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東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に慎重な姿勢を打ち出し、昨年10月の知事選で初当選した米山隆一・新潟県知事。原発立地自治体の知事の中でも、とりわけ再稼働に対し厳しい姿勢で臨んでいる。18日に行った朝日新聞のインタビューで、「原発」や「公約」を巡る就任半年あまりについて語った。主な一問一答は次の通り。
三反園知事、「脱原発」はどこへ 自民とは関係構築着々
――知事選で「東電福島第一原発の事故や、その影響・課題が検証されない限り、再稼働の議論は始められない」と公約し、自民、公明両党推薦候補を破りました。その後、公約の進み具合はいかがですか?
「『三つの検証』を進める検証委員会をまもなく立ち上げたい。まずは事故原因。何が起きて、どうなったのか。政府など四つの事故調査委員会が報告書を出してから時間も経ち、その後に分かったこともある。原発は地震に耐えたのか、配管の破損があったのか。事故時のオペレーションにミスはなかったのか。万が一の際、人員から何から足りていなかったのではないか。バックアップする人員がいれば、早々に手動で(原子炉格納容器の圧力を逃がす)ベントをできたのではないか」
「次に福島原発事故で、健康と生活にどういう影響があったのかを検証する。その二つを踏まえ、避難のあり方について検証を行い、避難計画作りに役立てたい。ベントでどれくらいプルーム(放射性雲)が出て、どれくらい被害があったのか。どれくらいの被曝(ひばく)なら許容できるのか。検証を踏まないと、安全な逃げ方ができない。百%安全な避難計画はない。多少プルームをかぶってでも逃げるしかない。国任せでなく、いろんな自治体がそれぞれ検証することは大事だ」
――福島原発事故の検証がない限り、再稼働は認めない考えに変わりないと?
「変わらない。それでは時間がかかりすぎるという意見もあるが、事故から6年以上も(検証を)放置したことにこそ問題がある。社会全体の共同正犯だ。社会全体として6年放置したから、今から検証するのに3年を要するのだと考えている」
――どんな苦労がありますか?
「検証委員会の発足では、何人かの委員候補に断られた。何度か私が行っても『いやー』と言われた。ポリティカルな注目を浴びてしまうことを恐れて尻込みしてしまう」
――県議会は原発推進の自民党が6割を占めますが、抵抗はないのですか。
「再稼働するかしないかの議論になれば分からないが、ここまでは意外に苦労していない。今言った検証の話は正論だからだと思う。とりあえずやってみれば、という感じだ」
――2017年度の県予算は、県議会で62年ぶりに全会一致で成立しました。
「公共事業や文教など部門間での予算配分をあまり変えていないことが理由の一つだと思う。予算配分は重要で、ここで敵をつくると恨みの残った側が原発で復讐(ふくしゅう)に回るという、江戸の敵を長崎で討つみたいなことが起こる。だから意図的に無難な予算編成をした」
――ほかの原発立地自治体では、新潟のような議論の高まりがありません。なぜでしょうか?
「ある種の現実逃避かもしれない。安全神話が崩れ、事故は確率の問題でしかないとわかったが、それを考えるのは怖いし議論は嫌だからやめようと。これに対し新潟では、柏崎刈羽原発は福島で事故を起こした東電のもので、同じ沸騰水型炉。07年の中越沖地震で火災事故も起きており、現実逃避しようがない。そういう状況の中で県民の不安感が集約しやすかった」
――九州電力川内原発を抱える鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は、再稼働した九電に抗議しながら、今は事実上の容認に転じました。この変節をどうみていますか?
「もとより現在の姿勢で、そんなに変節していないように思う。選挙の時にも何かハッキリ言ったわけでないし、九電への抗議も明確だったわけではない。何をどうしたいのか、特段決まっておらず、終始一貫して目の前の現状に合わせて態度が変わっているだけのように見える」
――政治家は公約にどう向き合うべきですか?
「周囲との調和の中で変えていかないといけない所は出てくるが、エッセンスを失ってはいけない。かつ、どうしても変えないとならない時には、相当よく説明し、様々なやり方はあると思うが、何らかの形で民意を問うプロセスを経ないといけない」
――原発に慎重な知事同士で連携する考えは?
「今はあまり考えていない。そもそも原発に慎重な知事は現在、三日月大造(みかづきたいぞう)さん(滋賀県知事)くらいしかいない。三反園さんは前述の通り微妙だし。川勝平太(かわかつへいた)さん(静岡県知事)は今後を注視したい」
――新潟県知事選では野党共闘の枠組みで勝ちました。次の衆院選では、野党候補を支援しますか?
「政治は、揺れている大きな盤の上で将棋を指すようなもの。気が付いたら思いがけず角がここにいる、歩が成っている、ということが起こる。状況は、その時にならないと分からない。あらゆるオプションを持って臨みたい」(聞き手・構成=関根慎一)
2017年7月24日22時51分
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