスのしやすい国を目指し、日本経済を成長軌道にのせるための重要な実現手段。岩盤規制改革を積極的に行っていく」と、さらなる推進を明言しました。 共謀罪を運用 上川陽子法相は「共謀罪」法について、「TOC条約(国際組織犯罪防止条約)の国内担保法」と破たん済みの理屈で合理化しました。金田勝年前法相の説明で国民の理解は得られたかとの問いに、「前法相も丁寧に説明したと思うが、それで十分かというと、運用には丁寧に理解を得なければならない」などと述べました。 上川氏は、「共謀罪」法の運用について首相から特別に指示を受けたとし、「共謀罪」法を動かしていく姿を示しました。 加藤勝信厚生労働相は「働き方改革を断行する」と主張。「時間ではなく成果で評価される制度の創設」に明言し、「残業代ゼロ」法案と国民の強い批判を浴びている、高度プロフェッショナル制度に執念を示しました。 TPPに固執 茂木敏充経済再生担当相は、国内農業や中小企業に深刻な打撃を与える環太平洋連携協定(TPP)や日欧経済連携協定(日EU・EPA)を「成長戦略の柱」と評価。TPPから離脱した米国を除く11カ国での発効に固執する姿勢を示すとともに、日EU・EPAについても「署名に向けた取り組みを進める」と明言しました。 斎藤健農水相も副大臣としてかかわったTPPやEPA、農協つぶしの農協改革などを実績として誇示。当選3回での抜てきに「難しい課題に誠意をもって対応してきたことは自負している」と述べました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-05/2017080502_01_1.html 2017年8月5日(土) “代えるべきは首相” BSフジ番組 山下副委員長が指摘 日本共産党の山下芳生副委員長は3日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、同日発足の第3次安倍再々改造内閣について、「“代えるべきは安倍さんでしょう内閣”だ」と述べました。 改造後の記者会見で安倍晋三首相が、「森友」「加計」疑惑や南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の「日報」問題で「深い反省」「おわび」を表明したことに、自民党の片山さつき政調会長代理は、「反省と責任感が伝わってきた」などと語りました。 山下氏は、「個々の政策や大臣の問題もあるが、最大の問題は安倍総理本人だ」と指摘。「森友」「加計」疑惑では「お友だち」のための国政私物化が問題となり、「共謀罪」法の強行に加え、憲法9条改憲を狙い、東京都議選中に「こんな人たちに負けるわけにいかない」と異論や批判を敵視した姿勢に、「顔も見たくない」という嫌悪感が広がったと指摘。首都・東京で厳しい審判が出た以上、「この政治を続けていいのかが問われる。解散・総選挙で国民に信を問うべきだ」と求めました。 また、「日報」問題も特別防衛監察ではまったく解決されておらず、隠蔽(いんぺい)への関与の疑惑がもたれている稲田朋美前防衛相の国会出席を拒否するなら、頭を下げた首相が「うそを重ねることになる」と述べました。 林芳正文部科学相が就任会見で、「加計」疑惑再調査の考えはないと述べたことに、山下氏は「もうはっきりした。疑惑隠し大臣だ」と指摘。前川喜平前文科次官の勇気ある告発を「信頼低下の一因だ」と誹謗した林氏の発言に、「逆だ。行政をゆがめて信頼低下をさせたのは首相官邸だ」と批判。疑惑の中心人物・萩生田光一氏を官房副長官から自民党幹事長代行に“栄転”させたのは「まったく反省していない証拠だ」と述べました。 民進党の大塚耕平政調会長代理も山下氏に「共感する」として、状況証拠があるのに新閣僚が再調査しないなら改造に意味はなく、「期待はずれかもしれない」と語りました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-05/2017080502_03_1.html
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