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「政治で最も大切なのは言葉です」と話す山口謡司さん=東京都中野区で
失言、暴言…。政治家たちの言葉の失敗が続く。政治家たちの言葉は、なぜこんなに乱雑になったのか。文献学者の山口謡司大東文化大准教授(54)は、以前から国会審議で連発する「漢字の読み間違い」に注目する。 (石原真樹)
「政治にとって大切なのは言葉なのに、答弁を自分で考えようとしない。官僚の作文を読み上げるだけだから間違いが起きる」
山口さんは先月、東京都中野区の出版社「游(ゆう)学社」から「音読力 読み間違う日本語の罠(わな)99」と題した著書を刊行した。読み間違えやすかったり、意味が分かりづらかったりする漢字の由来などを解説したほか、声に出して読むための例文を付けた。言葉にとって大切なのは、声に出したときに聞いた人に伝わることだという主張を、タイトルの「音読力」に込めた。
九十九の漢字の冒頭は、安倍晋三首相が一月の国会で「でんでん」と読んだ「云々(うんぬん)」を選んだ。「日本のトップが言葉を軽んじている」ことへの憤りがあった。このほか、麻生太郎副総理兼財務相が首相時代に「みぞうゆう」と読んだ「未曽有(みぞう)」や「はんざつ」と間違えた「頻繁(ひんぱん)」なども紹介した。
「頻」の字には「しきりに」という意味がある。「繁」は、訓読みの「しげる」から連想されるように「とてもたくさんになる」ということだ。「頻出(ひんしゅつ)」「頻発(ひんぱつ)」「繁殖(はんしょく)」などの用例を知っていれば、「頻繁」は「はんざつ」と読み間違えることはない−などと説明している。
長崎県佐世保市出身の山口さんの家系は、江戸時代の能楽師に連なる。謡や漢文、和歌などに囲まれて育ち、中国の書物が日本にどう伝わったかなど、書物の歴史研究の道を志した。
漢字を読み間違えた政治家の例を挙げれば、きりがない。最近も義家弘介文部科学副大臣は便宜(べんぎ)を「びんせん」と読み、二〇一四年は宮沢洋一経済産業相(当時)が鹿児島県の「川内(せんだい)原発」を「かわうちげんぱつ」と読んだ。一六年は島尻安伊子沖縄北方担当相(同)が「歯舞群島(はぼまいぐんとう)」を読めなかった。
読み間違い以外にも、安倍首相は「共謀罪」を巡る国会審議で自ら発言した「そもそも」の意味を問われた際に「辞書で調べたら『基本的に』という意味もある」と答弁した。現在、書店で販売中の辞書に「そもそも」の意味を「基本的に」としているものは見当たらないために「本当に調べたのか」と話題になった。
「言葉を間違えることはものを考えていないことの証し。恥ずかしいことだと認識すべきだ」。山口さんは、この状況を変えられるかは受け手である有権者の「音読力」にもかかっていると考える。「聞く耳がなければ批判はできない。『間違っていますよ』とちゃんと言えるよう、みんなで日本語力をアップさせましょう」と呼び掛ける。「音読力 読み間違う日本語の罠99」は千四百円(税別)。
2017年7月20日 夕刊
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