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顔も上げられず目が泳ぐ安倍首相 末路はブン投げ総辞職
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210197
2017年7月26日 日刊ゲンダイ 文字お越し
鳴りを潜めた「だから民進党は!」/(C)日刊ゲンダイ
疑惑まみれの安倍首相にとって、この2日間はターニングポイントだった。内閣支持率の急落とアベ嫌いの拡散で、渋々応じた国会の閉会中審査は大荒れ。「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画への便宜供与をめぐる疑惑は晴れるどころか、ますます色濃くなった。
安倍が議長を務める国家戦略特区を利用してビジネス拡大をもくろむ“40年来の友人”との「奢ったり奢られたり」のベッタリ関係を露呈。その揚げ句、口利き疑惑をごまかすため、加計の計画を「今年1月20日の国家戦略特区諮問会議で知った」と苦し紛れに過去の答弁を修正する始末だった。利害関係者から平然とゴチになり、スットボケを繰り返す破廉恥首相を有権者は完全に見限った。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)は言う。
「李下に冠を正さず、が聞いて呆れます。安倍首相の答弁には言葉を失いました。国家戦略特区での獣医学部新設が加速した去年の夏以降、加計理事長は山本地方創生相、山本農相と面会して獣医学部新設の話題を出し、松野文科相にも挨拶に行っている。
その間6回もゴルフや会食を共にした友人の安倍首相には一言もない。そんな愚にもつかない説明を国民が信じると思っているのでしょうか。到底納得しませんよ。弁明するほどつじつまが合わなくなっている。だからなのでしょうか、安倍首相はまるで叱られている子どものように目が泳いでいるように見えました。精神的に追い詰められている印象です」
■PKO日報隠蔽も新展開
激しいヤジが議場に響き渡り、審議は繰り返しストップ。答弁に窮した安倍は事務方が用意したペーパーをシドロモドロで読み上げ、顔もロクに上げられなかった。大きな身ぶり手ぶりで目をギラつかせ、「だから民進党は」と反撃していた姿とはまるで別人。すっかり生気を失い、その目は死んだ魚のそれのようだった。
政治評論家の野上忠興氏は言う。
「安倍首相は反転攻勢の最大のターニングポイントをフイにしました。国家戦略特区の認定手続きを白紙に戻し、イチからやり直すと政治決断すれば局面打開の可能性もあった。ところが、口から出てきたのは子どもだましのインチキ答弁。身内である自民党議員たちでさえ頭を抱えています。ただでさえ、地元の選挙区に戻れば〈安倍首相は一体どういうつもりなんだ!〉と激しい突き上げを食らっているんですからね」
南スーダンPKO派遣部隊の日報隠蔽問題も新展開。28日に特別防衛監察の結果が公表され、8月1日にも衆院安全保障委員会の閉会中審査が行われる見通しだ。稲田は隠蔽了承をかたくなに否定しているが、虚偽答弁の裏付けとなりそうな証拠の存在が報じられた。防衛省幹部が隠蔽を決定した今年2月15日の緊急会議の2日前、大臣室で開かれた幹部会議の手書きメモが流出。稲田から日報の存在有無を問いただされた湯浅悟郎陸幕副長が「紙はないかとしか確認しなかった。データはあった」と報告し、稲田が「明日なんて答えよう。今までは両方破棄したと答えているのか」と発言したと記されていた。安全保障委で火ダルマになるのは必至だ。
友情に仕事は持ち込まないって?(C)日刊ゲンダイ
現実味を帯びてきた都議選からの5連敗 |
こんな政治状況でも安倍は8月3日にも内閣改造を断行し、稲田をはじめとする問題閣僚を切り捨てて責任転嫁。「人心一新」と称して、あらゆる疑惑にフタをして再浮上をもくろんでいるが、そんな弥縫策は国民に見透かされている。
内閣支持率はつるべ落としで、毎日新聞の世論調査では26%まで下落。改造人事への視線は冷め切っていて、菅官房長官や麻生財務相の留任方針を「評価しない」が52%にも上った。都合の悪い文書を「怪文書」呼ばわりする菅、舌禍癖の麻生を「政権の骨格」扱いしているのだから、当然の数字だ。佐藤栄作は「内閣は解散するたびに求心力を増し、改造するたびに求心力が低下する」と言っていたというが、死に体内閣が小手先の改造で息を吹き返すはずがない。
求心力を失い、支持率も下げ、レームダックが加速する負のスパイラル。こうなれば、民進党など野党4党が要求している臨時国会の早期召集にも応じざるを得なくなるだろう。野党は衆参それぞれで総議員の4分の1以上の賛同者を集め、憲法53条が定める召集要件を満たしている。自民党の竹下亘国対委員長が「安倍首相は加計問題について追及されることを嫌がっている」という感情論で突っぱね、正当な理由のない拒否が通用していたのが異常だったのだ。
アベ不信は選挙情勢にも如実に表れている。
「歴史的な大敗を喫した都議選、野党統一候補に敗れた仙台市長選に続き、今週末は横浜市長選が行われます。菅官房長官のお膝元の上、野党が分裂。現職の自民党系候補が負けるはずのない選挙ですが、野党系候補が追い上げて接戦に持ち込んでいる。茨城知事選(8月27日投開票)は現職の野党系候補が優勢です。木村太郎衆院議員の死去に伴い、10月の補選(10月22日投開票)は衆院愛媛3区と青森4区が同時に行われる見通しです。愛媛は野党が候補者一本化調整を進めていますし、昨年の参院選で野党共闘が成功した青森も厳しい。EUと大枠合意したEPA(経済連携協定)に反発するJAが反旗を翻す可能性があります」(野上忠興氏=前出)
■再び流れる入院情報
国会で集中砲火を浴び、選挙も黒星続きでは心身ともにひ弱な安倍は持たない。第1次政権時代は2007年7月の参院選で惨敗。進退問題を改造人事でごまかし、派閥領袖級のベテランを積極起用して“お友だち内閣”の払拭に努めたが、たった8日後に遠藤武彦農相が「政治とカネ」の問題で辞任。支持率が20%台に落ち込み、安倍の体調が悪化。ストレスがかかると下痢が止まらなくなる持病の潰瘍性大腸炎が再発し、結局1カ月も経たずに政権をブン投げた。ここにきて、健康不安説が再燃している。
「都議選前から体調悪化が囁かれ、今月上旬の欧州歴訪帰りに検査入院するとの情報が流れていたのですが、九州豪雨対応などでのびのびになっていた。どうも、今週末にも3日間コースの人間ドックを受ける準備を進めているようです。このタイミングで体調に疑念を持たれると、ますます求心力が失われかねませんが、そうも言っていられないほどキツイのか」(自民党関係者)
10年前、国民をア然とさせたあの風景がよみがえる。総辞職へのカウントダウンは始まっている。
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― 桃丸 (@eos1v) 2017年7月26日
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